リバースリバース〜先祖をたどれ(3) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 持っていたお茶をがらんとした部屋に唯一あるテーブルにお茶を置いてからラムのもとへと近づいていった。 まだ湯気がもうもうと立っているお茶のにおいになぜかくらっとしたが気にはしなかった。 サ「何かあったのか?こんな夜中に大声をだして」 こんなところじゃたぶん誰にも聞こえないだろうとラムは言いかけたが、あたるに角が生えたほうがはるかに大事だった。 ラ「サクラこれをみるっちゃ」まだ目がさめずに床に倒れているあたるを指差しながらサクラに言った。 サ「諸星をか??もう目をさましてもいいような・・・・!!!!!」 サクラは頭に明らかに不自然なものがあることに気づいた。 サ「これは角か?」 サクラがしゃがんで触ろうとした瞬間、あたるの目がさめた。そしてガバっと起きて大きな欠伸をした。 あ「あれ?ここはどこだ?」 あたりをきょろきょろと見渡しながら不思議そうに尋ねた。 ラ「サクラの家だっちゃ。それよりダーリン大丈夫?」 あ「まあ、ちょっと頭ががんがんするけど・・・・・???」 自分の頭を撫でていたあたるが角に触れた。硬くてとがったものが手にいつもと違う感覚を与えている。 あ「なんだー?これはー?」 不思議そうな声をあげながら、角をひっぱったり、押したりしている。 ラ「これをみるっちゃ」 どこから出たかは知らないがラムがあたるの前に鏡を置いた。あたるは覗き込んで自分の顔を見た。 あ「あああああああーーー!!角、角角角がーーーー」 どうらや少しパニックになってしまったらしい。しかし騒いでるあたるをよそにラムは満足げな顔を浮かべていた。 やっぱりあたるが鬼になったのがうれしいらしい。 サ「まあとりあえず落ち着かんかい」 サクラがうるさいというように叫んだ。 サ「とにかく落ち着かんかい、まったく騒いでいてもどうにもならんだろうに」 この言葉でようやく落ち着いたあたるがテーブルの近くの床に座った。ラムもあたるに寄り添うようにすぐ隣に座った。 サクラはテーブルをはさんであたるの正面に座った。近くでまだお茶が湯気をたたせていた。 サ「まさか角まで生えてくるとわな、これは本当に先祖がえりかもしれんな」 やれやれというような口調で言った。いろんなことをつぎからつぎからとっと思っているのだろう。 一方あたるはまだ納得がいかないらしくラムの出した鏡を角や牙を触りながら食い入るように見ている。 ラ「ダーリン似合ってるっちゃ」 ラムがうれしそうに言った。たしかにいい線行ってると思う(作者) サ「とにかくだ。先祖がえりだとしても直すことは容易ではないぞ」 ラ「別にこのままでいいっちゃ」 ラムがすかさず答えた。 サ「お前はどうなのじゃ?」 サクラはあたるに聞いたが、放心状態になっているらしくまだ鏡を見ている、どうやら聞こえていないらしい。 ラ「ダーリンほんとに大丈夫け?」 鏡を取り上げながらあたるに聞く。あたるは今ここにいるのが気がついたかのような顔をして、ああ、とラムの質問に答えた。 サ「ほらこれでも飲んでまずは覚ませ」 持ってきたお茶を手にとりながらあたるの前に置いた。さすがにもう湯気は立っていなかった。 あたるはテーブルから湯のみを持って一気に飲み干した。どうやら覆っていた膜が取れたように明るい顔になった。 いや、本当に明るくなったのだ!!電気をつけていたのである程度明るかったが、電球の光ではなくそう、雷!! あたるのまわりにパチパチと電気が走っている。 あ「なんだぁ〜これは?」 体のまわりに走る電気を見ながら酔っ払ったような声を出した。ラムはあっと気づいた。 ラ「サクラ、ダーリンになんのお茶飲ませたっちゃ?」 サ「ああ、普通のお茶がなかったものでな。近くにあった梅昆布茶を作ったんだが」 しゃべり終わらないうちに2人の間に電撃が走った。どうやらあたるは自分でも抑えられなくなってるらしい。 四方八方に電撃を打って壁に穴をあけている。 サ「なんとかならんのか?」 床に伏せて電撃にあたらないようにしながらラムに尋ねる ラ「これを飲ませば治ると思うけど」 ラム小さいカプセルのようなものを取り出した。鬼族専用の酔い覚ましである。 サ「早く飲ませんか、このままでは家が全壊する」 いまだに電撃を乱射しているあたるに近づくのは容易ではない。ラムなら電撃は平気だが暴れているあたるに近づくのは難しい。 ラ「ダーリンこれをのむっちゃ」 あ「へ、そんなもの飲んでられるか。あばよ」 そういい残し、屋根に電撃で穴をあけて空へと飛び出した。 普通に空を飛んでいってしまったあたるをしばらくポカーンと見上げていたが、ふと見ると周りに誰もいなくなっているのに気づいた。 ラ「待つっちゃダーリン」 ラムも後を追いかけて空へと飛び出していった。