病院にて・・・ あたるは起きていたようだ。静かに窓から外を眺めている・・・ ガチャ・・・ あたる「・・・ん?」 メガネ「よぉ」 あたる「お前ら・・・」 そうしてやってきたのが面堂・しのぶ・メガネ・コースケ・パーマ・カクガリ・チビ さらにテン・サクラ・因幡クンもいた。 皆はあたるの症状を既に医者から聞いてきた・・・ 「癌」・・・それもあたるをも侵す厄介な形質のであった・・・ 温泉マークのいってたことは本当だった。 皆本当は動揺してる・・・しかしなんとか平静を保ち、あたるにはいつもの態度で話そうとした。 あたる「何か用か?食いもんでも持ってきたんか?」 その一言に皆呆然とした。けろっと人の気も知らず言うのだから・・・ いつもの調子で面堂が喋りだす 面堂「・・しかしまったく非常識な・・・貴様のようなアホの代名詞が病院なんぞに行き    さらに入院するとは・・・ありえん話なんだがな・・・」 あたる「なんだと?」(ぼかっ) といいつつすかさず木槌を面堂にくらわせ・・・ 面堂「く・・・くぉの諸星ぃいい!!!」 刀を出しあたるを追いかけまわす面堂、ちょこまか逃げるあたる しのぶ「ちょっと!やめなさいよー!!ここは病院よ!!」 とめようとするしのぶ・・・ カクガリ「・・・なあ」 メガネ「うむ・・・」 パーマ「いつもと変わらないんじゃないか・・・?」 メガネ「だな・・・」 チビ「あれはいつものあたると同じ身のこなしだ。」 カクガリ「だな」 面堂「ていっ!このっ!やぁっ!!」(ビュンッヒュンッビュッ) あたる「おいこら!これでも俺は患者だぞ!!」 面堂「やかましぃ!復帰せずいっそのことここで・・・」 しのぶ「やめてって言ってるでしょーっ!!!」 机の代わりに病院のベッド(複数)が飛ぶ あたる「(ドゴッ)のわ゛!!」 面堂「(ドカッ)うぎっ!!」 二人ともゴキブリが新聞で叩かれる様のようにつぶれベッドごと壁にめり込んだ。 パーマ「なぁ、これってギャグなのか?」 チビ「さあ・・・」 パーマ「前回までのシリアスはなんだったんだ?」 カクガリ「知らん・・・」 メガネ「これで真実がああだとはつじつまが合わんな・・・これでは」 コースケ「だよなあ・・・」 皆も少し疑ってきた。それで少し心に余裕ができた。 いつもと変わらぬ姿を見て安心してあきれたのだ。 あたる「いちち・・・」 サクラ「ほんとにおぬし・・・患者か?入院しとるのか?」 あたる「そっ、そうですよぉ・・・サクラさん・・・」 ぼろぼろで地をはってる。面堂はまだ壁にめりこんだままだ あたる「サクラさ〜ん・・・治療ぉ・・・」 サクラ「ち、近寄るなー!!」 あたる「そんなぁー」 テン「ほんま恥ずかしいやっちゃなー」 しのぶ「ねぇあたるくん・・・」 あたる「おー、しのぶ〜」 しのぶ「あたるくん・・・体に異常はない・・・?」 あたる「ああ、熱も治ったし風邪もふっとんだ」 面堂「だったら・・・退院すればいいのではないか?」 しのぶ「そ、そうよ」 あたる「・・・それが無理なんだな」 しのぶ「え・・・?」 あたる「だって俺、癌だもん」 全員「!」 場が一気に凍る・・・ ・・・唐突に自ら言い出したあたるは既に自分の症状を知ってるようだ。 あたる「・・・どうした?皆固まって・・・」 メガネ「お・・・おまっ・・・おまっ・・・」 あたる「?」 かなり動揺してる 面堂「が・・・癌って・・・きさまわかってたのか!?」 あたる「ああ」 コースケ「どうしてお前そんな平然としてられるんだよ!?」 しのぶ「死ぬのが怖くないの・・・!?」 あたる「・・・いや・・・」 サクラ「・・・?」 あたる「怖いにきまっとるだろ?死ぬなんて・・・」 サクラ「・・・コースケのいったことをもう一回言おう・・・。     おぬしはなぜそれで平然としている・・・?」 あたる「・・・」 サクラ「おぬしとて仮にも人間だ。死の宣告を受けてなおそう平然としているのは     この世に執着・・・未練はないのか?」 あたる「仮にもって・・・人間じゃい!!」 サクラ「まじめに答えんか!!」 あたる「う・・・」 しのぶ「そうよあたるくん」 面堂「・・・ラムさんはどうする気だ?貴様にとって彼女が唯一の未練になるのではないか?」 あたる「なっ、なにをいっとる・・・」 メガネ「・・・本当にお前死を恐れてないって感じだぞ・・・」 あたる「・・・あのなぁ、死、恐怖、未練って暗い文字ばっか使いおって・・・     じゃあなんだ?俺は死に怯えて余生を過ごせとでもいうのか!?」 メガネ「い、いやそうではないが・・・」 しのぶ「どうしてそんな明るくいられるの?」 あたる「残り余生を充実に、画期的に利用するのだ!!それで俺は美しく旅立とうではないか!!     ・・・だいたい暗くばっか考えてたら身がもたん。残りの時間がもったいないし     考えるだけむだであろう?「今」をどう過ごすか考えるだけじゃ!!     幸いラムもいないことだしガールハントでも・・・ぐっふっふ」 しのぶ「ちょ・・・ちょっと!ラムだって本気で心配してるのよ?」 あたる「知ったことか!それに俺は今ついてるとしかいいようがない!!     最大にして最高のこの運気!!学校も休めるしラムもいない!!自由じゃーっ♪!!」 その一言に皆ぷちっときて・・・ しのぶ「こっ・・・このっお気楽男!!」(隣のベッドをあたるに叩きつける) あたる「ぐぉわぁッ!!!」 しのぶ「あたし帰るっ!!心配して損した!!」 あたる「しっ・・・しのぶ〜・・・」 面堂「・・・アホが」 メガネ「貴様がそんな薄情者だったとはな・・・」 パーマ「俺たちも帰るぜ」 カクガリ「最後までほんとにそうしているのか?」 チビ「ラムちゃんのことはどうでもいいのか!?」 テン「ふんっ、みそこなったで!!アホ!!」 サクラ「私も忙しいんで帰らせてもらおう」 コースケ「そんなんじゃもう見舞いに来てやんねーぞ!!」 あたる「おーい・・・」 一気に静かになった病室・・・ 外の皆の帰る姿を窓から眺めるあたる・・・ あたる「ふ・・・・」(ため息) ??「あの〜・・・」 あたる「ん?」 因幡クンが実はまだいたのだった。 あたる「な、なんじゃ?まだいたのか!?」 因幡「嫌だなぁ、僕はさっきからいたじゃないですか」 あたる「てっきり皆と一緒に帰ったのかと・・・」 因幡「僕は上の台詞に「帰る」とのってませんが・・・」 あたる「・・・で、何の用じゃい?」 因幡「諸星さんの未来を見にいったんですよ、癌について聞いたら・・・」 あたる「!」 そう・・・因幡クンは運命製造管理局の従業員・・・ あたるのこれからの運命を先に見ることも可能なのだ 因幡「・・・喋らないほうがいいですか?」 あたる「・・・いや、どうせ死ぬとわかっとる・・・話せ」 因幡「・・・未来には・・・2パターンがありました・・・」 あたる「・・・2・・・パターンだと・・・・?」 因幡「はい・・・」 因幡クンは真剣に喋りだす・・・