「そ、そうだ!」
あたるはなにかを思いついた。いい、悪いはともかく、あたるにとってはいいことなのだろう。
あたるに少し笑顔が見えた。ささっと階段とを降りて、靴を履いて、走り出した。
そして駅に着いた。外と違い、けっこう空気は汚い。
「えーーと、中友引、中友引と・・・」
惜しげなく、金を投入、切符を買った。
プラットホームに降りるといすに座った。あたるは落ち着かなくなった。
下を向いて、変な声を出しているあたるを大勢の人が見ていた。人はあまり多くはない。
「まだこんのか・・」
あたるは無言で立ち上がった。黄色い線まで歩いていき、プラットホームから静かに線路を見降ろした。
何か考え事をしている。
周りの者達は、まるで、彼がそこから身を投げ出すのではないか、と言うふうな目つきで見ていた。
とそのとき、アナウンスが聞こえてきた。
「まもなく○番ホームに電車がまいります・・・。」
「やっときたか・・・。」
電車が来るほうを見てそれからため息をついた。どうやら落ち着いてきたらしい。
あたるは静かに電車に乗った。空いた席に座った。けっこう狭い。隣の席の人たちはあたるを睨んでいる、があたるは気にしない。
あたるはまた下を向いた。中友引までせいぜい5分くらいだから酔いはしない。
あたるは目をつぶった。
 
あたるは中友引、電車の中にいるときこの異変について考えていた。いったい何が起こったのか?自分が何かしたのか?
人が消えている。今までいたやつらがいなくなっている。
また面堂が何かしたのか?また自分を懲らしめるために、今度は町ぐるみで?
今まで生きてきて、こんな変な感覚は初めてだ。
ひどく楽観的なあたるも、こんなことが起きたらあせってしまう。
死ぬのではなく存在自体がなくなってしまっているのだ。皆から忘れられているが自分だけが覚えている。
しかし、こういう生活を何年かすごしてきて、あいつらにもわかっている。
これは俺の性格で直りはしない、と。
 
・・・・「まもなく中友引、中友引・・・」
はっとあたるは目を開けた。そして窓の外を見て、ゆっくり立ち上がった。
下友引駅は中友引駅と違い人が多い。改札口を出た。
そして走り出した。
ずっと下を向いて、
人はよけてくれるから、ぶつかったりはしない。
・・・そしてある家に着いた。
「はぁはぁはぁ・・・・」
息が切れている。手を膝について、息を整える。そして叫んだ。
「メガネーーーーーーー」
・・・しばらくすると、二階から寝癖のひどい男が顔を見せた。
しばらく、メガネすねたような顔をして言った。
「・・・なんだ、あたるか、どうしたんだ?
メガネは寝起きで少し機嫌が悪い。そしてあたるは
「とにかく話があるんだ、入るぞ」
といって家に入っていった」
そしてメガネの部屋に来た。
「どうしたんだ、あたる?」
「いやな、少し話があって・・」
「金なら貸さんぞ、いつかえってくるかわからんからなぁ。」
「金じゃない、とにかくメガネ・・・、これを見ろ!」
と、ラムの人形をメガネに見せた。
「ん?、いったいこれがどうし・・・、!!!!」
メガネは気絶してしまった。
「メ、メガネ!?」
数時間後、メガネは目を覚ましたそして今まで起こったことをすべて話した。そして、この真相解明のため
協力してくれと頼むと、しばらくして、わかったといった。そして仲間は多いいほうがよいと、他の親衛隊を呼び出した。
 
あたるたち五人は、大きく白い紙を囲んで丸くなり話し合っていた。そしてその紙には消えたやつらの名前が書いてある。
「エーと、しのぶとさくら先生に異変が起きていて、いなくなっているのはランさんにジャリテンで間違いないな、あたる」
メガネが言った。
「それと・・ラムもだ・・」あたるは、口を開いた
それを聞いたとたん4人は怒りに震えだした。
「ぬわにぃー。貴様なんでそれをもっと早く言わんのだ」チビ、カクガリはあたるに問い詰める。
「あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いとらんはボケー」
カクガリ、チビは怒り、パーマは悲そうな顔をして
「おまえなぁ、いつもラムさんがそばにいるから分からんかったんだろう、ラムさんの大切さを・・。」
するとこんどは、あたるが怒り、チビ、カクガリを押しのけて
「なんだとうっ、何でお前にそこまで言われにゃならんのだ!!」と言った。
「まぁまぁ、落ち着けって、起こっても何も始まらんぞ〜。今はこれを解決するのが先だろーが。」
そして、めがねは続けた
「とにかくだ、我々は、異常な空間の中に入ってしまって出られなくなっている。それに、あたる以外がラムさんの存在を忘れていたのだ。
ここは、友引町であり、そうでないのだ。俺にはラムさんのいないこんな所など耐えられない。我々はここから出なければならない」
「異議なし!!!」
「でも、メガネよぅ、俺達以外の奴らにとっては、友引町だろう?」とパーマは異議なしとは言わずにこう言った。
「しかし、俺は耐えられん!!」
「で、出る方法は?」
「直接はないが、この世界を知ることが第一だろぅ。」
「ようするにだ、頭のきれるやつが必要だろ。」あたるが言った。
「ああ、まあな・・・、そうかお前、奴を・・。」
「ああ、そうだ。認めたくないがな」といいながら、あたるは立ち上がり、窓の方へ行き、窓を開けた。そして息をいっぱい吸い込み、
「面堂のばっきゃろーーーーーーーーーーー」
声が、ばっきゃろーばっきゃろーとこだましていった。
・・・・面堂が来た。
「なんだとう!」と日本刀であたるをきりつけようとしたが、あたるは白刃取りをした。
両者はにらみ合い、面堂が言った。
「」
「」と言い、あたるは、木槌で面堂をなっぐった。気を失ってしまった。
 
しばらくして、面堂は目を覚ました。そして、今までの記憶を思い出させた。
あまりに、非現実的なことなのだが、すんなり信じた。
「ふむ、そうか。」
「そうだ、つまり、一部のやつらが・・・」
メガネは続きを言おうとしたが面堂が
「ちょっと待った、それはちょっと違うんじゃないか?」
と言い出した。
「何がだ?」
「そういうやつらがちがうのではなく・・・、」
とペンを取り、面堂は何かを書き始めた。 
そして、紙に、「友引町」と書き、それを大きく○で囲んだ。そして、その隅のほうに、あたる、面堂、親衛隊、そして、消えたやつら、
しのぶ、と書いた。そして、それを○で囲み、矢印でそとにひっぱた。
 
    
           続く