リバースリバース〜先祖をたどれ(1)    (各キャラの最初の字を取ってます) ---------------------------------------------------------------------------------------------------- あ「ふぁ〜今何時だ?」 いつも見慣れた部屋が視界に広がった。あたるは大きなあくびをしながら時計に目を走らせた。 あ「11時か・・・ずいぶん寝てたなー」ノロノロと起きだすと同時に腹の虫も起きたようだ。「ぐー」と部屋に響き渡る 手早くふとんをかたずけ、いつもとかわりばいしない服に着替えて下へと降りていった。 あ「母さん、メシはー」 寝ぼけた声でたずねる。あたるの母は台所にいたらしく少しあきれた口調で返事が返ってきた。 母「できてるわよ。もう用意できてるから食べちゃって、かたずかないわ。まったく休みだからってそんなに寝てなくてもいいに・・・」 居間を見るとすでに朝食・・・いや昼食が用意されていた。父さんはあいかわらず新聞をみている。食事の手をつけていない ので起きるのをまってたのかな?と少し考えたがどうだっていいやと思いすぐメシのことに切り替わった。 あ「ハーイ」軽く返事をして居間に座った あ「あれ?かーさん箸は?」テーブルの上を見渡しながら聞いた。 母「あら、でてなかった?」さらっと答えが返ってきた。 あ「出したか出してないのかもわからんのか」これに少しむっとしたのかぶつぶつと言いはじめた。 かすかに自分でだしたっていいじゃないなどと聞こえてくる。箸が見つかったらしく母が持ってきた。 あ「いただきまーす」あたるが食事に手をつけようとしたとき。 母「そうだ食べる前に、ラム起こしてきてちょうだい。珍しく遅いのよ」 さあ食べようと思った時なので行きたくなかったが、ラムがいないなーと思った時でもあったので2階へすごすごと起こしに行った。 あ「おーいラムおきろーめしだぞー」 押入れの前で呼んでみるが返事は無い。 あ「おいったら」 ガラガラと戸をあけた。ラムは寝ていた。トラビキニ姿のラムの寝顔を見てあたるは少しドキっとしたが、すぐ落ち着いて あ「朝だぞーいや昼かなとにかく起きろメシが食えん」 ラ「もう朝っちゃか?」おおきく伸びをしながらラムが答えた。 あ「というより昼だ。メシだぞ」 ラ「わかったっちゃ」ラムはもう1度伸びをして、押入れからでた。 どたどたと階段を降りる。すぐ後ろに寝起きのせいかふらふらと飛びながらラムがついてくる。 ふと飛んでるラムを見て あ「いいよなー飛べるって、階段とか使わなくてもいいし。」ぼそっとあたるが言う ラ「ダーリンも飛べればいいっちゃね」寝起きのせいかいつもよりさらっとした答えにあたるは少し物足りなかった。 母「もうごはんできてるわよ。早くたべっちゃって。」きびきびとした声が聞こえてきた。 あ・ラ「いただきまーす」二人とも焼き魚、味噌汁、ごはんという基本的な朝食(昼食)をとった。 父さんはまだ新聞を読んでいるそんな面白いことでものっとるのかと不思議に思う。 味噌汁を飲みながらあたるが、 あ「ラム、メシくったらオセロ勝負だぞ、20戦残ってるんだからな。」 今日こんなに遅く起きたのはそのせいである。あたるとラムは遅くまでオセロをやっていたのだ。 ラ「まだやるっちゃか?」ラムも魚の骨をとりながら答えた。どうもまだ慣れないらしく悪戦苦闘していた。 あ「当たり前だろー100戦勝負の約束なんだからな。」 ラ「もうダーリン80連敗してるっちゃよ。」あきらめた方がいいというようにラムが言う。 あ「うるさい、この20戦全部勝ってやるわ」とごはんを口にかきこんだ。この発言は絶対うそになるだろう あ「ごちそうさん、ラム行くぞ」あたるはさっさと階段を上っていった。 ラ「ほんっとこりないっちゃねー」ラムもすぐ2階に上がって行った。 母「まったく、茶碗ぐらい下げたらどうなのー」 ラムが部屋に入ると、あたるはもうオセロの準備をしていた。 あ「ほらおまえの番だぞ」あたるはもう打っていた。このやる気はどこからくるのか不思議に思う。 ラ「あわてすぎだっちゃ」ラムも座ってゲームが始まった。 パチ・・パチ・・パタパタパタパタ あ「・・・・・くう・・負けた」オセロ盤はすべて白く埋まっていた。いつもどうりである。 ラ「ほんと弱すぎだっちゃ」あきれた顔でラムが言う あ「おまえが強すぎなだけだ」言い訳っぽく言った ラ「うちはそんなに強くないっちゃ」 ラ「まだやるっちゃか?」あくびをしながら聞く。こうまで一方的だとさすがに飽きてくる。というよりここまで つきあって勝負しているラムに感心である。普通なら10回ぐらいでやめるだろう。 あ「もちろんまだ1戦残ってるわ」あたるはまだ勝てると思っているらしい。無謀である。 ラ「ダーリン約束覚えてるっちゃか?」張り切っているあたるに疑わしくラムが聞いた。あたるはよく約束を忘れるのだ あ「ああ、俺が1回でも勝てば3日間怒らない約束だろ。」珍しく覚えていたあたるにラムは少し感心した。 ラ「でも一回も勝てなかったらデートの約束だっちゃよ」 こうしてラスト1戦が始まった。とうぜんのごとくあたるの惨敗 あ「なぜだーー」またすべて真っ白に埋まっているボードをひっくり返した。 ラ「ほんっと弱すぎだっちゃ」 あたるはオセロをかたずけながらまだぶつぶつ言っている。 ラ「さ、約束だっちゃダーリン」最近行ってない事もありラムはかなりうれしそうである。 あ「へいへい」と元気なく答える。元気がなくなるのはとうぜんである200戦ぐらいのしてるのにもかかわらず1度も勝った事がないのである。 さらにどれも大差でもう少しでなんとかというのもないのである。わざとしてもこうはいかないだろう。 ラ「やっぱり映画だっちゃ。」 あ「また映画か?前もそうだったろうが」気をとり直したらしく普通の声に戻っていた。 ラ「いいの。早くいくっちゃ。」 こうして映画館に向かった。 ラ「これ見るっちゃ。」 それはあたるの想像どうりラブロマンスものだった。 あ「なあ、たまにちがうもの見ないか」まあ無理だろうとも思いつつあたるが言う。あまりこういう映画は苦手なのだ。 でもやっぱり答えは ラ「だめだっちゃ。」だ。こうして2時間ぐらい映画を見る。始めの10分で眠りそうになったが、ラムに起こされる。 やっと終わると、二人とも涙目になっていた。ラムは感動して、あたるは眠たいからである。 映画館から出て ラ「ほんと感動したっちゃ。うちもダーリンとあんなふうになりたいっちゃ。」 なんて言うのか聞こうとあたるの方を振り向いたがそこにはいなかった。どこにいるかというと・・・ あ「ねえねえ、そこのお嬢さんいっしょに映画でも見ない?」とガールハントの最中だった。 ラ「もう、ダーリンったら、うちの気持ちも知らずに!!」 ちょうどあたるがビンタをもらうと同時にラムの電撃が命中 ラ「いいかげんガールハントなんてやめるっちゃ」とたちつくすあたるに言う。 ラ「ダーリンきいてるのけ?」ラムはあたるに触れようとした瞬間 あたるは地面に倒れこんだ。 ラ「ダーリンだいじょうぶけ?ダーリン」 何度も呼んだりさすったりするがぜんぜん反応が無い。 ラ「わーんダーリンが死んじゃったっちゃ」ラムが泣きながら叫ぶ。 サ「どうしたのだ?」集まっていた人々をかきわけてどこからともなくサクラが現れた。 サ「なんだラムではないかどうしたのじゃこんなところで」 ラ「ダーリンが・・・ダーリンが死んじゃったっちゃ」涙目でサクラに言った。 サ「何!!」サクラはラムの後ろで倒れているあたるに目をやった。 サ「信じられんな、こやつが簡単に死ぬはずないと思うが・・・どれ」サクラがあたるを調べてるのをラムがじっと見守る サ「やはりこんなことだろうと思うたわ。」やれやれというようにラムに話しかけた。 サ「ただ気絶しているだけじゃそう簡単にこやつが死ぬわけなかろう」まったくそのとうりである。考えられないほどの 生命力をもつあたるが死ぬなんて、地球の終わりに等しい。 ラ「サクラほんとけほんとに気絶しているだけだっちゃか?」ラムはあたるに飛びつきながら目に涙を光らせ聞いた サ「あたりまえであろう、脈も心臓もしっかり動いてるわ。どこをどう見て死んでるなんて思うんじゃ」 ラ「だって呼んでも答えないし、さすっても目をあけないし。」ラムが少し恥ずかしそうに答える。周りの人々もいなくなっていた。 サ「はぁーそれだけではしんでるかどうかなどはかるはずがないな」あきれた口調で答える。 サ「しかし何があったのじゃ?たいした外傷もみあたらんし。」あたるを見ながら言う。 ラ「またダーリンがガールハントしていたから電撃しただけだっちゃ」ラムはまだふるえた声で言った。 サ「そんなのいつものことではないか」 ラ「でもそれしかしてないっちゃ。そしたら急に倒れて・・・」 サ「そうか・・・いつもならピンピンしているはずなのだがな。まあ良い家に連れて帰って安静にさせておけ。 そうすれば自然に目覚めるじゃろう。」 ラ「ありがとうっちゃ。そういえばなんでこんなところにいるのけ?」ふと不思議に思い聞いてみた。 サ「それは・・・いろいろと用があってな。おおっともうこんな時間かいかねばでは」サクラはそそくさと 人ごみに消えていった。不思議に思ってサクラの方を見てるとつばめの姿が見えた。 ラ「なるほどだっちゃ」いつもならあたるといっしょに追跡するのだが、肝心のあたるが気絶中にためあきらめた。 かなり気になる所だがあたるの方が断然だいしなのでラムはあたるを抱えて家に帰った。 ラ「うちがやさしく看病してあげるっちゃ」ラムはあたるをふとんに寝せて台所から冷たい水の入った洗面器と タオルを持ってきた。ラムはタオルをぬらしてあたるの額にのせた。 ラ「早く目を覚ますっちゃよ」心配そうにあたるを覗き込む。 しばらくしてタオルが乾いてきたので、ぬらそうとしようとタオルに手を伸ばそうとしたとき。 あ「ん・・・・」かすかにあたるの目が開いた。 ラ「ダーリン大丈夫け?」ラムの顔がパッと明るくなった。 あ「ラム・・・ここどこだ?」はっきりしない声であたるが言った目がとろんとしている。 ラ「ダーリンの家だっちゃよ」 あ「俺どうしたんだ?たしか映画を見に行ってたはずじゃ」だいたいはっきりしてきたらしくがまだ目が変である。 ラ「〈電撃で気絶してたなんて言ったら怒られるっちゃ)帰りに転んで気絶してたっちゃ」少し慌てて言った。いつものあたる なら怪しく思ったかもしれないが、まだボケてるらしい。 あ「うーん思い出せないなー」間延びした声であたるは言った。 ラ「今日は安静にしているっちゃ。サクラもそういってたっちゃ。」 あ「何、さくらさんがいてててて」サクラと聞いて急に元気になったあたるを見てラムはあきれた。 ラ「ほら、まだ治ってないっちゃ。今日はゆっくりしてるっちゃ。」ふとんをあたるにかけながら言った。 あ「そうだな〜なんかだるいし」すっかり元に戻ったみたいであたるは大きなあくびをした。するとラムがあたるの口の中に あるものを見つけて飛びついた。いきなりの事にあたるはびっくりした。 あ「だいしたんだ?」口を無理に広げられてるためうまくしゃべることができない。しかしそんなことは気にせず なにかとても珍しいものでも見るようにまじまじとラムは何かをみつめている。そして不意にラムが言った ラ「ダーリン牙が生えてるっちゃ」すこし興奮ぎみでうれしそうな声をだしラムが言った。 あ「なんらって」あたるはなにがなんだかさっぱりだ。 ラ「だからダーリンに牙が生えてるっちゃ!!」またラムがさっきより大きな声であたるに教える。 その言葉を聞いてやっとどうなっているのかがわかったらしくあたるはラムの手を振り払い自分の手で触ってみた。 たしかに異様にとがっている歯が手にあたった。 ラ「ほら」ラムが鏡を持ってきた。あたるはラムの手から鏡をもぎとるようにとって いそいで鏡を覗き込んだ。映っていたのはまぎれもないとがった歯、牙が生えていた。 あ「やいラムいったい俺に何をした」怒りながらラムに言った。あたるはまたラムが変な事をしたと思ったのだ。 たしかにラムはよくあたるの体に異変を起こさせるような事を数多くやってきたが今回はなにもやってない。 ラ「うちはなにもしてないっちゃ」首を振りながら答える。 あ「うそをつけこんなの普通にしててなるはずがないわ」さっきより大きい声でラムを怒鳴りつける ラ「ほんとうだっちゃ。うちは気絶しているダーリンの看病しかしてないっちゃ。」ラムも必死にうったえるがあたるは信じようとしない。 あ「それが怪しい。どうせ気絶しているうちに得体の知らない薬でも飲ましたんだろ」少し興奮気味になりやみくもにラムを疑った ラ「ちがうっちゃ!!ダーリンなんでそんなに疑うっちゃ。」自分の言ってる事が信じてもらえないのがくやしくラムは涙目になっていた。 あたるはこれにはさすがにとまどった。少し落ち着いて怒鳴るのはやめた。 あ「それはラムがすごくうれしそうな顔していってたから」すこしバツ悪そうにラムに言った。 ラ「だってダーリンに生えてきた牙とうちの牙がまったく同じだからうれしくて」それをきいたあたるが変な顔をした あ「同じだーラムちょっと見せてみろ」ラムは口を開き牙が見えるようにした。あたるはラムの牙を見ながら 片手で鏡を持って自分の牙を見比べていた。なんともいえぬ奇妙な光景である。 あ「うーんたしかにまったく同じだ・・・」信じられんというようにあたるが言葉をもらした。 ラ「だからダーリンはうちと同じ鬼族なのかなーと思ったらうれしくて」それを聞いたあたるはすぐさま答えた。 あ「そんなアホな話があるか、俺の父さんも母さんも地球人だろうが」たしかにそうであるあたるの父も母も 牙も角もまったくない普通の地球人である。しかしあたるのこの状態は事実である。 ラ「ダーリンのお父さんお母さんが地球人でも先祖に鬼族がいたかもしれないっちゃ」これを聞いてもしやって言う気が あたるの中で生まれたがすぐ押し込んで言葉を発した。 あ「そんなばかな事があるか、第一ラムたちが地球に来たのははじめてではないのか?」 ラ「たぶん来た事ないと思うけど・・・」自信なさそうに小さくラムが答えた。これじゃあわからんなとあたるが思っていると ラムが続けてこういった。 ラ「でも鬼族にする薬とか方法なんかないっちゃよだからこれしか考えられないっちゃ」今度ははっきりと自信をもった ような声でいったあたるこう思った。 あ「ラム、その自信のありげな声おまえ方法やら薬やら探して俺にしようと思ったな。」じーとあたるはラムを見た。ラムは目をそらせながら たどたどしくこういった。 ラ「そ、そんな事ないっちゃよ・・・ただ少し興味があったから調べただけだっちゃ」 あ「まあいい今はそれどころじゃない、仮にそうだとしても父さんも母さんもなんの変わりも無い地球人じゃないか?」 チェ「不吉じゃ!!」どこからともなくチェリー出現 あ「おまえはいつもどういうでかたをしてるんじゃい」木槌で叩きながらあたるが言った。久しぶりだったのでまだラムはびっくりしている様子だ。 チェ「不吉な気配を感じてのう・・・たどってみたらやっぱりおぬしだったか・・・」 あ「そのたびにいつもいつも家に上がってくるんじゃない!!ってなにやっとるか!!」さっそくチェリーはテーブルの上にあったお菓子に丸ごと 食べていた チェ「うまい菓子であった」バキバコドカ・・・あたるの木槌がチェリーを襲った。 チェ「では本題にうつろう、おぬしなにか体に異常はなかったか?」あちこちに打撲の跡をつけながら質問した。 あ「なぜか知らんが牙が生えてきたのだが・・・」何が本題だと思いつつ答えた。するとラムがいつのまにか後ろに回っていてあたるに生えた牙をチェリーに見せた ラ「これだっちゃ」チェリーはあまり見ずになるほどと声ももらした。 ラ「チェリー何か知ってるのけ?」これにはあたるも真剣に耳を傾けようとした。 あ「どうなんだ錯乱坊なにか知ってるのか?」 チェ「うむ、知ってるおるがしかし」チェリーは真面目な顔を言葉を切った。 あ・ラ「しかし?」興味津々で尋ねるのを見てもったいぶりながら言った。 チェ「ラーメンが食べたい」再びあたるの木槌が襲いかかった。ラムはあきれていて期待した自分がバカだったと思っていた。 チェ「それは先祖がえりというものじゃな」さっきより打撲を増やし、たんこぶがをつけたチェリーが言った。すると疑問の波が2人を襲い声をそろえて尋ねた あ・ラ「先祖がえり〜?」 つづく