浜茶屋　海が好き

・先日、シンガポールに行って電気以外をさ迷っていたところ、オンリーユーと、リメンバーマイラブのＤＶＤを発見しました。買ってみて再生してみると、字幕には中国語が入っており、音はすべて日本語でありました。

・うる星やつら４の次の映画作品がうる星やつら完結編であるため、観てみましたが、どうしてああもクオリティが違うんでしょうか？ストーリーは単行本と同じで、それについては別に問題ありませんが、絵が…。誰か１〜４と完結編の間にあのような大きな溝がある理由を教えてください。完結編の存在が１〜４の作品をより引き立たせている気さえします。

・うる星やつらの映画では、ビューティフルドリーマーが歴史的評価？も高く（映画としての興行成績はオンリーユーが一番だったと聞いてますが）、うる星でない人でも十分に満足させられる映画ですが、最近ではラム・ザ・フォーエバーがマイブームになってます。

映画５本について（いつだってマイダーリンは映画とは認めない）１・３・５は鬼星（またはうる星、ラム星他いろいろ名前があるかと思いますが、誰か他に知っているひとは、教えてください）他地球外の仲間達が参加するストーリーとして個人的には区別してます。２と４は友引町の仲間達で世界を作っている感じ。なんとなくそれが映画全体の雰囲気を決めている気がする。昔ビデオデッキを持っていない頃、ドラマ編をカセットで買い、毎晩聞いてました。

・個人的に２と４が好きな理由は、なんとなく話が自分に実感出切るレベルだからかもしれません。

・不思議なのは、１・３・完結編とストーリーがあたるとラムの間の関係に重点が絞られている点。しかもふたりが空間的？に引き離されるという点で一致しており、いろいろと周囲の人達の助けがあり、二人の仲が元通りになるという点。４では、確かにラムは友引高校の近くに出来たでっかい山の真中の池？みたいなところ
に幽閉されたかっこうになってますが、二人が引き離されたという切実な現実はそれほど見ていて、実感させられません。やはり１・３・完結編は登場人物を地球外にまで増やし、オールスター出演という感じでストーリーが進む感じのため、ラムとあたる以外のキーパーソンの描写のキャパシティがないような気がします。オンリーユーは、うる星で映画を作るんだったら第一作はこうなるだろうなあと想像出来るような感じで、それはそれで非常によいのですが、その次のビーューティフルドリーマーでは、かなり違ってくる。

・個人的に２と４が好きな理由。いつまでも覚めない夢であり永遠に繰り返す何かを感じます。ラムの夢である世界に私はどれだけ行きたいと願ったことか。あの世界ははっきりいって、楽園です。すべてが時間と共に変わっていき、現在の記憶もすぐ過去のものになってしまう現実世界に対して、あのビューティフルドリーマー映画冒頭部の世界は、アンチテーゼを提出してます。「外部との交渉のない、閉じた空間」は私の中の日々の中の生活と戦う自分に対して、本当は自分がいるべき場所はあのラムの描く夢の中の世界なのでは？と思います。やはり、私ももし無邪鬼から夢を作ってもらえるなら、ラムが願った「心休める人々といつまでもずっといっしょにいたい」という夢を現実のものにしてもらって、廃墟の友引町のような閉じた空間でしかも、生活の不安のない安住できる生活をかなえてもらうかもしれません。その意味では、日々あわただしい喧騒の中に、自分の居場所を求める人などには、ビューティフルドリーマーはどのように映るのでしょうか？

・うる星テレビ編について、基本的には一話完結型にも関わらず、１９８話でひとつのうる星ワールドを形成している気がします。特に私が好きなのは、友引町を中心に・あたるの部屋を中心にしてストーリーが展開する場合。他のアニメと違い、
あまりに現実的過ぎず、かといってあまりに自分の生活から乖離し過ぎていることもなく、ちょうど自分の居心地のよさそうな世界がそこにはあります。私はラムとあたるが主人公にも関わらず、うる星は主人公があまり前面に出てこない全員で演じている話が好きです。もし他にこのようなアニメがあれば、誰か教えてください（といっても他のアニメも結構見てますが…）。

・すでに終わってしまったらんまについて、うる星が終わってしまった後の、高橋留美子の作品ですが、そこにはうる星で展開されていた世界は再現されませんでした。結構それに失望して、高橋留美子のもとを去った人も多いのでは？私もそのひとりです。かといってらんまをうんぬんする気はありませんし、私の知らない角度から観るとすばらしい作品なのかもしれませんが、私がうる星からもらった自分の趣向のありかをらんまからは、感じ取れませんでした。うる星の場合は、高橋留美子以外にも押井守などにより相当、うる星ワールドはブレンドされており、コミックにはない話もうる星ワールドを丁度いい具合に味付けしてます。らんまの場合は、脇役が力不足で主役あってこその脇役という感じが否めません。しかも、うる星のようにキャラクターの関係が並列でなく（確かに主人公はあたるであり、ラムかもしれませんが、単行本でもテレビ版でもそれを感じさせない）、らんまとあかねというパートが巨大過ぎ、他のキャラクターが独自の世界を展開することが出来ず、つねにらんまとあかねを意識した行動範囲に限られております。あの永遠に変わらない、居心地のいい夢の世界は、らんまの登場人物では構成出来ないでしょう。全員が等しく平等という関係が成り立たないと思われるからです。

・最初にビューティフルドリーマーを見たときは、彼らは私よりも年少でしたが、今では私の方が彼らよりも年長になってしまいました。しかし、うる星のビデオを見るたびに、彼らの生きている世界と同じ世界に自分も身を置くことが出来ます。
時代が変わっても彼らは決して色褪せない、しかも彼らは同じ世界にとどまりつづける、その姿勢が私がいつも彼らの世界に浸りつづけたい理由かもしれません。同じ世界を永遠に続けるということをテーマにポイントを置いたという意味でうる星以外の他の作品で、うる星以上に立場を明確にした作品を私はいまだ知りません。
それが、いまだに自分にうる星やつら　イズ　ナンバーワン　フォーエバーと
言わせる理由です。今の私の生活（というよりほとんどの人の生活）は、すべて成長や変化に重点が置かれてます。しかし、うる星の面々が営む世界である「永遠に成長しないということ」がどれだけ自分にとってまぶしすぎる世界か、ビデオを見る度に（うる星のすべてのビデオを手に入れてからは、今まで毎日欠かさずうる星ワールドに身を置くことを自分に課しております。何かがそうさせる。うる星ワールドから出て、仕事に行くとか友達と遊ぶとかそういう感触が得られるまで続けるつもりです。）実感させられる思いです。