〔ザット・クレイジー・サマー〕 第八話 竜之介「…」 面堂「………」 あたる「…」 テン「…」 四人「「「「なんで[てめえ/きさま/おまえ/おんどれ]が[いやがるんだ!/おるのか!/いるんじゃい!いるんや!]」」」」 パーマ「説明しよう!実行委員会が呼んだ」 竜之介「何でこんな親父を呼んだんだ〜っ!てっ、てっ、てめえら何の目的で…」 パーマ「目的理由経緯については一切お答えできないと実行委員長メガネ氏よりことづかっております」 面堂「じゃあそのメガネを出せ!!」 パーマ「メガネ氏については現在精神的疲労のため外出できない状態になっております」 あたる「何じゃその政治家の釈明会見みたいな話し方は!」 パーマ「あ、もう…そうですね、ハイ…えー、残念ながら時間の関係上ご質問にはお答えできませんそれでは。」 竜之介「ちょっと、てめえ待ちやがれ!」 あたる「くそ、逃げられたか!」 四人「「「「……………」」」」 四人「「「「………………………………………………………………」」」」 竜之介の父「何じゃ人の顔をまじまじとのぞいて?わしの顔に何かついてでもおるのか?」 四人「「「「だ、れ、が、[てめえ/きさま/おまえ/おんどれ]の顔をすきこのんでみるか!!!!!!」」」」 竜之介「やい、おやじ!てめえ何の理由があってこのレースに参加した!!」 竜父「浜茶屋再建資金捻出のために決まっておる。それ以外に何の理由があろうか」 あたる「本音は」 竜父「竜之介のセーラー服獲得阻止のために決まっておる。それ以外に何の理由があろうか」 竜之介「てめえやっぱりそういう理由で‥今すぐ出場なんかやめちまえ!!」 あたる「そうだそうだ、竜ちゃんの言うとおり!」 テン「ホンマにそのと〜りや!部外者のお前なんぞ、さっさと出て行け!」 面堂「……おい」 テン「何や?」 あたる「ジャリテン…」 テン「なんや、そんなことよりもはよ出ていけや!」 あたる「そっくりそのままお前にその言葉を返す!大体なんだ?親権者たる俺の承諾もなしに勝手に出場しようとしているではないか!     お前俺に一言でも断ったか?大体だなあ、お前が乗っているのは幼児用の電動アシスト付ではないか。こんなの反則だぞ、ですよね〜、校長先生?」 手にはちゃっかりトランシーバー。 校長「体格差の関係上、テン君には特別に許可しました。ま、大人の対応と風格で大目に見てあげてください…    メガネ君、こうんな感じでよかったんだっけ?」 あたる「…お前らグルだな…くそっ!」 テン「へん、ざまあみさらせ!大体なあ、お前はワイの親権者でも何でもないんやで!毎日毎日いじめくさってからに…ようそういう口が利けるなあ〜!」 あたる「いじめではない、しつけなのだ、しつけ!」 テン「出た、しつけを口実にした虐待や!」 面堂(あの齢で親権者という言葉が理解できるというところが…末恐ろしいな…………) 校長「というわけで第五日目を」 あたる「待てーっ!おい!メガネ!さっき精神的疲労のため外出できない状態とかぬかしやがったくせにピンピンしとるじゃないか!!」 メガネ「うるさーい!!おだまりっ!いいか、精神なんてものはその人間の主観に基づくものであって他の人間からは到底理解しがたいものなのである!     然るに!本人が疲れてないといえば疲れていないし、カラスは白いといえば白いのである!そこに文句を言われる筋合いはない!     人間の感情において共通なのはラムさんの姿を見て美しいと思うことのほかには共通点などないのだ!     大体だなあ、体調と精神というものは密接に主観と混ざり合っているものなのであって、本人の気分次第であり、文句を言われる筋合いはない!     …従って…我思う、故に我在り!ラムさん、好きじゃああ!!!!」 校長「ようい」 バン! メガネ「ちょ、ちょっ、ちょおっと待て!俺の演説に対してなんか反応ぐらい残していかんかあ!!!薄情者!ウスラトカゲ!」 パーマ「ようもああいう演説が立て板に水のように出てくるだなんて…感心を通り越して呆れるばかりだぜ」 しのぶ「いっぺん脳の中をみてみたいわね」 パーマ「それも一計だな」 テン「サクラね〜ちゃ・・・・・・」 ゴン! 面堂「協力に感謝する…諸星」 あたる「なあに、お互い様よ」 テン「………………おんどれら覚えとれよ!開始早々フライパンで飛ばしくさって…」 竜父「浜茶屋再建!浜茶屋再建!浜茶屋再建!浜茶屋再建!浜茶屋再建!浜茶屋再建!万歳!    海、がっ、好っ、き〜〜〜〜〜っっ!」 面堂「おい!機甲師団どうした!妨害は!」 サングラスA「だめです!なぜだか知りませんが大量の海水が流れ込んで戦車は使い物になりません!!」 サングラスB「機動部隊も同様です!バイクは大半が故障しております!」 面堂「…わかった。………終太郎だ!航空部隊、応答・・・」 サングラスC「すぐに救援願います!!所属不明の戦闘機部隊にこうげ…」 サングラスD「終太郎様、こちら航空部隊第四班!至急応援部隊をよこしてください!正体不明の敵が我が方へ攻撃を加えております!         敵機はわが面堂家で使用している飛行機と外見・塗装とも酷似しておりなんらかの鹵獲機を使用したものと思われます。繰り返します、こちら‥うああ!」 面堂「ん?どうかしたか?応答しろ!………考えられるのはただ一つ…」 面堂「了子!!!!お前何べん兄の邪魔をしたら済むのか!」 了子「あら、急に通信なさったかと思ったら、なんのことですの?私にはさっぱり…」 面堂「しらばっくれるのもいい加減にしろ!」 了子「お兄様ったら…そんなに実の妹が信じられないのですね…うあ〜ん」 面堂「お前を信用するこ…」 ばきいっ あたる「了子ちゃんを泣かすなっ!!」 面堂「どっから出てきた貴様!!!!それにこれは兄妹間の問題だ!!」 了子「ん?その声は諸星様?」 あたる「さ〜すがは了子ちゃん!」 了子「聞いて諸星様、お兄様ったらひどいんですよ、実の妹というのに……ごにょごにょ……」 あたる「なに!?可憐な了子ちゃんが航空部隊やらを引き連れて邪魔をしたという言いがかり?     面堂!生かしておけ〜ん!」 面堂「貴様、あいつと何年付き合っとるんだ!いいかげん了子の性格ぐらい把握しておかんか!了子の言葉などタダの戯言に…」 バキッ! あたる「うるさい!!美人は常に正しいのだ!」 チビ・カクガリ「「そのとおり!」」 ボコスカボコスカ… メガネ・パーマ「全く正論!」 ドカッ!バキッ! 面堂「き、貴様らっ!どっから湧いて出た、言え〜〜〜〜〜!!!」 メガネ「オッダッマリ!理由なんっかないのヨ!ただの憂さ晴らしナノ!」すたすたすたすた… 面堂「……………」ぼーぜん あたる「……あ、あいつって…こっちの趣味あったのか?」 面堂「んなあこた僕が知るかぁ!!!とにかく了子!これ以上兄をたばかるようなことをするとただじゃすまさんぞ!」 了子「!!んまあひどい!お兄様大っ嫌い!」ブチッ! 面堂「ふん!まったく、あんなインケンでいかにもわがままな妹を持つと苦労するな…ん?なんだ?このビラは。」 どこからともなく降ってきたビラ。その内容は… 面堂「『若様ごめんちゃい』…って…!もしや!」 時すでに遅し。 面堂家航空部隊第六十三師団隷下第十六旅団(コードネーム・朝帰りの政五郎旅団長指揮)の爆撃機300機による絨毯爆撃! 面堂家陸上部隊第一師団及び第三師団による特別連合軍(コードネーム・干からびたサンオイル司令官指揮)の兵士述べ1万8300人による白兵戦! 面堂家特殊部隊第二百五十六中隊(コードネーム・穴掘りグラサン中隊長)の特殊兵士35名による穴掘り攻撃! 面堂家懐柔部隊第一○○○九三小隊(コードネーム・サディズムの鬼小隊長)による三時間にも及ぶくすぐり攻撃! 当然自転車は粉々。人間は黒焦げ。顔には疲労困憊。 面堂「…………貴様ら、あとで全員一人残らず減俸処分にしてやるからな〜!待っとれよ〜!!!!」 あたる「了子ちゅわ〜ん!素敵な愛情表現ありがとね〜!今度は素直にデ〜トがいいな〜!」 面堂「どうやったら、そんな解釈ができるんだ!こぅんの アホ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぅ!」 その雄叫びとともに、丁度良くレースは終了した……………。 メガネ「はぁ……………」 パーマ「はぁ……………」 竜父「ふっふっふ…やはり勝負とはこういうものじゃな‥‥まったく一人で自転車をこぐだけなど闘争本能がわかん!」 竜之介「その通りだぜ!おやじ!今日という今日はお、女の象徴!セーラー服とスクール水着を自分の手でつかみ取ってやるぜ!」 (メガネ(セーラー服ってもともと男の海兵の象徴なんだがなあ…そもそもはイギリス海軍が…………)) 竜父「セーラー服がほしくば父にかかってこい!」 竜之介「望むところだ!」 パーマ「はぁ……………なあメガネ」 メガネ「今やセーラー服は日本文化だ!」 パーマ「……………………………………………………………は?」 メガネ「………あ、すまん。なんだパーマ?」 パーマ「せっかく頭下げて頼んだのにこれだぜ?あの親父わざわざ一位から面堂んちの攻撃をかいくぐってはるか後方の竜之介ん所へ行ったんだぜ?まったくあきれるよな」 メガネ「結局、面堂一位あたる二位か。いくら俺たちが言ってもラムさんは信じてくれないし。ああ、うっうっ…」 時計をちらりと見る。 パーマ「………に、しても遅いな。」 あたる「全く面堂のヤツどこ行ったんだ?『貴様のような下劣で女好きなアホとは行動を共にできん』とか言いやがってどっかいって…ま、そのうち迎えが来るだろ。」 あたる「暗いな…ま、迎えが来るだろう…。」 あたる「迎え……遅いな…」 あたる「ええい…迎えに来るならさっさと来んか…………」 あたる「ま、最近『………………なんでもないっちゃ!』『うちのこと…好きだっちゃ?』とかみょ〜なことをしてたからな…     ラムの顔を見なくてせいせいしたわい」 あたる「…………」 あたる「………………………」 〔BGM 『心細いな』〕 あたる「やっぱ………ばれたのかな」 あたる「怒ってんだろうな…」 あたる「…………はぁ」 あたる「ん…まぶし…」 ラム「ダーリン!!!!!!!!!」 (空から降りてくる) あたる「ラ、ラム……」 ラム「ダーリン大丈夫だったっちゃ?!!」 (地上に降り立つ) あたる「ラム〜……」 (ラムに駆け寄る) ラム「無事だっちゃね、よかったっちゃ!」 あたる「…………っ…すまん」 (ラムの胸の中ですり寄る) ラム「!!ダ〜リンっ!    …………………ん?    ………………………………」 あたる「……?おい、ラム?」 ラム「………………………信じていたのに…」 あたる「…なんだ、しょんぼりした顔からのそのにやついたかおは…」 ラム「……………ダァ〜リィン?」 あたる「…っ、なんだ?」 (ラムの試すような口調に警戒感) ラム「ど〜してうちに謝ったりなんかしたっちゃ?」 (口調変わらず) あたる「げっ!!」 ラム「ど〜してだっちゃ?」 あたる「…それより早くUFOへ……」 (焦るあたる!) ラム「白状するっちゃ」 (怒り始めたラム!) あたる「何を?」 ラム「ダーリンはさっきうちに対してはっきり『すまん』って謝ったっちゃよね」 あたる「まあそ〜ゆ〜こともあったかもしれんな」 ラム「何でだっちゃ?今回の落ち度は完全にうちにあったっちゃ。    ダーリンの性格なら『やいラム!よくもこんな時間まで…』って絶対言うっちゃ!」 あたる「……………………………」 (都合が悪いと黙る!) ラム「さあ、テンちゃんの証言やメガネさんの推理もあるっちゃ。    話はUFOでしっかり聞くっちゃ!」 (空へ!) ラムの父「や、婿殿、すんまへんでしたな、いや〜、家内がドライヤーと電子レンジをいっぺんに使いましてうちのUFOのブレーカーが落ちましてな、復旧に時間がかかったんですわ、ホンマに」 ラムの母「○×*+■>&●#◎!!」 ラムの父「なんや、扇風機とテレビとクーラーぐらいええやろ、必要や!」 メガネ「あたるちゃん?素直にはいたらどうなんだい?もうねえ、証拠は上がっちゃってるんだなこれが!」 ラム「ダーリン、観念するっちゃ!」 パーマ「吐いた方が得策だぜ?」 テン「いたいけな幼児を何回もいじめくさって…」 カクガリ「なあもう意地はらなくていいじゃんか、なあ!」 あたる「………………………」 チビ「あっちもいろいろ大変そうだね…」 しのぶ「そうね…ところでこのサラダ、ラムの分は別にしてくれたわよね?」 チビ「!………………」 しのぶ「ま、まさか…」 チビ「うん……あ、でもでも、そういうしのぶさんもジュースの瓶に入ったお酒を出したりしてないよね?」 しのぶ「あっ!………」 チビ「アハハハハハハハハハハハハハハ………」 しのぶ「ウフフフフフフフフフフフフフフフフフ………」 二人「大変だ!!!」 カクガリ「あたるのバカヤロー!おいちび、こっちきて一杯やろ〜や!」 面堂「もろぼひぃ…きょ〜とゆ〜きょ〜はさんずのかわおくりらぞあ〜〜〜〜〜」 パーマ「ちわげんかの仲裁なんかやってられるか!おっちゃんおちょ〜し一本追加ね!」 温泉「こ〜ちょ〜、ちょっとサラリーのほど上げてくださいませんかね?あ、ラム君のお父さん、どうも…おっとっと、こぼれちゃったじゃないですかあ〜〜」 メガネ「中間管理職はつらいな、ぐすっ、ぐすりぐすり、ぐすっ、お母ちゃん…」 テン「あのアホ殺したる!みなさ〜ん、きょ〜のメインディッシュはあたるの丸焼きやで、楽しみにしときいや〜!」 校長「私は友引高校校長であ〜る!私は友引高校校長であ〜る!私は友引高校校長であ〜る!私は友引高校校長であ〜る!私は友引高校校長であ〜る!    私は友引高校校長であ〜る!私は友引高校校長であ〜る!私は友引高校校長であ〜る!私は友引高校校長であ〜る!!!」 チェリー「もっとウインナーはないものかのう…しかし、このジュースはうまいのう…」 あたる「ラムのアホ!たかがこの程度のことで癇癪おこすなど、見損なったわい!」 ラム「見損なったはこっちのセリフだっちゃ〜〜〜〜〜!」 ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ! ラム「もうダ〜リンなんか知らないっちゃ!かってにしのぶやサクラとデートでもするがいいっちゃ!もうしばらく絶縁だっちゃ〜〜〜〜〜!」 あたる「あ〜〜せいせいするわい!もっと心がおおらかなやつを見つけてやる!あとで後悔するなよ!」 チビ「どうする?」 しのぶ「………酔いつぶれるまで、待つしかないわね…」 酔いつぶれた後。 メガネ「!またお前か!お前にはもうこりごりなんだぞ!また悪だくみを図ろうっていう魂胆じゃないだろうな!」 パーマ「ったく、となりにいられるとうるさくて寝られやしねえ!」 チビ「メガネの寝言って、すごいんだね…」 =次回予告= ダーリンを信じていたのに、信じていたのに、信じていたのに…なぜ? ダーリンを、うちを、メガネさん+αが解き明かす! 次回、第九話であうっちゃ!