§前回までのあらすじ§  ついにラムは、あたるの精神にアクセスしたが、ラムの父より思わぬ事実を聞かされ困惑する弁天達。そんな中、ナノマシーンの駆除に成功したラムだったが・・・       エピソード6  UFOの中、弁天、お雪、ランの三人はラムの帰りを待っていた。その時、装置を見ていたランが ラン 「ん?ラム戻ってきたみたいやで」と言った。すると弁天とお雪は、ラムの所に行きラムが目覚めるのを待った。しかし、いくら待ってもラムは目覚める気配すらない。しびれを切らした弁天は 弁天 「ちっとも目、覚まさねぇじゃねえか!」とランに言った。するとランは ラン 「わしにそげな事言われたって、わしの責任ちゃうぞー」と言った。二人の間に入る様に、お雪が お雪 「やっぱり、ラムのお父さんが言ってた通りになってしまったわね」と言った。それを聞いて弁天は 弁天 「ちくしょー!」と言ってテーブルを叩いた。そして 弁天 「こうなったら、一刻も早く奴等の星に乗り込むしかねぇぜ!」と言った。するとお雪が お雪 「ラムのお父さんからの連絡を待った方がいいのでは?」と言うと、弁天が 弁天 「ばっきゃろー!!そんな悠長な事言ってられっか!」と怒鳴った。そんな弁天にお雪が お雪 「でも、相手に悟られずに浸入しないとすぐに捕まってしまうわ」と言った。それを聞いた弁天は 弁天 「わ、分かってらぁ!そんな事は」と言ってUFOの中をウロウロし始めた。  その頃、ラウはテンを連れて自分の小型宇宙船に行っていた。 ラウ 「ところで、君の名前を聞いていなかったね」ラウは宇宙船に入るとテンに聞いた。するとテンは テン 「あ、わい・・いや、僕はテン言います」と答えた。ラウは ラウ 「テン君か、よし今日から君はこの星の情報収集部長だ、よろしく頼むよ」と言ってテンの手を握った。テンは テン 「はい!」と言ってやる気満々の様子だ。ラウは ラウ (よし、これでラム様の居場所がわかるぞ)と思い、更にテンに ラウ 「では、早速情報部長には一つ任務を請け負って欲しい」と言った。テンは テン (わいが情報部長、そして秘密任務や)と、すでにスパイ気分で舞い上がって テン 「はい!」と返事をした。するとラウは ラウ 「任務は、ある人物の居場所を調べる事だ」と言ってラムの写真を見せた。もちろん、ラウはテンがラムの事を知っていると確信して見せたのだ。ラムの写真を見たテンは テン 「ラ、ラムちゃんや・・・」と呟いた。それを聞いたラウは ラウ 「おや?知り合いかい?」とテンに聞いた。するとテンは テン 「何で、この人探しとるんや?」と言い、少し不信感を抱いた様だがラウは、それも想定内だった。そこでラウは ラウ 「いや、実はね銀河一の美女を探せと言う番組でラムさんが書類選考で最終予選を突破したんだけど、本人に気づかれずに行動しなくてはならないものだから、僕に依頼が来たんだよ」と言い、更に ラウ 「いやぁ、まさか君が知り合いだったとは僕も運がいい」と言った。するとテンは テン 「銀河一の美女?なるほどなぁ、ラムちゃん美人やもんなぁ」と言った。そこでラウは ラウ 「そこで、くれぐれも番組の事は内緒にしておいて欲しいんだよ。決勝の会場で初めて明かす段取りなのでね。情報部長には、僕をラムさんの所に連れていってもらいたいんだ」と言った。するとテンは テン 「ほな、ちょっとラムちゃんの所行ってくるさかい、待ってて〜な」と言い、ラウの宇宙船を出てラムのUFOに向かった。テンがUFO に着くと、弁天、お雪、ランが何やら話をしている。テンは テン 「ただいま、ラムちゃ〜ん」と言い入って行くと、ランが ラン 「あら、テンちゃん」と言った。テンは テン 「あ、ラムちゃんおらんかぁ?」と言いながら弁天とお雪の方へ飛んで行くと、弁天が 弁天 「あ、あぁラムはなぁ・・・」と言いづらそうにしていると、お雪が お雪 「いい、良く聞いて」と、テンの目をまっすぐ見て お雪 「ラムはね、今眠っているの。このままでは目覚める事は無いわ」と言った。テンは、お雪の言おうとしてる事が良く分からず テン 「目が覚めないって、なんでやぁ?」と言った。するとお雪は お雪 「ラムはね、旦那さんの為に危険を承知で旦那さんの精神にアクセスしたの」と言うと弁天が 弁天 「お、おい!お雪、何も全部説明しなくても・・」と言ったが、お雪は お雪 「いえ、きちんと言うべきよ。テンにもラムの覚悟を知っておいてもらわないと」と言うと弁天は 弁天 (なるほどな、きちんと説明しておかねぇと後々知った時に、テンは間違いなく諸星を恨んじまうから、ラムが自分の意志でした事だって事を解らせる為か) と思った。お雪は、一通りの説明をした。するとテンは テン 「ラ、ラムちゃん、こんなアホの為に」と言いながらラムの横で、ポロポロと涙を流した。そして テン 「ラムちゃん、起こす方法はあらへんのか?」と言った。それに対してお雪は お雪 「残念ながら、今は分からないわ」と言った。するとテンは テン 「そうかぁ」と言って、肩を落としたがハッと何かを思い出した様に テン 「わい、心当たりあるねん!ラムちゃん治せるかもしれへん人おるで!」と言った。すると弁天が 弁天 「な、なんだと!」と勢い良く立ち上がった。そして 弁天 「だったら、すぐにそいつ連れて来い!」と言った。テンは テン 「分かったで!すぐ連れてくるさかい、まっててや!」と言うとスクーターを引っ張りだし、スクーターに乗ってUFOを出て行った。テンの後ろ姿を見ながらお雪は お雪 「大丈夫かしら?」と言った。すると弁天が 弁天 「とにかく今は、可能性の有ることは全部やるだけだぜ」と言うと、お雪も お雪 「そうね」と言った。その時ランが ラン 「あら、ダーリンが目を覚ましそうよ」と言い、弁天とお雪もあたるの所へ行った。  あたるは、ゆっくりと目を覚ました。そして起き上がると、すぐに弁天、お雪、ランを見つけて あたる 「弁天さま〜、お雪さん、ランちゅわ〜ん」と言って一番近い弁天に抱きつこうとしたが 弁天 「てめぇは、進歩ってものがねぇのかー!」と言ってあたるの顔面に正拳突きを食らわせた、あたるはそのまま壁まで殴り飛ばされた。弁天は 弁天 「てめぇは、記憶が戻ったみてぇたが、ラムを見てみろ!」と言うと、あたるは振り返りラムの寝ているベッドを見た。弁天は 弁天 「てめぇのナノマシーンを駆除した挙げ句、この通り眠ったまま目を覚まさなくなっちまったんだぜ!」とあたるの胸ぐらを掴んで言った。あたるは あたる 「え?ま、まさか・・・」と言い あたる (あれは、夢じゃなかったのか)とラムがあたるの精神にアクセスしてきた事を思い出し、ラムの横に行くと あたる 「ラム!!」と声をかけた。それを見て弁天は 弁天 「やっと理解しやがったか」と言い、続けて 弁天 「今、色々方法を考えてるんだが、やっぱり敵の星に乗り込むしか無さそうだぜ。もちろん、てめぇも行くよな?」と言い、あたるは黙って頷いた。  その頃テンは、UFOからラウの宇宙船に急いで向かっていた。テンは手近な所にスクーターを停めて、ラウの宇宙船に向かった。  ちょうどそこに、メガネ達四人組が通りかかりテンを見つけた。メガネは メガネ 「おい、ありゃぁジャリテンじゃないか?」と言うと、カクガリが カクガリ 「なんか急いでるみたいだな?」と言い、パーマが パーマ 「おい、後つけて見ようぜ」と言うとテンの後を追いかけた。それを見てチビは チビ 「お、おい、待ってくれよぅ」と3人に続いた。暫く進むと少し拓けた所にでて、メガネ達はそこに有る物を見て驚愕した。それは、間違いなく地球上の物ではない乗り物でラムのUFOともまるで違う物だった。それを見たメガネは メガネ 「な、何だこれは!」と言うと、パーマが パーマ 「おい!あそこ見ろ!」と指を指した。それを見てメガネが メガネ 「あれはジャリテン・・なんで奴があんな物の中に」と言うと四人は様子を伺った。  テンは、宇宙船の中に入りラウの所へ行くと テン 「大変や」と言った。するとラウは ラウ 「おや?どうした?」と落ち着いた態度でテンの話を聞いた テン 「ラ、ラムちゃんが眠ったまま意識が戻らんのや」とラウに訴えた。ラウは ラウ 「なるほど」と言うとテンは テン 「なぁ、超一流のスパイなら治せるやろ?」と言った。ラウは ラウ (ドイル様の言う通りだ。よし、この状況を利用してラム様を星まで、お連れしよう)と思い ラウ 「うーん、実際見てみない事になんとも言えないから、僕をラムさんの所に連れていってくれるかい?」と言った。テンは テン 「ほな、すぐ行こう」とラウと共に宇宙船を出た。それをメガネ達四人が見ていて、メガネが メガネ 「おい、出て来たぞ」と言うと、テンの後から出て来たラウを見てパーマが パーマ 「おい、ジャリテンの後から出て来た奴、誰だ?」と言った。するとメガネが メガネ 「見た事無い奴だなぁ」とメガネを直しながら言った。するとパーマが パーマ 「おい、ちょっと見に行かねぇか?」と言い、宇宙船に近づいて行くと、他の3人もパーマの後に続いた。  宇宙船のドアの所に着いたパーマは パーマ 「まさか、このドア開かないよな?」と言ってドアに付いているボタンを押すと、   プシュー と言う音と共にドアが開いた。パーマは驚き後に飛び退いたが、後にはメガネ、カクガリ、チビが居て将棋倒しの様に四人は倒れた。 メガネ 「いたた、何やっとるんだ、何を!」メガネは、そう言いながら起き上がった。するとパーマは パーマ 「悪ぃ、悪ぃ、急にドアが開くもんだから驚いちまった」と笑った。先に起き上がったメガネは メガネ 「よし、中を見てみようじゃないか」と言うと、振り返り3人を見た。するとチビが チビ 「え〜、やめようよぅ」と言い、それを聞いたメガネが メガネ 「なら、お前はここで見張っておけ!」と言い中に入って行った。するとチビも チビ 「あ、置いてかないで〜」と、一緒に中に入って行った。  一方テンとラウはラムのUFOに向かっていた。やがてUFOが見えてくるとテンが テン 「あれがラムちゃんのUFOや」と言った。ラウはテンのスクーターの後ろに座りながらUFOを見て ラウ (かなりデカイな、あれを引っ張って行くのは難しいな)と思った。  やがて、UFOに着くと、テンは テン 「こっちやで」と中に入っていき中に居る弁天達に テン 「ラムちゃん治せる人連れてきたでぇ」と言った。それを聞いたラウは ラウ (え?誰か居るのか?)と思った時テンが テン 「はよう、ラムちゃん見てんかぁ」と言いラウの手を引いて中に連れて行った。弁天達の前に連れていかれたラウは ラウ (なんだ、女性ばかりか)と思い ラウ 「あ、初めまして・・」と言いかけた時、弁天が 弁天 「挨拶なんかいいから早くラムをみろ!」とラウを急かした。ラウは ラウ (な、なんて気性の荒い女性だ)と思った。その時テンがラムの所に居るあたるに気づき テン 「なんや、お前目ぇ覚めたんかいな」と言うと、あたるは あたる 「なんじゃ、ジャリテン。俺は目を覚まさない方が良かったみたいな言いぐさだな?」と言った。するとテンは テン 「あたりまえや!お前みたいな奴はずっと寝てた方が世の中の為や!って、お前わいの事思い出したんかぁ?」 とあたるに聞くと、あたるは あたる 「あぁ、お前の事など思い出したくもなかったがな」と言った。それを聞いてテンは テン 「可愛くないやっちゃなぁ!なんでお前やのうてラムちゃんが目覚めないねん」と言った。そのやり取りの中、ラウがラムの所に来た。そして、あたるを見て ラウ 「うわぁ」と声を上げ、更に ラウ 「な、なんでお前が」と言って慌てて口を押さえた。その言葉に、いち早く反応したのは弁天だった 弁天 「ん?てめぇら知り合いか?」弁天は、ラウとあたるに対してそう言うとスタスタと二人に近づいた。するとあたるが あたる 「俺は、こんな奴は知らんが」と言うと、テンは テン (そうか、スパイやから全部調べて有るんやな?番組の事は、このアホにも内緒っちゅう訳やな)と思った時、弁天が 弁天 「へぇ、諸星が知らねぇのにてめぇは知ってる訳か」と言うとラウの方を向いて 弁天 「てめぇ!一体なにもんだ!!事と次第によっちゃタダじゃおかねぇぞ!」と怒鳴るとラウは ラウ 「あわわわ」と狼狽えた。するとそこにテンがラウに テン 「なぁ、もう本当の事言うた方がええでぇ。弁天ねぇちゃん怒らせたら大変やで」と言った。するとラウは ラウ 「ほ、本当の事?」と言い ラウ (ま、まさかこいつ全て気づいていて僕を誘き寄せたとでも言うのか?)と思うと、テンが テン 「なぁ、番組の事話した方がええんちゃうかぁ?」と言った。それを聞いたラウは ラウ (あ、焦らせやがって)と思い ラウ 「そ、そうだね、事態が事態だからやむを得ないでしょう」と言うとお雪が お雪 「どう言う事かしら」と言い、弁天が 弁天 「分かる様に説明しやがれ!」と言った。するとラウは ラウ 「そう、興奮なさらずに、まず僕の話を聞いて下さい」と言うと、テンに話した事と同じ事を説明した。するとお雪が お雪 「なるほど、するとラムがその番組の最終選考に選ばれたわけね」と言った。するとラウは ラウ 「はい、そうです」と言い、お雪は更に お雪 「そんな番組は、聞いた事ないけど、どこの番組かしら」と言った。するとラウは ラウ (ま、まずい。やはり子供を騙すのとは訳が違う)と思い、苦し紛れに ラウ 「実は、今回の調査と番組の事に関しては本人にも教えてはいけない事なんです。ですから、これ以上教える訳にはいないんです」と、焦ってるふりをした。と言うか本当に焦っていた。すると弁天は 弁天 「本人にも内緒って、おかしいじゃねぇか。じゃ、どうやってその番組の会場まで連れて行くんだ?」と突っ込んだ。するとラウは ラウ 「そ、それは方法なら色々有りまして」と言ったが、弁天は更に 弁天 「例えばどんな方法だ?」と突っ込んだ。答に困ったラウは ラウ 「そんな事よりも、今はラムさんの容態を診る方が先決なのでは?」と話を逸らした。するとお雪が お雪 「そうね、まずはラムを見てもらいましょうよ」と弁天に言った。すると弁天も 弁天 「そうだな、だがラムにちょっとでも変な真似してみやがれ、タダじゃおかねぇぞ!」と言った。ラウは、ゴソゴソとポケットの中から何かを取り出すと、それをラムのこめかみの辺りに着けた。それを見て弁天が 弁天 「おい!それは何だ?」とラウに聞いた。ラウは ラウ 「あぁ、これで意識レベルを計測するんです。」と言い計測を始めた。弁天達はラウから少し離れた所で小声で話始めた 弁天 《あいつ、怪しくねぇか?》 ラン 《わしも、そう思っとった所や》 お雪 《悪意は無さそうだけど、疑わしいのは確かね》 弁天 《だろ、絶対に今回の事に絡んでるにちげぇねぇ》 あたる 《なるほど》 弁天 《て、てめぇ!いつの間に!》 あたる 《いやだなぁ、弁天さまったら。のけ者にしないで下さいよ》 弁天 《てめぇは奴をしっかり監視してろ!》 あたる 《だって、あいつラムに危害を加える心配無さそうだし、ジャリテンも見てるから変な事は出来ないだろうから》あたるが言うと、弁天は 弁天 (こいつ以外と冷静な目、持ってるみてぇじゃねぇか)と思い 弁天 《まぁ、いい。とにかくあいつが今回の事に関係してるなら必ず何か動きを見せるに違いねぇ》 お雪 《たけど、相手の目的が分からない以上、このまま野放しにもしておけないわ》 ラン 《だけど、ラムちゃんのお父さんが言ってた様に罠まで仕掛けてラムちゃん眠らせたなら、狙いはやっぱりラムちゃんじゃないの?》 弁天 《ラ、ラン・・急にキャラ変えねぇでくれよ。こっちまで調子狂っちまう》 ラン 《あら?何の事?ランちゃん、分かんな〜い》 お雪 《とにかく、相手の狙いがラムなのは間違い無さそうね》 弁天 《ラムが狙いで、眠らせたっつう事はラムを奴等の星に連れて行くつもりか》 お雪 《きっとそうね》 弁天 《そんな事、あたいらがさせるかってんだ》 お雪 《でも、考え方によっては好都合じゃないかしら》 弁天 《あ、なるほど。奴と一緒なら》 ラン 《潜り込むのも簡単って訳ね》 弁天 《あぁ、ならここは騙されてやろうぜ》弁天達の話がまとまった頃、丁度ラウの計測も終わり ラウ 「ラムさんは、眠っている状態を除けば何も異常は有りません」と言い、続けて ラウ 「ただ、ここではラムさんを目覚めさせる事は出来ません」と言った。すると弁天が 弁天 「じゃ、どこなら出来るんだ?」と聞くと、ラウは ラウ 「ある星に行けば、間違い無く治せます」と言い、更に ラウ 「ただ、連れて行けるのはラムさんだけです」と言った。それを聞いて弁天は 弁天 「冗談じゃねぇ!眠ったままのラムだけ行かせられる訳ねえだろ?あたいらも行かせてもらうぜ」と言った。それを聞いたラウが ラウ 「で、でもラムさん以外連れて行く訳には・・」と言うと、再び弁天が 弁天 「ゴチャゴチャうるせー事抜かしてねぇで、連れて行きやがれ!」と言った。ラウは ラウ (弱ったぞ、断ればラム様を引き渡さないだろうし、かと言って女性を傷つけたくも無い。ここは仕方ない)と思い ラウ 「分かりました、負けました。では、一緒に行きましょう。でも行くのは僕の宇宙船で行きますが、いいですね?」と言った。すると弁天は 弁天 「あぁ、いいぜ」と言うとにやりと笑った。  その頃、ラウの宇宙船の中を探索していたメガネ達は、それが宇宙船だと言う事に気付いた。メガネは メガネ 「これは、間違い無く地球上の物ではないな」と言うと メガネ 「そろそろ出た方がいいかもしれんな」と他の3人と一緒に外に出ようとしたがドアが開かない。 パーマ 「おい!このドアどうやって開けるんだ?」パーマがそう言うと、メガネは メガネ 「俺が知るわけなかろう!」と言いドアの周りを調べ始めた。それを見ていたカクガリは カクガリ 「おい、早くしないとあいつが帰ってきちまうぞ」と言った。するとメガネは メガネ 「わかっとる!だから今、ドアを開ける方法を探しているのではないか!」と言った。その時、ドアの外でガタガタと音がした。その音を聞き、パーマが パーマ 「ヤバイ!帰って来ちまったみたいだぜ!」と言った。するとメガネが メガネ 「か、隠れろ!」と言い、その声を合図に四人は手近な所に隠れた。少しの間を置き   プシュー  と音がしてドアが開いた。四人が体を小さくして精一杯隠れてると「何だ?ここは?」と男の声がして、続いて「気味悪いわ、出ましょう?」と女の声がした。その声を聞いてメガネとパーマは パーマ 《おい、あの声》と言い、メガネが メガネ 《あぁ、間違いない。面堂としのぶだ!今ならドアが開いてるぞ!》と言うと勢いよく飛び出し、面堂としのぶ、いやドアの外に向かって走り出した。突然物陰から飛び出したメガネ達に驚き、面堂としのぶはそれぞれ咄嗟に横に飛び退く形で避けた。すると開いていたドアは無情にも再び閉まってしまった。メガネは、あと一歩のところで外に出られずドアの手前で立ち止まると面堂に向かって メガネ 「面堂!何故避けたー!」と怒鳴った。すると面堂は 面堂 「な、何を言うか!突然物影から誰か飛び出してくれば驚いて避けて当然ではないか!!」と言うと、しのぶが しのぶ 「そうよ!心臓が止まるかと思ったわ」と言った。するとメガネが メガネ 「いいか、二人とも良く聞いてくれ。このドアは内側からは開けられんのだ」と言い、そこに面堂が 面堂 「そんなバカな!外から開いて、内側から開かないドアじゃ意味ないではないか!」と言った。するとメガネが メガネ 「意味が有るかどうかなんて事は、この際問題では無いのだ!問題なのは内側から開かないドアがまた閉まってしまったって事だ。さっきが唯一のチャンスだったのだ」と言った。すると面堂が 面堂 「こんな事も有ろうかと僕は常に通信器を持ち歩いているのだ」と言うとどこからか通信機持ち出し、通信を始めた。しかし、通信機からはノイズばかりで何も聞こえて来ない。面堂は 面堂 「おかしいなぁ」そう言うと通信機をガチャガチャといじり始めた。それを見てメガネが メガネ 「フン、面堂。お前もやはりあたるレベルと言う事か」と言った。すると面堂は 面堂 「何?僕が諸星と同レベルとはどう言う事だ!」と怒りを露にした。それに対してメガネは メガネ 「その通信機は当然無線だよな?つまり電波を飛ばして通信するわけだ。いいか?良く考えて見ろ、その通信機が仮に使えたとしたら、ここから電波が飛んで行った事になる。と言う事はだ、内部から電波が飛ぶなら外部からも入って来ると言う事だ。そんな事になってみろ、この中にある機器にどんな影響を与えるか分からん。この乗り物は、どう見ても地球上の物ではない。つまり、外から・・宇宙から来たと考えるのが自然だ、だったら簡単に電波を通す様な構造じゃないだろう。つまり、外部から電波を通さないと言う事は内部からも通さないと言う事だからな。そんな事は小学生でも分かる。分からんのはあたるくらいだ、だが面堂お前は通信機で通信を試みた。それも、どうだとはかりに。つまり、お前は分かっていなかったのだ通信機が使えない事を、だからあたると同じたと言ったんだ」と一気にまくし立てた。面堂はメガネの話を聞いて 面堂 「ぼ、僕はなぁ!あんな諸星みたいな・・」と言った時、メガネが メガネ 「ちょっと待て!」と言ってドアの外に意識を集中した。すると メガネ 「誰か来る・・・隠れろ!」と言うと回りを見渡した。するとパーマが パーマ 「おい、こっちにドアが有るぞ!」と言ったので、良く見るとそこには、小さな窓の付いたドアが有った。メガネは メガネ 「よし!全員そこに入れ!」と言うとドアを開けて中に入った。そこは、まるで和室の様な部屋だった。その直後、入り口のドアが開き誰か入って来た。入って来たのは一人ではなく数人居た、そのうちの一人が言った 「変わった宇宙船だな」すると今度は、べつの一人が 「なんや、随分つまらなそうな宇宙船やな」と言った。その声を聞いていたメガネは メガネ 《あの声は・・・》と言うと、小さな窓からそっと覗いてみた。するとそこには先程テンと一緒に出て行った男を先頭に、弁天、ラン、お雪、テンの順番で入って来た。そして、何やら大きなカプセルの様な物が空中を滑る様に入って来て、その後ろにあたるが入って来た。それを見てメガネは メガネ 《あ、あたる!何であいつが?》と言うと、横に居た面堂が 面堂 《おい!あのカプセルの中を見ろ!》と言った。全員は、面堂の言葉で一斉にカプセルに視線を向け、 メガネ 《ラ、ラムさん!》 パーマ 《ラムちゃん!》 カクガリ 《ラ、ラムちゃん!》 チビ 《ひぃー、ラムちゃん!》 しのぶ 《ラム・・どう言う事?》と言った。それを聞いて面堂は 面堂 《理由は分かりませんが、ラムさんに何か有ったのは間違いないと思います》と言った。するとメガネは、面堂に掴みかかり メガネ 《な、何かって、何が有ったと言うんだ!!》と言うと、面堂はメガネの手を振り払い 面堂 《そんな事僕に分かる訳ないだろ!》と言った。メガネはすぐさまドアの所に戻りラムの入ったカプセルを見つめ メガネ 《ラムさん・・・きっと助け出します》と言った。そんな時、弁天が 弁天 「おい、まだおめぇの名前聞いて無かったなぁ」と、ラウに向かって言った。ラウは ラウ 「あ、僕ですか?」と言うと弁天は 弁天 「おめぇ以外誰がいるんでぃ」とラウに言った。するとラウが ラウ 「これは、申し遅れました。僕の名前はラウと言います」と言った。それを聞いて弁天は 弁天 「ラウか」と言うとお雪を指差し 弁天 「こいつがお雪で、こっちがランだ」と、お雪に続いてランを指差した。お雪は、かるく会釈しランはソッポを向いている。弁天は  弁天 「まぁ、よろしく頼むぜ」と言った。ラウは ラウ 「到着までは、少し時間がかかりますから、そちらの部屋でくつろいでいて下さい」と面堂やメガネ達が隠れたドアを指差した。弁天は 弁天 「おぉ、そうか悪ぃなぁ」と言うとドアの方に歩いて来た。面堂は 面堂 「まずい!こちらに来る!」と言うと部屋の中を見回したが、隠れる所など何処にも無かった。面堂達は部屋の隅に身をかがめた。すると 弁天 《おぃ、誰か要るんだろう?》弁天がドアの向こうから問いかけて来た。そして 弁天 《いいか?今からあたいらが部屋に入るけど、騒ぐんじゃねぇぞ》と言いドアを開けた。弁天は中に入ると部屋を見回し、面堂達を見つけると 弁天 《なんだ、てめぇらか》と言い 弁天 「おい、結構落ち着けそうな部屋だぜ、みんな来いよ」とお雪、ラン、あたる、テンを呼んだ。そして 弁天 「あ、諸星。ラムも連れて来いよ」とあたるに言うと、あたるは あたる 「ラムも?でも、そしたら狭くなっちゃうんじゃ?せっかく皆と親交を深めたいのに」としまりの無い顔をした。すると弁天が 弁天 「大丈夫だ、親交なら嫌っつう程深められるぜ」と言いニヤリと笑った。あたるがラムのカプセルを部屋に持って行こうとすると、ラウが ラウ 「あ、カプセルは置いて行った方が」と言った。すると弁天が 弁天 「何でだ?別に構わねぇだろ?それとも、部屋に持ち込まれちゃマズいのか?」と言った。それを聞いてラウは ラウ 「いえ、そんな事は無いんですけど、ここなら固定出来るし安全かと思いまして」と言った。すると弁天は 弁天 「あぁ、そうかい。でもよう諸星の奴がさぁ、どうしてもラムと離れたくねぇんだとよ」と楽しそうに笑いながら答えた。するとあたるが あたる 「な、弁天さま。俺がいつそんな事を・・」と言うと、弁天は 弁天 「おめぇも素直じゃねぇなぁ。絶対ラムの側離れる気なんかねぇくせに」と笑いながら言った。あたるは、弁天に全て見透かされていると思い何も言えなくなってしまった。全員が部屋に入りドアを締めると   ガチャ   と音がした。あたるがその音に気づきドアを開けようとしたが完全にロックがかかっており、中からは開かない様だった。すると弁天が 弁天 「おい!なんだ!あたいらを閉じ込めるつもりか?」と怒鳴った。するとラウは ラウ 「いえ、向こうに着くまでそこで大人しくしていて欲しいだけです。付いたら開けますので」と言った。それを聞いて弁天はドアから離れて 弁天 「へへ、うまく行ったな」と言った。 お雪 「そうね、これで怪しまれずに侵入できるわ」お雪がそう言うと面堂が部屋の隅から出て来て 面堂 「怪しまれずに侵入?何処に侵入すると言うんですか?」と言うと、それを見たあたるが あたる 「め、面堂!何でお前が!」とあたるが面堂の存在に気づき声を上げた。するとメガネが メガネ 「俺達もいるぞ」と言って出てきた。それを見てあたるは あたる 「メガネ?パ、パーマ、カクガリ、チビ、それにしのぶまで!」と言った。あたるの言葉を遮る様に、再び面堂が 面堂 「おい!諸星!今僕の名前を!」と言った。するとメガネが メガネ 「そう言えば、そうだ!」と言った、そして続けて メガネ 「あたる!お前記憶が?」とあたるに聞いた。あたるは あたる 「あぁ、記憶は戻った・・・ラムのお陰でな」と言った。するとすぐさま面堂とメガネが 面堂 「ラムさんのお陰とは?」 メガネ 「お前を救ってラムさんは、ああなったのかー!」とあたるに掴みかかった。それを聞いていたしのぶは しのぶ 「ねぇ、さっきから記憶、記憶って、あたる君記憶無くしてたの?」と言った。すると面堂が 面堂 「はい、特定の人物の記憶を無くしてたんですよ」と言うと、パーマが パーマ 「お前、忘れられた側の一人だったがな」と面堂に言った。しのぶは しのぶ 「それで、あたる君の記憶を戻す為にした事で今度は、ラムが目覚めなくなったって訳?」と言った。するとお雪が お雪 「早く言えばそうね」と言った。すると皆の視線が集まる中、お雪は更に お雪 「だから、ラムを目覚めさせる為に、ある星に向かうの」と言った。と、その時多きな震動と共に宇宙船が動き始めた。その船体は徐々に浮き上がりやがて、凄いスピードで地球から飛び立った。  しばらくして、面堂は 面堂 「すると、あのラウと言う男は・・・」と言うと、ランが ラン 「敵やな」と言った。それを聞いたテンは テン (な、なんやてー、ほなわいは騙されてたんかいな!そ、そんな事あたる達アホに知られたら大変や、ここは騙っとった方が良さそうやなぁ)そう思うと、そそくさとラムのカプセルに向かった。その時面堂が 面堂 「と、なると今我々は捕らわれの身と言う事になる。だとするとあのドアが開かないのは非常にマズイのでは?」と言った。するとチビが チビ 「マズイ?何でだよぉ」と言った。それを聞いたメガネが メガネ 「アホ、あいつが敵と言う事はだ、あいつにとって我々は邪魔な存在と言う事になる。と、なれば星に着いたらどうなると思う」と言うと、チビは チビ 「ど、どうなるんだよ?」と恐る恐る聞いた。メガネはメガネを拭きながら メガネ 「間違いなく、当局に引き渡されるだろう、そうなれば終わりだ。だから、星に着く前に脱出しなければならない」と言った。メガネの話を聞いたカクガリが カクガリ 「でも、どうやって脱出するんだ?見たところ脱出出来そうな場所ないぜ?」と言うと、弁天が 弁天 「へん、あんなドアどうって事ないぜ、こいつが有ればな」とバズーカをどこからともなく出した。そして 弁天 「こいつはな、次元バズーカっつってな、ターゲットの周辺を直径2mの球状で別の次元に転移させるんだ。範囲は狭ぇがドア消すくらなら楽勝だぜ」と言った。すると面堂が 面堂 「す、凄い!しかし、そのバズーカ一体どこから出て来たんですか?」と言うと、弁天が 弁天 「細けぇ事言ってんじゃねぇ!てめぇも男だろうが!」と言うと、あたるも あたる 「お前に人の事が言えるか」と面堂に言った。すると面堂は 面堂 「何だと!」と言い、あたるは あたるは 「お前だって、しょっちゅう何処からともなく日本刀出してるではないか!」と言った。すると面堂も 面堂 「何を言うか!貴様だって木槌やらフライパンやらを、何処からともなく出すではないか!」と言った。それを聞いていたメガネは メガネ 「やはり、あいつら同レベルだ」と言った。その時お雪が お雪 「向こうに着くまでは、まだ時間が有るわ。お鍋でも食べながらゆっくりしましょう」と言って何処からか鍋を持ってきて、グツグツと煮始めた。すると弁天も 弁天 「そうだな、腹がへってはなんとやらって言うしな」と言うとテーブルの所に腰を降ろした。  皆で鍋を囲み、具が煮えるのを待っていると突然 「そろそろ、食べ頃じゃの」と声がして、スッと箸が鍋に伸びた。すかさず弁天が 弁天 「だれだ!勝手に鍋に箸入れるやつぁ!」と言うと 「待たせたな」と言う声とともに錯乱坊が顔を出した。   ちゅどーーーーーーーーーーん!!!  大爆発が起きた。すぐさまあたるが あたる 「チェリー!お前、いつもいつも脈絡の無い現れかたしやがって!!」と言うと、近くに有った機械らしき物を錯乱坊の頭の上に落とした。 あたる 「そもそも、何でお前がここに居るんだ!」あたるがそう言うと、錯乱坊は 錯乱坊 「いやなぁ、公園を歩いておったら何やらいい匂いがしたもんでの、つい匂いに誘われ入ったら出られなくなったのじゃ」と言った。するとメガネが メガネ 「相変わらず、食いもんに卑しいやっちゃなぁ」と言った。そんな中、ラウの宇宙船は着々と惑星ルイーザに近付いていた。             続く  ついに惑星ルイーザに着いた、あたる達一行。