私の名はメガネ・・・ 現在、地球存亡の危機を救うべくラムさんとともに運命の戦いが始まろうとしている。 ことの始まりはアホのあたる・・・奴が急に末期癌に陥ったことについて因幡から原因を知り 明らかとなったのが『永久記憶喪失』という大層な・・・事実、本当に大層な病気であった。 この病気はあのあたるをも「死」においやるほどの効力(殺傷力)を持ち、さらには 我々人類、いや、地球全生命体にも害を及ぼす『災い』そのものであった。 あたるはその構造が複雑かつ特殊な病気の症状の一つ、身体状態の異常によって急に癌になり、 体も今までより弱化し残りわずかな余生を送るはめにとなってしまった・・・ 選択はあたるがそのまま癌で堕つか、記憶喪失症状となって植物人間になり腐敗するか・・・ どっちにしろ、良いものではない。その病気はなおもしぶとく、他の者に感染し 厄介なしくみから後に我々もあたる同様になってしまうのである・・・実に迷惑な話だ。 そうなれば地球の生態系がなくなるまでエンドレスに続くのである。 あまりにも常識はずれ、桁外れでもって都合が良すぎる(悪い意味で)といっていいこの病気は ラムさん曰く治せるとのこと・・・ある花を原料とし薬を作ることによって解決するらしいが・・・ あたるが癌で死ななければの場合であるそうだ。つまり確率的には二分の一といえる・・・ 何にしてもあたるを助けるということにおいて、私はなんらかメリットがあるわけではないが、 ラムさんを我が手にできずして、あたるによって死ぬことになるなど癪でほかならない・・・ それに我々が生存する道はあたる復活の確率と同じ・・・つまり運命共同といえる。 つまり我々があたるを助けなければならないのである・・・ そして我々は地球の存亡・・・および未来のためにもこの限られた時間の中で 今、亜空間というものに飛び込み、別世界へ行こうとしていたのだった ・・・しかし私はどうもひっかかる。 永久記憶喪失とはどのようなものだというのか・・・ その構造・・・人為的としかいえない殺人的要素を非常に多く含んでるとも思える・・・ ラムさんの話が本当であるだろうが・・・何故、癌のような突然変異を発生させるのか? 免疫などなく、地球人に限らずどこでも効果は同じという・・・それに全生態系など・・・ 殺人兵器としては十分な役割を持ってる・・・・・・しかしそれは考えすぎであろうか?・・・ 宇宙は広い・・・ラムさんでさえ知らないことがいくつもあるだろう・・・ それは宇宙において全貌が明らかとされたわけではない、いまだ未知な部分が多い病気である・・・ 私はそれを解明させようとも目論んでおり、全ての謎が解けたとき学会で発表するであろう・・ そのとき私「メガネ」は優秀かつ天才的英雄としてその名を轟かせることであろう・・・ そう思うとむしろこの行為はメリットがあるように思える・・・して、それを心に静かに秘め 輝かしい未来を迎えることに・・・ パーマ「おい、メガネ」 メガネ「む?なんだ、人がせっかく考えごとをしとるというのに・・・」 パーマ「考え事?独り言じゃねえのか?」 メガネ「?」 パーマ「お前口に出してること気づかなかったのか?俺がいっくらさすったり呼びかけても     しゃべり続けていたからな」 面堂「ふ・・・学会でこの病気の解明を発表とは粋なことを考える・・・」 コースケ「そうすりゃ地球に限らず全宇宙から絶賛されるわな」 しのぶ「きっと個人の権利もものすごくなるわ」 弁天「へぇー・・・そういう考え方もあるわけだな、いいじゃねえか、ヒーローってわけだ」 ラム「みんな不謹慎だっちゃ!ダーリンを優先するっちゃよ!!」 弁天「わりいわりい」 メガネ「あ・・・あああ・・・」 ・・・して私の夢は儚く崩れてしまったのだった・・・この秘めた思いを口に出すとは なんたる失態であろうか・・・ライバルをこうもつけてしまうとは・・・ して、今までのあらすじだった・・・・ 「花」act3 月の『裏』・異次元・・・それは月とは思えぬ場所であった。 周りには密林で囲まれ不気味な鳥(?)の泣き声が聞こえ、 空は木々が覆いまっくらの闇・・・おまけに腰に達するほどの雑草 そして一番厄介と思えるのが視界を遮る霧・・・最悪的条件な場所に来た。 しかし不思議なことに暗いわけではない・・・空も遮られこもれ陽もないというのに 不思議と横、(あたり・周り)を見ると明るく普通だった・・・ 面堂「なんと不思議な空間だ・・・」 メガネ「我々の人智を越えている・・・」 そう不思議に思ってる面堂たち、ラムは・・・ ラム「・・・あの池だっちゃ!」 弁天「あそこが12時の刻か・・・」 しのぶ「?」 ラム「目的地は案外近いっちゃ、みんなついてきてっちゃ!」 ラムが指揮をとる 面堂「・・・ラムさん」 ラム「?なんだっちゃ?終太郎」 面堂「ここはいったいどんな空間なんですか?」 ラム「ここ?」 面堂「はい」 ラム「・・・例えるなら夢の中・・・だっちゃ?」 面堂「夢の中・・・?」 ラム「夢の中でもぼやけてうつろな感じの夢だっちゃ」 パーマ「・・朝起きたらはっきりと憶えてない夢のこと?」 ラム「だっちゃ」 面堂「夢空間か・・・確かに意識がモウロウになりやすい・・・それに何故か心地よい感じが・・・」 メガネ「ん?・・・花畑・・・」 しのぶ「?」 メガネの言う花畑なんてどこにもない・・・すぐさま察したラム達は・・・ ラム「!」 弁天「っ!!」(ばきっ) メガネ「ぐはっ!?」 急にメガネの頬を殴る弁天 メガネ「がっ・・・な、なにを・・・」 ラム「危なかったっちゃ・・・」 メガネ「へ?」 弁天「気はしっかり保ちな・・・ここは夢空間で幻影の空間でもある・・・」 しのぶ「幻影?・・・まぼろし?」 弁天「そう、ここでは幻覚を見ることがある、それは・・・」 面堂「それは?・・・」 ラム「!!、ふせるっちゃ!!」 全員「!?」 ラムの急な掛け声で皆、反射的に身を伏せた バシュッ、ズバッ、 近くにあった木々が倒れていく・・・ チビ「い・・・一体何がおきたんだぁ!?」 弁天「でやがったな・・・魔物が・・・」 面堂「魔物・・・?」 静かに身を草むらの影に潜めるラム達・・・