〔ザット・クレイジー・サマー〕 第十話 朝である。 メガネ(すごい夢だったなあ…それにしてもどうすっかな〜) まだラムが気付いたことを知らない。 朝である。 ラム(まさかダーリンが・・・妨害しかないっちゃ) こちらは武力闘争の模様。 朝である。 面堂(今日で、今日できっとゴールにたどり着く!そしたら…そしたら…) あたる(ぐふふふ・・・しのぶやサクラさんとデートデート!) だめだ、全く何にも考えていなかった。 メガネ「お、パーマ、おはようさん」 パーマ「ん」 メガネ「なんかアイデアあるか?」 パーマ「アイディア?なんの?」 メガネ「(絶句)あの、なんの、って……。きまっとろうが!     あたると面堂の件だよ、その件。」 パーマ「悪いがない」 メガネ「…そんなはっきり言わんでもよかろ〜が、まったく。ちょっとは考えてくれよ」 パーマ「じゃあお前はなんかあんの?」 メガネ「ない」 パーマ「それじゃ〜人のこと言えないんじゃないの?」 メガネ「…………………。…いや!」 パーマ「いや?」 メガネ「今日日曜だよな?!」 校長「それでは第六日目を…おや?面堂君と諸星君だけですねえ……     ほかの人は後方ですか?」 パーマ「いや…校長…棄権したんです、棄権。」 校長「棄権?それはまたどうして」 パーマ「なんでも、面堂君のとこの軍隊に攻撃されまくってうんざりなんですって」 校長「まさかこの二人以外全員?」 パーマ「ええ…」 校長「弱りましたね…これじゃせっかくの暇つぶしが…あ、いえ何でもありません、ところでメガネ君は?」 パーマ「……ちょっと出かけています」 パーマ(えーーーー、これって校長の暇つぶしだったの?) そのメガネは…なんか暗ーいところで密談中。 メガネ「とにかく、一刻を争うんです… ですから、ただあなたは自転車を漕いで漕いで漕いで、力振り絞って漕いで漕いで………     え?報酬?追って相談しましょう、それは。とにかくさっさと………『えー?』じゃありません!おい!     ……とにかく連れてって差し上げろ!車にいますぐ!」 トレンチコートとサングラスのいでたちカクガリとチビ現れる。 メガネの話し相手を車まで両肩に担いで… チビ「おもいよ〜〜〜!」 ……引きずって黒い車に乗せた。 メガネも乗る。 メガネ(たとえ火の中水の中、疑われようとラムさんのために尽くすおれ、おれ、俺って…)     「キャー、メガネサンカックイイー!」カーッカッカッカッカッカ… チビ(こわいねえ、カクガリ) カクガリ(ああいうのが犯罪に走るんだよ) チビ(こういうのも非行少年にカウントしたほうがいいんじゃないの?) カクガリ(そうだな、いっそもう前もって監獄にでもぶち込もうぜ) チビ(さんせい) 一方レースは… ラム「終太郎ー!ダーリン!取引はやめるっちゃーー!」 あたる「ん、なーんの事か俺にはさっぱり」 ラム「証拠は上がってるっちゃ!大人しくしないと……」 ラム「さーん!」 あたる「あわわわわ…どうした?面堂?自転車から降りて、お前まさか…」 ラム「にいー!」 面堂「諸星…これも目的達成のためだ……わかってるな?」 ラム「いーち!」 あたる「やめろ!」 ラム「ぜろ!てーんちゅーうっ!」 あたる「あばばばばばば・・・おのれ面堂、俺を盾にするとは、武士の風上にも置けんやつだな」 面堂「何を言う、ちゃんとルールにのっとってやってるんだぞ。もっともルールには『何をやってもいい』と…あ、ラムさん…?」 ラム「くーっ、終太郎!ダーリンを盾にするなんて許さんっちゃ!てんちゅうー!」 ビビビビビ! ラム「へ、効かない……もう一回…てーんちゅうー!」 ビビビビビビビビビビ! あたる「なんでおまえ効かんのじゃ!」 面堂「ふっ、これぞ面堂家の英知を結集した技術!実は自転車には特殊なアース線がついていて…」 ばこっ! 面堂「痛いぞ!」 あたる「なにをいうか!そんなもん持っときながら何でおれを盾に……」 舞台は本部に戻る。 メガネ「………しんじて、信じてもらったのか……くうーっ!不肖メガネ、この感激をいっしょ」 パーマ「しかし電撃が効かんとなるとこりゃ大変だぜ。お前の作戦ホントにうまくいくのか?」 メガネ「当ったり前だ!あのハングリー精神にゃ恐れ入るよ。」 夕方。 いよいよゴール間近、 「あーたーるー………お前わかってるだろうな…」「面堂を追い抜かんか!」「漕げーっ!力の限り、漕げーっ!」 あたる「そっかー、みーんなおれに賭けてるんだったっけ。まぁいいや、もうすぐで…」にゃはははは 「なーにがおかしい!」 あたる「いって、ビンを投げんでもよかろうが!」 刻一刻と迫るゴール。 「どけ、どかんか!こうなったらおれたちで面堂を妨害するぞ!」 黒メガネ「おやめください!」「通しませんよ!」 「にゃろ〜、面堂の手先め!」 あたる「いて、いてっ、いてっ・・・でもこの痛さに耐えたら……」 メガネ「頼む頼む頼む頼む頼む…スピードはあるんだ…スピードは…あと一分あれば……」 パーマ「でもよモニターを見る限りもうこりゃ追い抜けそうにないぜ!」 メガネ「何をぬかすか、ヤキュウハ九回ウラノつーあうとカラッテイッテルデショ!」 しのぶ「男なんか…」 ラム「もうっ、まったく効かないっちゃ〜〜〜!」 心なしか強い風が吹いた。面堂がゴールに… 面堂「やったやったやったーーーーー!」 あたる「よくやった面堂ーー!」 群衆「あたる、このやろうーーーーー!」 ラム「こんなの許さないっちゃーーー!!!」 到達した。 面堂「勝った!」 あたる「デートじゃ!」 群衆「なけなしの小遣いが!」 ラム「ダーリンのバカ!」 校長「いやー…なにはともあれ」 パーマ「まだです!」 カクガリ「校長、お待ちください。」 チビ「これから、えーっと、」(メガネなんだっけ?) メガネ「写真判定を行ーーーーーう!」 面堂「へ………………?」 メガネ「写、真、判、定!」 =次回予告= 明白な勝負がついたかに見えたレース。 しかし、写真判定の末に待っていたのは…? 次回、第十一話であうっちゃ!