うる星やつらーアナザーワールドー       エピソード 7  ラムは教室に入り、面堂達の所にへ行くと  「終太郎達も戻れたっちゃね?良かったっちゃ」と言うと、ニコリと笑った。その笑顔に面堂とメガネは一瞬で心を奪われ、面堂がすかさず  「なんて素敵な人だ。あなたの様な人がこの学校に居た事に気づかないとは、なんたる不覚」と言うと、しのぶは  「ちょっと待って面堂さん、この娘、今面堂さんの名前言ってたし、何だか私達の事を知っている様な口振りだったわ」と言ったが、今度はメガネが  「おぉ!あなたはこの退屈な高校生活に射した一筋の光だ。そう、あなたはこの荒廃した学校と言う牢獄の中にひっそりと、しかし目映い光を放つ1輪の花だ。僕は、ずっとあなたを待って居た様な気がする!」と言った。そんな3人の反応を見たラムは  「え?どうしたっちゃ?終太郎も、メガネさんも」と言うと、再びしのぶが  「やっぱり変……」と言うと、ラムに向かって  「あなた、私達の事知っているみたいだけど……どう言う事?そもそも、あなたは誰なの?」と言った。するとラムは  「何言ってるっちゃ、しのぶも変だっちゃよ?」と言った時、ラムの背後から  「あ!君はこの前商店街で会った……」と声がして、ラムが振り返るとそこにはあたるの姿が有った。ラムは、あたるをみるとすぐに抱きついて  「ダーリン!良かったっちゃ、もし戻れなかったらどうしようかと思ったっちゃ」と言った。それを見た、面堂が  「諸星!貴様、その女性とどう言う関係だ!」と言い、続いてメガネが  「あ、あ、あたる!お、お前、なんでその娘と」と言った。そして、しのぶは少しうつむいて黙っていたが、やがて静かに  「あたる君……それ、どう言う事?」と言うと、顔を上げ怒りに満ちた表情で  「私と言う彼女が居ながら、私の目の前で抱き合うって、どう言う事よーー!」と叫んだ。あたるは、ラムに抱きつかれてだらしなくニヤニヤしながら  「どうやら、こう言う事らしい」と言うとラムを抱き締めた。その瞬間ラムは  (え?ダーリンがウチの事を……いつもなら無理矢理にでも離れようとするのに……それに、しのぶもダーリンの彼女って……)と思いあたるの顔を見て確信した  (このダーリン……もう一人のダーリンだっちゃ!)と思うと、面堂、しのぶ、メガネを見て  (ま、まさか、この3人も?)と思った。ラムはすぐにあたるから離れると  「ご、ごめんだっちゃ!ウチ、急用を思い出したっちゃ」と言うと、教室を飛び出した。教室を出て行くラムに向かって面堂が  「あ、ちょっと待って下さい!聞きたい事が……」と言ったが、ラムは飛び去ってしまった。しのぶは、あたるに詰め寄り  「さぁ、あたる君!どう言う事か説明してちょうだい!」と迫った。あたるは、しのぶの迫力に圧倒されながらも  「い、いやぁ前に商店街で会っただけで名前も知らないんだよ」と言うと、ニヤニヤと笑いながら  「モテる男は辛いねぇ」と言うと、あきらかにラムに好意を抱いていた面堂に向かって  「なぁ、面堂君」と言うと、突然  「この、浮気もんがぁーー!!」と、しのぶが叫びながらあたるに机を投げつけ、その机があたるに直撃した。それを見て面堂は  「ふん、自業自得と言うやつだな」と鼻で笑ったが、内心は穏やかでではなく  (なんで、あんな素敵な人が諸星なんかに!僕の方が、顔も頭も財力だって遥かに上だと言うのに、あの人は僕には見向きもしなかった!)と思った。  一方ラムは、教室から抜け出すと  「驚いたっちゃ、まさかみんな入れ替わってるなんて……でも、竜之介は普通みたいだったっちゃ。と言う事は、あそこで消えてしまった人だけ入れ替わったって事だっちゃ?」と言うと、一目散にランの教室に向かった。ランの教室の2年7組に着くと、ラムは教室の中を覗き込んだがランの姿は無く、教室の生徒に聞くと今日は登校していないとの事だった。ラムは急いでランの宇宙船に向かう事にした。  その頃、もう1つの世界のあたる達は、サクラの家で朝食を食べていた。あたるがガツガツと食事をしていると、それを見た面堂が小さな声で  『ガツガツと下品な食べ方をしおって』とボソっとつぶやいた。それを聞いたあたるが  「ん?面堂、何か言ったか?」と面堂に聞くと、面堂は  「いや、何も言っとらん」と言い、心の中で  (なんと言う地獄耳だ)と思った。  あたるは、早々に食事を済ますと  「さてと、出掛けるとするか」と言った。あたるの言葉に、その場に居た全員が一斉にあたるの方を向き、言葉を失った。そんな中、面堂が  「諸星!貴様、どこに出掛けるつもりだ!」と言うと、あたるは  「ん?ちょっと街に出て、ガールハントでもしようかと」と言ったが、すかさずメガネが  「あたる!お前、何考えてるんだ!迂闊に街に出て、もしもう一人のお前に出くわしでもしたら……」と言ったが、あたるは  「今日は平日だろ?この世界の俺はどうせ学校だし、街で会う事なんてありゃせんわい」と言って、更に  「それに考えてもみろ、この世界にラムは存在せんのだ、俺が女の子にチョッカイ出してもラムに電撃を喰らわされる心配は無い!俺は何の心配も無く、女の子に声をかけられる。そう、誰にも邪魔されずにガールハントが出来るのじゃ!こんなチャンス、2度と訪れんかも知れんのだぞ!絶対に逃してたまるか!」と言った。そんなあたるを見て面堂は  「こんな時に貴様は!」と言ったが、あたるは  「アホ!こんな時だからこそじゃ」と言って、部屋を出て行った。それを見て面堂はサクラに  「サクラ先生、諸星をこのまま行かせていいんですか?」と問いかけるとサクラは  「うむ……確かに諸星が言っていた様に、この世界のお主らは学校に行ってるはずだから、街まで出てしまえばもう一人に出くわす可能性は少ないだろうな」と言った。しかし、しのぶは  「でも、可能性は0じゃないですよね?もう一人の自分と対峙したらどうなるか分からないんでしょ?だったら、引き止めるべきですよ」と言って、あたるの後を追ったが、あたるは既にサクラの家から出て行った後だった。  あたるは、街に出ると手当たり次第に女性に声をかけて回った。断られても、断られても、全くめげる事もなく。そして、23人目にあたるは  「かーのじょ。お茶しなぁい?」と声をかけると、相手の女性は  「おごりなら、付き合ってもいいわよ」と言った。あたるは、すかさず  「おごる、おごる、何でもおごったゃう」と言うと、女性と近くの喫茶店に入った。喫茶店の中で、女性と話していてもあたるの頭の中にはラムの姿がちらついた。あたるは  (何でラムの事ばかり頭に浮かぶんだ!せっかく可愛いおねぇちゃんと楽しくお茶してるのに……)と思うと、グラスに入っているコーラをストローで、カラカラとかき回した。そして、ストローを回してる手を止めると  (楽しくお茶?……こんな可愛いおねぇちゃんと一緒に居るのに、全然楽しくない……何故だ?)と思い、フッと面堂の言った事を思い出した。  『恐らく、向こうの世界には、ラムさんは存在しない……』  あたるは、本当にこちらの世界にラムが存在しないのか確認しなくては気が済まなくなり、テーブルの向かいに座っている女性に  「ごめん、俺、急用思い出して」と言うと、立ち上がった。すると女性は  「え?何?」と訳が分からない様子だったが、あたるは  「俺、帰るから君はゆっくりしてって」と、言うとサッと伝票を取り会計を済ませると、忙しく喫茶店を出て行った。残された女性は  「な、何なのよーー!」と叫んだ。  あたるは、急いで自宅に向かった。家に着くと、あたるは勢い良く玄関を開けて中に入った。玄関では、ちょうどあたるの母が掃除をしていて、いきなり入って来たあたるに驚き  「あ、あたる!どうしたの?そんなに慌てて、って学校はどうしたの?」と叫んだが、あたるは質問には答えず、階段を駆け上がって行ってしまった。あたるは自分の部屋に入ると、押し入れを開けた。しかし、押し入れの中には布団が入ってるだけで、ラムの痕跡1つ無かった。あたるは部屋中をくまなく調べたが、やはりラムの居た痕跡は何一つ見つからなかった。あたるは急いで下に降りると、掃除をしている母に  「かあさん」と声をかけた。するとあたるの母は  「あたる、お前、学校どうしたの!」と言ったが、あたるは母の質問には答えず  「あのさぁ、地球の運命を賭けた鬼ごっこの事なんだけどさぁ」と聞くと、あたるの母は  「え?地球の運命?鬼ごっこ?」と訳が分からない様子だった。あたるは、そんな母に  「ほら、宇宙人が地球侵略に来て鬼ごっこで勝負をつけようって」と言うと、あたるの母は  「は?宇宙人?地球侵略?あたる、あなたどこかに頭ぶつけたんじゃないの?」と言うと、あたるの頭を確認し始めた。あたるは  「いや、何でもない、もういいよ」と言うと、家を出て行った。  家を出たあたるは、仕方なくサクラの家に戻る事にした。あたるは帰る途中で  (この世界では、そもそも鬼ごっこが無かったのか……それじゃぁ、ラムが居るはずがない。面堂の言うとおりに、この世界にはラムは居ないのか)と思った。その頃学校では、温泉マークが体育用具室に隠れていた。もちろん、あたる達同様にこちらの世界に飛ばされた温泉マークである。温泉マークは、こちらの世界に飛ばされてから、こちらの世界の自分を見て只ならぬ雰囲気を感じてずっと隠れていたのだ。今日も隠れながら様子を見ていたのだが、突然用具室のドアが開き  「先生!こんな所で何やってるんですか」と声がして、温泉マークが振り返ると、そこには花輪先生が立って温泉マークを見ていた。温泉マークは  「え?あ、は、花輪先生!何でこんな所に?」と言うと、花輪は  「先生こそ、こんな所で何してるんですか!先生が教室に行かないから、いつまで経っても授業が始まらないと大騒ぎですよ」と言うと、温泉マークの腕を掴み強引に体育用具室から引っ張り出した。温泉マークが  「え?私が教室に居ないってどう言う事ですか?」と花輪に聞くと、花輪は  「え?先生何を言ってるんですか、先生があんな所に居れば教室に居ないのは、当たり前じゃないですか」と言うと、温泉マークを教室まで引っ張って行った。教室に入った温泉マークは、教室の中を見て驚きを隠せなかった。その訳は、全員席に着いていた事だった。その光景に感動した温泉マークは  「お、お前ら……」と言うと、込み上げてくる涙をこらえて  「では、出席を取る」と言って見渡すと、あきらかに数人居ない。それは、あたる、ラム、面堂、しのぶ、メガネ、パーマ、カクガリ、チビ、竜之介の9人だった。温泉マークは  「あいつら……」と言うと、出席名簿に9人の欠席を書き込み始めたが、最後にラムと竜之介の欠席を書き込もうとした時、温泉マークは我が目を疑った。なんと、ラムと竜之介の名前がどこにも無いのだ。温泉マークが生徒の一人にラムと竜之介の事を聞くと、そんな生徒は知らないと言われてしまった。温泉マークは、戸惑いながらも  「で、では、授業を始める」と言って授業を始めた。  やがて授業が終わると温泉マークは、職員室で他の先生にラムと竜之介の事を聞いたが、誰も知ってる人は居なかった。  昼休みになっても、居なかった9人は登校して来なかった。温泉マークは、何か起きたと思い、サクラに相談しようと保健室に行ったが、保健室に居たのは全く違う先生だった。それを見た温泉マークは保健室を出て、サクラの家に出向いた。    あたるがサクラの家に着くと、入り口付近でウロウロしてる人影が有る。それは、特徴のある服装で一目見て、すぐに誰だか分かった。あたるは  「おい、そんな所で何やっとんのじゃ?」と声をかけると、それはサクラの家に訪ねてきた温泉マークだった。サクラの家に来たのはいいが、中に入るに入れずにいたらしい。あたるに声をかけられた温泉マークは  「も、諸星!お前、学校にも行かずこんな所で何しとるんだ!」と言うと、あたるは  「何って、貴様こそこんな所で何しとるんじゃ」と言った。すると温泉マークは  「お前、教師に向かってなんちゅう言葉使いだ!」と言い、更に  「いや、実はサクラ先生に用事が有って来たのだが、なかなか中に入れなくてな」と言うと、情けなく笑った。しかし、あたるはそんな温泉マークの心情など耳に入らなかった。それと言うのも温泉マークの言った言葉が引っ掛かったからだ。あたるはすかさず  「おい!今、サクラ先生と言ったか?」と温泉マークに聞くと、温泉マークは  「ん?あ、あぁ、言ったが……それが何か……」と、たどたどしく聞き返すと、あたるは温泉マークの手を引っ張り、強引にサクラの家の玄関に入り  「おーい!誰かー!」と叫んだ。すると、奥からサクラを始め、面堂、しのぶ、メガネ達4人組が出て来て、サクラが  「なんじゃ、騒々しい」と言ったが、あたるを見て  「ん?なんだ帰ったのか」と言うと、あたるの後ろにいる温泉マークを見て  「先生ではないか、一体どうしたと言うんじゃ」と言った。そして温泉マークが答えようとすると、温泉マークより先にあたるが  「こいつ、向こうの温泉だ」と言った。それを聞いたサクラ達は驚き、メガネが  「あたる、何故そいつが向こうの温泉だと判るのだ?」と聞くと、あたるは  「こいつは、さっきこの家の玄関の前でウロウロしておったのだが、俺が何してるか聞いたら、なんと!サクラ先生に会いに来たと言ったのだ!」と言うと、チビが  「それがどうしたんだよ」と聞き返すと、メガネが  「アホ、ゆうべピグモンの前でサクラさんから聞いただろうが」と言い、つづいてパーマが  「あの時の温泉マークは、こっちの温泉マークだった。そして、サクラさんの聞いた話だと、こちらの世界ではサクラさんは教師じゃないらしいと言っていた」と言うと、しのぶが  「つまり、こちらの温泉先生ならサクラさんの事を先生とは言わないって事でしょ?だから、サクラ先生と言ったこの温泉先生は、私達と同じ向こうの世界の先生って事よね?」と言うと、あたるは  「そう、こいつは間違いなく俺達の世界の温泉だ」と言った。みんなの話を聞いていた温泉マークは、何が何だか分からず  「お、お前達、何の話をしている」と疑問をぶつけた。しかし、誰も温泉マークの質問には答えず、サクラが  「お主、今まで何処におったのじゃ?」と温泉マークに聞くと、温泉マークは  「いや、実は信じて貰えないと思いますが、この町には、もう一人の私が居るのです。私のアパートに、もう一人の私が居て私は怖くなり、学校の体育用具室に隠れて居たんです」と言ったが、面堂が  「では、何故出てきた」と問い返すと温泉マークは  「俺だって好きで出てきた訳じゃない、花輪先生に無理矢理に用具室からひきづりだされ、教室に連れて行かれたんだ」と言うと、更にサクラに  「花輪先生の話では、もう一人の私は今日は学校に行ってないらしいのですが……」と言った時、何かを思い出した様に  「あ!そう言えば、お前達何で学校にも行かずにこんな所に居るんだ!」と言った。するとサクラが  「ちょっと待て、お主今こやつらが学校に行ってないと申したか?」と温泉マークに聞くと、温泉マークは  「はい、ここに居る9人……あれ?1、2、3、4、5、6、7と一人一人指を指して数えると、ラムくんと、藤波はどうした?」と言った。あたるは温泉マークに  「ラムは、こちらの世界には存在しない……竜ちゃんは、分からないな」と言った。すると温泉マークは  「さっきから、こっちの世界だの向こうの世界だの、何の話なんだ」と聞いた。その質問にはサクラが  「実はな、今我々が居る世界は本来我々が居た世界とは別の世界なのじゃ」と答えると、温泉マークは益々混乱して  「え?それはどう言う事なんですか?」とサクラに聞いた。サクラは  「早い話が、パラレルワールドと言うやつじゃな。我々の世界とは違う時間の流れの別の世界じゃ」と言うと、面堂が付け加える様に  「つまり、この世界にはこの世界の僕達が居る訳です。本来は、決して交わる事の無い2つの世界が、今は繋がっていて何かの原因で僕達は、こちらの世界に飛ばされたんですよ」と言ったが、温泉マークは  「そんなバカな!飛ばされたって……俺は何も感じなかったぞ」と面堂に言うと、面堂は  「飛ばされても、実感は無いんです。現に僕達も飛ばされた時は、何も感じませんでしたからね」と言った。温泉マークは面堂の話を聞いても、まだ信じられないようすだった。その時あたるが  「そんな説明よりも、こっちの世界の俺達が学校に行ってないのは、おかしくないか?」と言った。それを聞いたメガネも  「確かにな、誰か一人ならともかくここに居る全員となると、話は別だ」と言い、パーマは  「学校に行ってないと言う事は、こっちの世界に居ないと考える方が自然では?」と言った。その時しのぶが  「でも、学校に行ってないのはここに居る人の他にも居るのよね?ラムはともかく、竜之介君が居ないのはどうして?」と言うと、温泉マークが  「それなんだが……藤波も、ラムくんも、名簿に名前が無かったのだ」と言った。それを聞いたあたるは  「実は、さっき家に行ってみたんだが……」と言うと、面堂が  「なんだと!こんな状況で家に行くなんて、貴様はどこまで……」と言いかけたが、サクラが  「まぁ落ち着け面堂、とにかく諸星の話を聞こうではないか」と言ったので、面堂もあたるの話を聞く事にした。あたるは、話の続きを話し始めた。  「俺は、とにかく家に帰って自分の部屋を調べたんだが、ラムの居た痕跡は何一つ無かった。それで親に聞いてみると、なんと、この世界では地球に鬼族、つまりラム達は侵略には来ていないらしい。だからあの、俺とラムの鬼ごっこも無かったって訳だ」あたるが一通り話すと、面堂が  「だから、この世界にラムさんは存在せんのか……しかし、竜之介さんはどう言う事だ?」と言った。するとサクラが  「もしかすると竜之介の場合は、ただ単に友引高校に転校して来て居ないだけかもしれんな」と言い、温泉マークも  「なるほど、それなら名簿に名前が無かったのも納得できますね」と言った。そして、それまで黙って話を聞いていたしのぶが  「すると、こっちの世界の私達は向こうの世界に居るって事?」と言うと、メガネが  「恐らくな……」と言い、続けてあたるが  「だったら、俺達も自分の家に帰った方がいいのか?」と言った。するとサクラが  「うむ、そうなるな」と言った。そしてチビが  「も、もしかして、俺達もう元の世界にもどれないのか?」と言うと、カクガリも  「俺達は、完全に入れ替わってしまっているみたいだからな」と言った。しかしサクラは  「希望は捨てるな、向こうの世界ではラムが元に戻す方法を探しておるだろう。今は、ラムを信じて待つしかない」と言った。サクラの言葉を聞いて、あたるは  (ラム……俺達の運命は、お前にかかってる。頼むぞ)と心の中で祈った。  刻一刻と迫る破滅の時。しかし、それを知るのは僅かな人間だけ。そんな中で、ラムは破滅を食い止める為、奔走する。           to be continue