若社長VSヒラ社員 (Page 1)
Page: 01
02
―15―
メガネ「あ〜そろそろ食ったし、飲んだし、帰るとするか。」
パーマ「そ〜だな。眠いし。」
全員ぞろぞろと店を出る。あたると面堂のみレジで話し込んでいる。
肩を軽くたたいてさとすように、話しかけるあたる。
あたる「…な〜だからな、面堂お前、社長だろ?社長なら社員は子供同然だろうが、
おごってやるのも親の責任だぞ?
ラムやしのぶに太っ腹なところを見せるチャンスじゃないか?」
終太郎「…ん〜そうだな…」
あたる「それじゃ、俺が手伝ってやるよ」
半分寝ているような若社長に返事も聞かず、勝手に財布を取り出し若社長が持っている無制限の
面堂家プラチナカードを取り出し店員に渡すあたる。
この天下無敵のカードがあるからこそ、食い物を投げようが、部屋を壊そうが何度でも来られるのである。
店員「毎度どうも!!」
カードを受け取り若社長の内ポケットへ財布ごと返すあたる。
あたる「ほら、返すぞ面堂。落とすなよ。」
終太郎「…ん〜」
2人して店を出るとみんなは、3次会に行くかどうか話していた。
コースケ「帰り途中まで付き合え。ラーメンでも食おうぜ。
明日になったらお前ら、すっかり忘れるかも知れんけど、新しいプロジェクトの事まだ、話してなかったし。
しのぶ達はどうする?」
しのぶ「付き合いたいけど遅いから帰るわ。
それに竜之介くん酔っちゃって一人じゃ、あぶなくて無理よ。送っていかないと…」
あたる「は〜い、しのぶ〜♪。
竜ちゃんは俺が間違いなく、責任を持って友引高の購買部へ送っていくから…」
コースケ、メガネ、パーマ、カクガリ、チビ。すぐさま、あたるを木槌でぶん殴る。
ラム「よけい、あぶないっちゃ!!」
メガネ「お前にはもっと責任重大な事を命令する。アレを家まで送っていけ。」
アレ…。半分目がすわって足取りが、どこかあぶなっかしい状態の若社長である。
あたる「え〜なんで?」
コースケ「お前、ここの支払いで面堂のカード勝手に使ったろ?
それくらいやっとかないと、ほんとにクビになるぞ?」
あたる「しのぶ〜ラム〜一緒に帰ろうぜ〜」
まだ、駄々をこねるあたる。
しのぶ「ダメよ、私はラムと竜之介くんを送っていくんだから。」
ラム「ウチもだっちゃ?」
しのぶ「私一人で送るのはちょっとね。だから手伝って。」
ラム「わかったっちゃ。しのぶ一人で無理そうだっちゃからね。
ダーリンの方はあきらめて終太郎を送っていくっちゃ」
コースケ「じゃあ、みんなまたな〜!!」
コースケ達は右に、しのぶたちは左に分かれていった。
あたる「俺一人でどうしろと言うんじゃ???」
―16―
軽くため息をつくあたる。
あたる「しょ〜がないな…お〜い黒メガネ!!近くにいるか〜面堂の護衛の黒メガネ〜!!」
しかしあたるの呼びかけに答えて出てくる黒メガネはいなかった。
あたる(う〜ん、いつもお守りで影ながらくっついているはずのあいつら、
今日は飲み会だから遠慮したみたいだな…困ったな…)
こうなったら本当に面堂の家まで送っていくしかない。
あたる「ほら、行くぞ面堂。少し歩いて酔いを覚まして、タクシー捕まえられたら、乗せてやるから。」
通沿いをゆっくり歩いていく2人。
繁華街なので、通りはまだ騒がしく、同じように千鳥足ですれ違うサラリーマンも多い。
肩が他の人にぶつかりそうになるのを、避けてヒラ社員は若社長をひっぱり歩いていく。
あたる「あ〜コンビニでも寄ってアイスでも買おうかな…」
独り言のようにつぶやくあたる。それに答えるように話す若社長。
終太郎「…もう歩くの疲れた。」
あたる「…疲れたか?でもそんなにまだ、歩いてないぞ。とりあえずコンビニのあるところまでガンバレ。」
終太郎「…わかった。僕もアイス食べたい。」
それからしばらく2人は黙ってゆっくり歩いていたが、あたるが面堂に呼びかけた。
あたる「…なぁ、新しいプロジェクトの事、これからの将来的なシュミレーションって言ってたよな。
…とするといずれは宇宙規模で流通貿易を…そしたらますます面堂財閥は発展していくよな。
面堂〜そんなに儲かっていくんなら給料上げてくれよ。俺は今月金欠なんだ。
まあ自慢じゃないが、今月だけって言うこともないけど…」
終太郎「…諸星…僕は以前から聞いてみたいことがあったんだがな…」
そこまで言って黙ってしまう。
あたる「何だ?改まって?…言ってみろよ?」
何だか面堂は真剣な顔をしている。そしてやっと口を開いた。
終太郎「…諸星…台所の流し台の所に熱いお湯を流すとベコンって音がするのは、なんでだろう〜な〜?」
予期していなかったセリフに、俺は道端に突っ伏した。しかしすぐはね起きて、面堂をしめ上げる。
あたる「…お前…寝てるだろ?…起きてるふりしてお前、頭の中、寝てるだろ?」
終太郎「何を言ってる。僕は寝てない、変な言いがかりやめないか。」
あたる「ウソだ、絶対ウソだ。」
終太郎「ウソじゃない。」
Page 2
戻る
Page: 01
02