傍にいる。 〜前編〜
 
 
 
  いつもと変わらぬ同じ日常。
   家を駆け出す。急がないと遅刻である。
   あたるが自分のほぼ真上にいるラムに向かって言う。
 がさこそ あたるがかばんの中をさぐる。
 
  あたるの足が止まる。
 それにつられてラムの動きも止まる。
  あたるが駆け出していく。
 
 
 
―きーんこーん―
 
   意地悪く言うしのぶ。    
  
そこで叫びだすラム親衛隊+面堂。
   
      
 どたどたどたどたっ 階段から聞こえるすごい音。
  ばんっ ドアが開く。      
 
     そこにいたのは温泉マーク。
 
   温泉がラムの両肩に手を置く。
     
 
 
 
 
しーん・・・・  
 
    
           
  ラムが窓から飛び出していく。
   面堂がトランシーバーを取り出す。
  教室からメガネ達、面堂、しのぶ、温泉が出て行く。  
 
   保健室からサクラの声。
  そこにいたテンも声をあげる。
どんっ チェリーのどアップ。
ばこーんっ サクラがチェリーを殴る。
   チェリーとサクラが保健室から出て行く。    
 
 
***********************************************************
 
     
   ラムが病院の病棟に飛んで突っ込む。
   そこにいたのはあたるの母。     
    母の目には涙。ラムも何時の間にか涙目である。
   そこに駆け出してきたしのぶ、面堂、メガネ達・・・。
 
  窓の外には弁天。おユキ。
 
 
沈黙が生まれる。  
    涙声でラムが言う。
―ぱーんー・・・・
     
  ラムの左頬を引っ叩いたのはしのぶ。
      「あんたはこれでもあたる君の妻なんでしょ!?」
  こくん ラムが頷いて涙をぬぐう。
     
  ・・・・しーん・・・・。
 
  あたるの母が目をハンカチで拭きながら言う。
  廊下からの声。一斉に振り返る。
そこに居たのはすらっとした女の人。
 女の人が深く頭を下げる。その女の人の後ろには4歳ぐらいの小さな女の子。
 たっ 女の子が母親の所からラムの方に駆け寄る。 
   女の子が花を差し出す。タンポポだ。
 
     ・・・・・・。
 
 ラムがその子からタンポポを受け取る。
 
  淡い色の花びら。
 
 
  周囲は温かく見守る。
 
 
 
*―数時間後― *
 
    さっきの女の子はラムにもたれて寝ている。
  ラムはぼんやりとあたるの事を考える。
  しのぶ、面堂、メガネ達、弁天、おユキ、女の子の母親、あたるの母、後で来た、あたるの父、ラムの両親、因幡、竜之介、ラン、レイ、校長、テン、
こたつ猫達は長いすに座っている。 
 
 
―ぱっ― 手術室の電気が切れる。
 
  ウィーン 手術室の扉が開く。
 
    手術室から酸素呼吸器をつけられて台にのって眠っているあたるが運ばれる。
   冷静におユキがつぶやく。
 
     
 
  しーん・・・・・。