浜茶屋　海が好き

続編希望の件に関しての考察：ラストまで読み終えた時の感激、興奮、加えてこれでもう読者としてあの世界を観つづけることが出来ないのか等の空虚感のあまりに一時的なヒステリー症状に陥り、このような発作を起させた次第です。だこしてしまった次第。従って、以後は冷静な視点から、資料等が与えている事実を基に、続編に関しての見解を考察してゆくことにする。
　先ず、ボーイ以下略は（何度も書いているが）あたるがラムに対して自分の気持ちを確認させることが出来た点に於いて、うる星らしい決着を着けていた。何故ならば、うる星の基部はあたるとラムの「鬼ごっこ」（keyさんの言葉を引用）であるからだ。自分達の"表に出ている行動"が絶対的な影響を持つこの世の中、"本当の気持ち"が交錯して行く状況で、それを好転させるには意思を伝えるor何らかの妥協点を見出すかの二者択一。（いずれにしろ「好きだ」とは伝えなければならない）結局は妥協点を見出してハッピーエンドに持ち込んだのだが。----（#）
　次に、ラムのあたるに対する行動性は、「露骨な愛情表現」に大部分を支配されていて、諸星あたるのラムに対するそれは「ラムとの対照性」が際立っている事にある。あたるがこの様に「対照性」を示している理由は、ボーイ以下略でルパがカルラに指摘している「一度言いそびれると中々言い出せない」事にあると考えられる。ラムはあたるにとってドラえもんモドキに居候で且つ、（第１話の結末から）当初「押しかけ女房」の存在だったからであり、時が移ろうにつれ、友人関係としての絆を深めてゆく事で自らもラムへの愛を自覚して行く。以上のプロセスは人間諸星あたるが「愛している」の一言を言い出せない場を形成してしまっている。諸星あたるとは、告白する事は見ず知らずの女性やクラスメイト的友人になら出来る（ガールハントの件はreffer：http://rumic.comic.to/urusei/uybbs/hyperbbs.cgi?mode=view;Code=116-諸星あたるの考察-をどうぞ）が、ラムの様に自分の生活に入り込んだ人間に対しては気恥ずかしさや頑固さが勝ってしまい、更に、「愛していると言わねば分からぬのか」と云う想いまで出現させてしまいます。詰まる所は【あたるはラムが好き】との命題は、出会いから現在までに至る経過上から"暗黙の了解"というのが彼の主張なのです。----（＊）
　以上の点を踏まえて"続編が出ると仮定する"と、
1）あたるとラムが相変わらず未だに痴話げんかをやっている世界
2）あたるがラムを追い込んだ事を契機に（多少なりと）ラムとの付き合いを改善させた世界
が最も一般的な考え方だと思われます。故にこれらに絞って話を進行させる。
■さて、ここでもう一つだけ条件を追加させます。：ラムの理想はダーリンこと諸星あたるを確実に自分に振り向かせ、ロマンティックな道を歩く事でした（「夢で逢えたら」参照）。然しながら事実は、あたるがガールハントをむやみにやるわ、「嘘でも良いから好きだと言って欲しいっちゃ」、片意地張って感情を逆なでするわetc..のギャップが激しい状態です。実在性と理想状態は常に差が開かれている状態にあり、ここでは前述いたしました"結局は妥協点を見出したこと"がラムに別の道を切り開く選択をさせた次第です。この見解は「一生かけて好きだと言わせてやるっちゃ」に現れています。何故ならば：ラムの現実は挙げた通り。ここでクリアしたのは諸星あたるの愛を"確実性のあるものにした"事。----（♭）
　故に、差の極限を0に収束させて理想に移行させるためには、ラムに次の目標を設定させ、それに向かわせてゆくのが必要条件です。言い換えると、今度のテーマは"あたるに好きだと言わせる"（しつこく指摘するが、"愛されている"のは双方、特にラムには確認済み）と設定するのが甚だ自然である----（£）（別段、他にも模索するのに適した"あらゆる"選択肢は、あたるがラムにそっぽを向く可能性がある限りにおいて用意され得るが、ここではこの一手に絞る）。------
（開始時期は流動的であるのでここでは考慮しないことにする。また、うる星やつらは一話完結方式で展開しているので全体的な概要を構築することを目標とする。）　　
▽1）のとき
最終話にて「おのれら一生痴話げんかするつもりか」「だっちゃ」と述べられております。この通りの事が実現されたとすると、痴話げんかをするにも原因が介在してきます。
さて、goo辞書で検索してこれに定義付けをしてみます。
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ちわげんか ―げんくわ
【痴話喧嘩】　
男女間の愛情のもつれがもとでおこるたわいもないけんか。　
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・ここで毎度おなじみあたるのガールハントを使いましょう。
ガールハントはラムの機嫌を損ね、これに発展させますが、以前の世界像と比較すると、（♭）が確実に影響を及ぼしてきます。ラムがあたるの愛を確認している以上はガールハントという手段は意味を成さなくなり、後に残るのはラムの独占欲で占められてきて、ただ単にエゴを描いているだけになってしまいます。それに、ガールハントをしているあたるに電撃を浴びせることはラムが愛しているのはあたるだけだと明確に示す事を示唆しているのを考えると（♭）のために不適。
よって常套手段は否定された。
・話の展開は新しいキャラクターを連れて来てラムのライバルにすることも考えられるでしょうが、これは掲示板等を参考にすると「オンリーユー」という話で終わっているそうですね。よって不適。（コミックなら資料が使えるが、映画は観たことが無く、詳細は知識が不足しているので指摘してくれる方がいたら助かります。）
▽2）のとき
--------相済まなき事、これ以上は面倒くさい、、、、一度提出。----
結論：うる星やつらは恋愛物のくせに露骨なキスシーンや恋愛シーンが少ない。続編を希望する者にとって気に掛かるのはここだろう。相思相愛ならば愛情を描写する事が万人誰しも手っ取り早く好き合っていることを容易に見て取れる唯一の手段だからだ。然しながらこの作品の場合はどうだろう。諸星あたる、ラムという恋愛の当事者が繰り広げるのは、反して当り障りの無いものが大部分を占めている。恋といってもラムの一方的なもので、あたるの行動は大体後半部でラムを補う形で描かれていくのが増加傾向にあるに過ぎない。そして最終話で「うちの事を忘れても本当にいいっちゃ?」「忘れるもんか!」とラムの前で初めて一応の気持ちを表現しただけだ。うる星やつらの恋愛における醍醐味と言えば、これだろう。何処で気持ちを表現してくれるのかと生殺しなのである。マゾではないけれども、やんわりと締められてゆく事にキャラクター達を観測してゆく楽しみがあるのである。観測する上では"甚だ興味深い"のだ。
　第1話では鬼ごっこでラムがあたるを好きになり、最終話にて同じ鬼ごっこであたるがラムに回答を出し、決着を着けた。あたるがラムに気持ちを伝え切るまでに結構な量のコミックが出ました。その中での心境の変化は作者も知るところの無いキャラクターだけの物であり、"続編"等と言って下手にキャラクターの心理をほじくり返されたら【興ざめ】なのである。我々が観る事の出来るのは、"視覚で見る事"に限られている。それ以上に描写しようとすることは人物の心理を否定し、はたまた宮崎駿作品を汚し、スティ-ヴン・キングを破棄し、（両人曰く、「コンセプトは作らない。キャラクターや状況が作品の進むべき方向を決定するのだ。」）うる星のラストに泥を塗るに等しい。心理描写を作品中のキャラクターに知られること無く、細かい部分を読者にだけ伝えたいなら、第1話から全てを小説に変換した方がマシである。けれどもうる星やつらは視覚的なギャグを接続詞代わりにストーリーを展開させている面を兼ねそらえているので、小説という手を使ったらギャグは切り捨てて現実味のある純恋愛小説に向かうしかないだろう。それを連続性のある画像で表現するとスタジオジブリにでも入社したほうが向いていると思われる。以下は超個人的意見。この作品を"見世物たらしめない"ためにもやはりこのままにしておいた方がいいのか。と自己完結等をする私であった。それから、内容は一話完結方式を取った個々が独立したものであるのに、一つの作品で見てみると、これだけのことが記述できるくらいに一貫性と多面性を持ち合わせていることに凄さを感じます。
追加事項：とかなんとか言いつつ密かにPart2を楽しみたい私。続編希望者様で興味のある方は上記の考察【＋補足や訂正】から是非を問うてみるという趣向はいかが？