うる星やつらーアナザーワールドー       エピソード 5  サクラはあたるを離すと  「実は、叔父上が2人になったのじゃ……」と言った。 サクラの言葉にその場に居た一同は、固まり異様な雰囲気に包まれた。そんな中、最初に言葉を発したのはラムだった。ラムは  「チェリーが2人って、それってもしかして……」と言うとサクラは  「うむ、実は先刻の事じゃが友引商店街の方から禍々しい気配を感じてな、例の喫茶店の所に行ってみたのじゃが、そこで2人の叔父上に会ったのじゃ」と言った。するとあたるが  「よく、ただでさえ不気味なチェリー2人に会って、平気だったな」と呆れて言うと、サクラは  「平気な訳かなろう!私も最初は物の化か何かだと思ったのじゃが、やり合ってみてそれが間違いなく叔父上だと分かったのだ」と言い、更に  「どうやらもう一人は向こうの世界の叔父上らしいのじゃが、本人も分からないらしい」と言った。それを聞いた面堂は  「そんなバカな!自分がもう一人居て気が付かないはずはない!」と言ったが、あたるが  「いや、チェリーなら可能性は有る。只でさえ妖怪じみているんだ、自分がもう一人居ても気にせんだろう」と言った。サクラは黙って聞いている。あたるの言葉を聞きメガネが  「ちょっと待て、と言う事は……もう一人の自分と対峙しても大丈夫だと言う事か?」と言うと、あたるは  「いや、相手はあのチェリーだ。俺達の様な普通の人間とは違う。必ずしも大丈夫とは言えんだろう」と言った。すると面堂も  「確かに諸星の言う通りだ。やはり会わない様に注意するに越した事はない」と言い、結局その日も面堂の家に泊まる事になった。  そして、その夜に面堂のところにサクラから電話が有り全員喫茶ピグモンの所へ来る様にとの事だった。時間は既に夜の11時を廻っており、みんな寝ようとしていた所への呼び出しで面堂邸を出るまでに結構時間がたってしまい、ピグモンに着いた時には深夜12時を廻っていた。あたる達がピグモンに近づくと、そこにはサクラと二人の錯乱坊と、見慣れた顔の人物が待っていた。それを見てメガネが  「チェリーが2人居ると言うのは、本当だったのか」と呟いた。続いてあたるが  「あれは……温泉?」と言うとラムも  「本当だっちゃ、温泉先生だっちゃ」と言った。あたる達がサクラ達の所へ着くと、サクラは  「すまんなこんな時間に呼び出して。実は昨日の夕方から感じておったのだが、深夜になり禍々しい気配がかなり強くなってのう、叔父上と来てみれば……こやつがおったのだ」と言って温泉マークの方を見た。するとあたるが  「全く、突然居なくなったかと思えば、こんな時間にいきなり現れおって、人騒がせな奴じゃ」と言った。するとサクラが  「問題は、こやつは向こうの世界の者の可能性が高いと言う事じゃ」と言うと面堂が  「何ですって?」と言い、続いてしのぶが  「じゃぁ、こっちの先生は……」と言うとサクラは  「あぁ、恐らく向こうに居るのであろう」と言った時あたるが  「しかし、何故こいつが向こうの温泉だと?」とサクラに疑問を投げ掛けた。するとサクラは  「それなのだが……こやつの話だと向こうの世界では、わたしは教師はやっておらんらしい」と言った。するとそれまで黙っていた温泉マークが虎縞ビキニ姿のラムを見て  「おい!君、誰だか知らんがこんな時間に、しかもそんな姿でウロウロしてはいかん!わたしも高校で生活指導の教師をしている以上、このまま見過ごすわけにはいかないぞ!」と言うと、あたるの方を向き  「おい諸星、お前の知り合いか?」と言った瞬間、あたるは温泉マークを踏み潰し  「話がややこしくなる。お前は黙っとれ」と言った。踏みつけられた温泉マークは  「諸星、貴様こんな事してただで済むと思うなよ!お前には英語の単位やらんからな」と言うと、あたるは  「あぁ、どうにでもしてくれ。どうせ困るのは向こうの俺だからな」と言うと、続けて  「こいつラムの事を知らん様だし、確かに向こうの温泉らしいな」と言った。あたるに踏みつけられて、あたるの話を聞いていた温泉マークは  「向こうの世界だの訳の分からん事ばかり言いおって、早くこの足をどけろ!」と言ったが誰も温泉マークの言葉には耳を傾けず話を続けた。それまで何かを考えている様子だっ面堂が  「前にラムさんが会った向こうの世界の諸星も、ラムさんの事を知らない様子だったっていいましたよね?」とラムに聞いた。するとラムは  「うん……」と言い、それを聞いた面堂は  「ここに居る向こうの世界の温泉先生もラムさんを知らない様子……」と言うと、メガネが  「まさか……」と言い、面堂は軽くうなずくと  「恐らく向こうの世界には、ラムさんは存在しない……」と言った。それを聞いたあたるは  「何?ラムの居ない世界?」と言い、ラムは  「向こうには、ウチは存在しない……」と言い、急に不安になった。そんなラムを見てあたるは  「まぁ、向こうにラムが居ようが居まいが関係有るまい。俺達の世界はこっちなんだからな」と言った。そんなあたるの言葉にラムは  (ありがとうダーリン!ウチ、不安が無くなったっちゃ)と思った。その時しのぶがサクラに  「先生に、今友引町で起きてる事は説明したんですか?」と聞くとサクラは  「いや、まだ説明しておらんのだ」と言った。そしてラムの方を向くと  「のうラム、今一度あの機械で確認してはくれんか?わたしには、どうしても良い方向に向いてるとは思えんのだが……」と言った。するとラムは  「分かったっちゃ」と言うと、ブラの中からS.T.Dを取り出すと器用に操作してメガネの形にした。あたるは、ブラからS.T.Dを取り出したラムに  「本当にお前のブラの中はどうなっておるのじゃ」と呆れた様に言うと、ラムは  「そんなに気になるなら、見てみるっちゃ?」と悪戯っぽく笑った。するとあたるは、あたふたしながら  「な、なんちゅうはしたない事を!いいから、さっさと調べろ」と言った。ラムはニコニコ笑いながら  「分かったちゃ」と言うとS.T.Dを覗き、がく然とした。S.T.Dを覗いたまま固まってるラムに、面堂が  「ラムさん、どうしましたか?」と声をかけると、ラムはゆっくりS.T.Dを外し  「歪みが大きくなってるっちゃ……」と言った。それを聞いたあたるは  「なに?」と言うと、ラムの手からS.T.Dを奪い取ると覗いて  「ほ、本当だ……前より随分でかくなってる……」と言い、S.T.Dを外すとラムに  「おいラム!どう言う事だ!お前、歪みを小さくする機械を設置したから大丈夫って言ったよな?」と言った。ラムは、あたるに言われて  「確かにちゃんと機械を設置したっちゃ!」と言うと、ハッと何かに気づいた様子で、またブラに手を入れて今度は何かリモコンの様な物を取りだし、ボタンを押した。すると、ラムが設置した機械のステルスモードが解除され、3台の機械が姿を現した。ラムは、すぐにその3台を確認すると電柱に設置した機械だけ、ずれて全然違う方向に電磁パルスを照射していたのを発見した。それを見てラムは  「これだっちゃ……この機械が何かの拍子にずれてしまった為に、歪みが小さくならなかったっちゃ」と言うと、機械を元の位置に戻したが  「ここまで歪みが大きくなってると、もうこの機械で歪みを小さくするのは無理だっちゃ」と言って、肩を落とした。そんなラムにあたるは  「なに!じゃぁ、どうするんだ!」と言ってラムの肩を掴んだ。しかしラムは  「……ごめん……分からないっちゃ」と言って、目を逸らした。その時突然パーマが  「おい!!」と声を上げた。そのパーマの声にみんな一斉にパーマの方を見た。するとパーマは  「し、し、しのぶが……消えた……」とやっと言葉を絞り出した。それを聞いた一同はパーマの言う通り、しのぶが居ない事に気づくとメガネが  「おい、パーマ!どう言う事か説明しろ!」と言ってパーマに詰め寄った。するとパーマは  「さっきまで、しのぶは俺の前に居たんだが、あたるがラムちゃんに話しかけたあたりで突然消えたんだ……」と言うと面堂が  「消えた?何をバカな!人が突然消えるなんて事有ってたまるか」と言ったがパーマは  「いや、間違いない……俺の目の前で消えたんだ!」と言った。それを聞いていたラムが  「いや、パーマさんの言ってる事……あり得るっちゃ」と言うとあたるは  「どう言う事だ?分かる様に説明しろ」と言った。するとラムは  「多分、しのぶは向こうの世界に引き込まれたっちゃ……」と言うとサクラが  「引き込まれたとは?」とラムに聞き、ラムは  「この前も説明した、この歪みを通るもう1つの要因。それが何か分からないけど、きっとそのせいで歪みの近くに居たしのぶが、たまたま引き込まれたんだと思うっちゃ」と説明した。それを聞いたあたるは  「と言う事は、向こうの世界にしのぶが2人居ると言う事か?」と言うと、ラムは  「多分そう言う事になると思うっちゃ」と言い、更に  「みんな歪みから離れた方がいいっちゃ」と言うとあたるは  「じゃぁ、しのぶはどうするんだ?」とラムに聞いたが、ラムは  「今は、要因もはっきりしない以上、打つ手が無いっちゃ」と言うとサクラが  「これ以上事態を悪くしない為にも、ラムの言う通りこの場所を離れた方が賢明だと……」と話してる途中で突然、みんなの目の前から消えた。それを見た一同は、突然の出来事に言葉も無く、体も金縛りにあった様に全く動かなかった。最初に言葉を発したのはラムで  「みんな、早くここから離れるっちゃ!」と叫んだ。ラムの声で目が覚めた様にみんな、あたふたとその場から逃げ始めたが、メガネ、パーマ、カクガリ、チビは一瞬にして4人とも消えてしまった。それを振り返って見た面堂も、姿を消し残ったのはラムとあたるだけだった。ラムは、あたると飛び去ろうとしてあたるの手を掴んだが、その瞬間掴んだはずのあたるの手の感触は無くなり、あたるも一瞬にして消えてしまった。一人残されたラムは  「ダ、ダーリン……」と言うと、立ちつくした。  どのくらいの時間そうしていたのか、いつの間にか雨が降りだし雷も鳴っている。ラムは空を見上げ  「ウチ、どうしたらいいっちゃ?」と呟くと、ハッと何かに気づいた様に  「そうだっちゃ!いつもレイに会いに行くのに異空間を抜けて行ってるランちゃんなら、何か方法を知ってるかも知れないっちゃ!」と言うと、雨の中ランの宇宙船に向かって飛んで行った。  深夜の友引町で、雷雨の中をびしょ濡れになりながらラムはランの宇宙船に向かって飛んでいた。そして消えてしまった皆の事を思いながら  「あんな事になるなんて……ウチのせいだっちゃ!でも……どうして?どうして歪みがあんなに大きくなったっちゃ?」と言いながらラムはランの宇宙船に急いだ。  一方、最初にパラレルワールドに飛ばされたしのぶは喫茶ピグモンの前に居た。しのぶから見たら、突然自分以外の皆が消えた様に見え、戸惑いながら周りを見渡し  「え?みんな何処行ったの?」と言うと、急に不安にな自宅の方に走り出した。しのぶは走りながら  (何で突然みんな消えてしまったの?)と思ったが、ある疑問が浮かんだ。しのぶは立ち止まると  (ちょっと待って……わたしだけ残して全員一瞬にして消えるなんて不自然だわ……)と思うと、ふとラムの言った事を思い出した。  『多分、空間の歪みを通ってる実感は本人には無いんだっちゃよ、きっと』  しのぶは  「ま、まさか……私が、私一人が別の世界に?」と言うと、しのぶの心を恐怖と不安が支配した。しのぶは  「どうしよう……家に帰りたいけど、家にはきっと、この世界の私が居るはず……かと言ってこんな時間に行く所なんて無いし」と言うと意を決した様に  「仕方ない、ピグモンにもどろう。もしかすると元の世界に帰れるかもしれないし」と言うと、来た道を引き返してピグモンに向かった。  その頃、サクラ、メガネ、パーマ、カクガリ、チビ、面堂、錯乱坊2人、温泉マークと順番にピグモンの前に現れ、最後にあたるが現れた。あたるは、さっきまで握っていたラムの手の感触だけが残る自分の手を見つめながら、小さな声で  《ラム……》と呟き、拳を握りしめた。その時サクラが  「どうやら、ラム以外は全員こちらに来てしまったようじゃな」と言うと面堂は  「何故ラムさんだけ大丈夫だったのでしょうか?」とサクラに聞いた。すると錯乱坊が  「先程、お主が言っておった様にこちらの世界にはラムはおらんようじゃし、片方の世界にしか存在しとらん者は、別の世界には移動せんのではないか?」と言った。するとあたるが  「そうすると、ラムは向こうに一人と言う事か……」と言い周りを見渡し  「ところで、最初にこちらに来たしのぶは?姿が見えん様だが」と言うと面堂も  「言われてみれば、しのぶさんの姿が……」と言いながら、周りを見渡したがしのぶの姿は無い。するとメガネが  「俺達は、ここに現れたがもしかすると別の場所に飛ばされた可能性は無いのか?」と言った。それを聞いてサクラは  「確かに、その可能性も否定はできん。なんせ、この様な事は初めてじゃからな」と言った。すると面堂が  「これからは、全員一緒に行動した方がいいのでは?」と言うとメガネも  「そうだな……全員一緒に居れば、もしまた誰か消えても分かるしな」と言った。その時、暗闇の中から  「え?みんなどうして?」と声がした。その声に全員が一斉に声の方を向くと、そこにはしのぶが立っていた。それを見たサクラは  「おぉ、無事であったか」と安堵の声をあげた。しのぶは、みんなの所に歩いて行くと  「みんな居るって事は、元の世界に戻れたって事?」と言うと面堂が  「いえ、残念ながら僕達がこちらの世界に来てしまったんです……ラムさんを除いて」と言った。するとしのぶは  「……そうなんだ、てっきり戻れたのかと……て言うか、何でラムだけこっちに飛ばされなかったの?」と言うと、サクラが  「うむ、ハッキリした事は分からぬがラムがこちらの世界におらぬ事が関係している様でな」と言ったが、しのぶは良く分からない様だった。その時パーマが  「おい、考えてみたらこっちには、こっちの俺達が居るんだよな?鉢合わせはマズいんじゃないか?」と言うと、しのぶも  「そうなのよ、私も家に帰ろうかと思ったんだけど、家には絶対にこっちの世界の私が居るはずだから、ここに戻ってきたの」と言った。そんなパーマとしのぶの会話を聞いていたあたるが  「しかし、ずっとここに居る訳にもいかないよな?かと言って行くあても無い」と言うと、面堂が  「それなら僕にあてが有る」と言って、みんなに  「僕の後について来てくれ」と言うと、歩き始め、みんな面堂の後をゾロゾロとついて行った。  一方、一人残されたラムは雨の中ずぶ濡れになりながら、ランの宇宙船に向かっていた。ラムはランの宇宙船に着くと  ピンポーン ドアの横にあるボタンを押した。ラムは少し待ったが中からは何の気配も無い。ラムは  「こんな時間だし、ランちゃん寝ちゃってるっちゃね」と言いながらも  「でも、寝てるなら起きるまでチャイム鳴らすっちゃ。ウチはのんびりなんてしてられないっちゃ」と言い、ボタンを何度も押した。  中では、ラムのチャイムにいい加減目を覚ましたランが時計を見ると、夜中の1時過ぎだった。ランは  「一体、何処のどいつじゃ……こんな時間に」と言うと、モニターのスイッチを押した。するとそこにはボタンを押しまくるラムの姿が有った。ランはボタンを押しまくるラムの姿に怒りが込み上げ  「じゃかぁしぃわぁ!!!ラム!おんどれ、今何時だと思うとるんじゃ!!!」とマイクに向かって怒鳴った。その声は、外に居るラムにもスピーカー越しに聞こえて来て、ラムは  「あ、ランちゃん。やっと起きたっちゃ」と言った。それを聞いたランは  「あれだけチャイムを鳴らされれば、誰でも起きるわい!で、こんな時間に何の用じゃ」とラムに聞くとラムは  「緊急事態だっちゃ、だからランちゃん中に入れて欲しいっちゃ!詳しい話は中でするっちゃ」と言った。ランは  「ほな、開けるさかいちょっと待っとれ」と言うと、ランはドアの所へ行きドアを開けたが、ラムを見て驚いた。頭から足の先までびしょ濡れだったからだ。ランはそんなラムに  「ラム、お前どないしたんや?そんなびしょ濡れで……ちょっと待っとれ」と言うと、奥からタオルを持って来てラムに渡した。ラムはタオルを受けとると  「ランちゃん、ありがとう」と言って体を拭くと中に入った。ランは、ラムを中に入れると  「で、緊急事態とはどう言う事じゃい」と言い、紅茶を淹れた。ラムは、あたるのドッペルゲンガーが現れて、調べたらピグモンの前に空間の歪みが発生していた事、ラムが過去にタイムスリップして空間を閉じる為に機械を設置した事、サクラに呼ばれてピグモンの前に行ったら空間の歪みが拡がっていて、機械を確認したら一台がずれていて電磁パルスがちゃんと照射されていなかった事、そして最後にラム以外のあたるを含む全員が向こうの世界に行ってしまったらしい事を、説明した。ランは、黙ってラムの話を聞いていたが、一通り話を聞くと  「ふぅ〜ん、話は分かったけどぉ、どうして私の所にきたの?」と言った。ランは紅茶を飲んだせいか落ち着きをとりもどしていた。ラムは  「う、うん。ランちゃんは、レイに会いに行くとき異空間を抜けて行くから、ランちゃんなら何か解決法知ってるかなぁって」と言うとランは  「まずは、ダーリン達をこちらに戻す方法を考えないとね」と言うと、奥から何か機械を持って来て  「ほなラム!行くで」と言ってドアを開けると、もう雨はあがっていた。ラムとランは、暗闇の中を喫茶店ピグモンに向かった。やがて、ピグモンの前までくるとランは  「ここやな?」と言うと、ラムとは違う機械で空間の歪みを調べた。するとその機械を見ながらランは  「!!な、なんやて?こんな数値あり得へんで!」と言った。ランの驚き様にラムは  「え?ランちゃん、どうしたっちゃ?」と聞くと、ランは  「この空間……えらい事になっとるで」と言うとラムは  「えらい事って?」と更にランに説明を求めると  「このままじゃ、2つの世界の境界が無くなってまうで……」と言った。ラムは、それが何を意味するか良く分からず  「境界が無くなってしまったら、どうなるっちゃ?」とランに聞くと、ランは  「恐らく、両方の世界は消滅してまうやろうな……」と言った。それを聞いたラムはがく然として  「そ、そんな……何か、何か元に戻す方法って無いっちゃ?」と言うとランは  「それには、この歪みが拡大した理由が分からんと無理や……」と言った。するとラムは、慌てて  「それなら、ウチの設置した機械が暴走したせいだっちゃ!」と言ったが、ランは  「いや、それはただのきっかけや。歪みが拡大した理由は他に有るはずや」と言った。するとラムは少し考えて、ハッとして  「もしかすると……サクラが言ってたっちゃ、ここでチェリーとやり合ったって」と言った。  拡がり続ける空間の歪み。2つの世界に迫る危機。空間の歪みを閉じる方法は有るのか。         to be continue