ラムちゃんの誕生日
 
 
 
ラム 「ねー ねー ダーリン、 今日は何の日だか知ってるっちゃ?」
 
 バリ ボリ ボリ
 
あたる 「んあ?」
 
せんべいを食べながら まぬけな返事をする あたる。
 
ラム 「んあ?っっじゃないっちゃ! ねー ダーリン、何か うちに言うことないっちゃ?」
 
 バリンッ  ボリ ボリ
 
あたる 「・・・・・・・・・んっ!!!」
 
ラム 「ダーリンっ! やっと気づいてくれたっちゃね」
 
あたる 「んー!! んー!!!」
 
ラム 「ダーリン?」
 
あたるは せんべいをノドにつまらせたらしく 「机の上のお茶を取ってくれ!」 というような顔で
ラムの方を見た。
 
ラム 「はいっ ダーリン」
 
あたる 「んん!」
 
あたるは さっ! と お茶をラムから奪い 一気に飲みほした。
 
あたる 「ぷはああー! 死ぬかと思ったわいっ」
 
あたるが せんべいに手をのばす・・・
 
ラム 「だっっ ああーりんっっっ!!」
 
ラムが せんべいの入った皿を取り上げる。
 
あたる 「何するんじゃいっ  ラム!! かえせ!!!」
 
ラム 「べーっ★ やっだよぅー」
 
あっかんべー をするラム。
 
あたる 「こらっ!  ラム!!  かえせ!!」
 
ラム 「いやだっちゃー」
 
あたるはラムを追いかける。 ラムは せんべいの皿を持ったまま部屋を飛び回っている。
 
 
 
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
あたる 「はあ・・・・はあ・・・・・」
 
ラム 「・・・・・・・・・・」
 
あたる 「何ちゅう 聞きわけのない女じゃ! たかが せんべいぐらいで」
 
ラム 「それを言うならダーリンだっちゃ! 
    それに うちは せんべいを独り占めしたいわけじゃないっちゃ」
 
あたる 「じゃあ かえせ!」
 
ラム 「いやだっちゃ」
 
あたる 「ほれっ やっぱり 独り占めしたいんじゃないいか」
 
ラム 「ちっがうっちゃ! うちはダーリンが せんべいに夢中で話を聞いてくれないから
    腹を立ててるっちゃ!!」
 
あたる 「聞いていたではないか」
 
ラム 「ちゃんと聞いてくれなかったっちゃ」
 
あたる 「・・・・・・・・・・とにかく・・・早く それを かえせ!」
 
ラム 「・・・・・・ダーリンは・・・うちの話より せんべいの方がいいっちゃね・・・」
 
あたる 「・・・・・ラム・・・?」
 
パリ・・・パリパリ・・・
 
あたる 「わあああああー!! まて ラム」
 
ラム 「ダーっ リンの・・・ぶわぁっかあああああああああー!!!」
 
バリバリ ドッシャアアアアアアアアアアン!!!!
 
ラムは怒って 窓から外へ飛び出してしまった。
 
畳に せんべいが散らばった・・・・・
 
あたる 「ラムのやつ・・・・何だっちゅーんじゃ・・・?」
 
 
ジャリテン 「おいっ! あたる、 ラムちゃん 泣いとったで」
 
ジャリデンが窓から入って来た。
 
あたる 「あいつは泣くくらい せんべいが好きなのか?」
 
ジャリテン 「ちがうわいっ! 今日はラムちゃんの誕生日じゃっ  何で誕生日に泣かなあかねん!!
        全部 おまえのせーじゃ あほー!」
 
そのジャリテンの一言を聞いたとたん、あたるは部屋を飛び出した。
 
 
あたる (ラムのやつ・・・・・どーして言ってくれなかったんだ?)
 
あたるはラムの行きそうな場所を探した。
しかし なかなか見つからなかった。
 
あたる 「はっ!」
 
あたるは ふと立ち止まった。
 
あたる (まだ探していない ところが一箇所あった)
 
あたるは友引高校へと 向かった。
 
あたる (いた!!)
 
あたるの思ったとおり ラムは友引高校の屋根の上に座っていた。
 
あたるはラムに気づかれないように そっとラムの後ろに立った。
 
ラム 「・・・・・ダーリンの・・・ばか・・・」
 
ラムは まだ泣いているようだった。
 
あたる 「ラム・・・」
 
ラム 「ダーリン!」
 
ラムは思わず立ち上がった。
そして そのまま空へと飛び立とうとした。
 
あたる 「ラム! 待ってくれ!!」
 
あたるは飛ぼうとしたラムのうでをつかんで 屋根の上へ戻した。
 
ラム 「ダ・・・・・リン・・・」
 
ラムはびっくりしているようだった。
 
あたる 「ラム・・・その・・・・・」
 
あたるはラムの手を離し、うつむいてしまった。
 
あたる 「・・・・・おれ・・・・・・・ラムの誕生日なんて知らなくて・・・」
 
ラム 「ダーリン・・・・」
 
あたる 「・・・・・・・・・・」
 
ラム 「ダーリン!」
 
ラムはあたるに飛びついた。
 
あたる 「ラム・・・」
 
ラム 「ダーリン、うち 嬉しいっちゃ・・・・・
    ダーリンがうちのこと心配して 追いかけて来てくれて・・・」
 
あたる 「・・・・・・・・・・ラム・・・・・プレゼント・・・」
 
ラム 「プレゼントなら ここにあるっちゃ!」
 
ラムはあたるの唇にやさしく キスをした・・・・・
 
夕焼けに二人は あたたかく てらされた。
 
 
  〜END〜