若社長VSヒラ社員 (Page 1)
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メガネ「あ〜そろそろ食ったし、飲んだし、帰るとするか。」

パーマ「そ〜だな。眠いし。」

全員ぞろぞろと店を出る。あたると面堂のみレジで話し込んでいる。

肩を軽くたたいてさとすように、話しかけるあたる。

あたる「…な〜だからな、面堂お前、社長だろ?社長なら社員は子供同然だろうが、

おごってやるのも親の責任だぞ?

ラムやしのぶに太っ腹なところを見せるチャンスじゃないか?」

終太郎「…ん〜そうだな…」

あたる「それじゃ、俺が手伝ってやるよ」

半分寝ているような若社長に返事も聞かず、勝手に財布を取り出し若社長が持っている無制限の

面堂家プラチナカードを取り出し店員に渡すあたる。

この天下無敵のカードがあるからこそ、食い物を投げようが、部屋を壊そうが何度でも来られるのである。

店員「毎度どうも!!」

カードを受け取り若社長の内ポケットへ財布ごと返すあたる。

あたる「ほら、返すぞ面堂。落とすなよ。」

終太郎「…ん〜」

2人して店を出るとみんなは、3次会に行くかどうか話していた。

コースケ「帰り途中まで付き合え。ラーメンでも食おうぜ。

明日になったらお前ら、すっかり忘れるかも知れんけど、新しいプロジェクトの事まだ、話してなかったし。

しのぶ達はどうする?」

しのぶ「付き合いたいけど遅いから帰るわ。

それに竜之介くん酔っちゃって一人じゃ、あぶなくて無理よ。送っていかないと…」

あたる「は〜い、しのぶ〜♪。

竜ちゃんは俺が間違いなく、責任を持って友引高の購買部へ送っていくから…」

コースケ、メガネ、パーマ、カクガリ、チビ。すぐさま、あたるを木槌でぶん殴る。

ラム「よけい、あぶないっちゃ!!」

メガネ「お前にはもっと責任重大な事を命令する。アレを家まで送っていけ。」

アレ…。半分目がすわって足取りが、どこかあぶなっかしい状態の若社長である。

あたる「え〜なんで?」

コースケ「お前、ここの支払いで面堂のカード勝手に使ったろ?

それくらいやっとかないと、ほんとにクビになるぞ?」

あたる「しのぶ〜ラム〜一緒に帰ろうぜ〜」

まだ、駄々をこねるあたる。

しのぶ「ダメよ、私はラムと竜之介くんを送っていくんだから。」

ラム「ウチもだっちゃ?」

しのぶ「私一人で送るのはちょっとね。だから手伝って。」

ラム「わかったっちゃ。しのぶ一人で無理そうだっちゃからね。

ダーリンの方はあきらめて終太郎を送っていくっちゃ」

コースケ「じゃあ、みんなまたな〜!!」

コースケ達は右に、しのぶたちは左に分かれていった。

あたる「俺一人でどうしろと言うんじゃ???」

―16―

軽くため息をつくあたる。

あたる「しょ〜がないな…お〜い黒メガネ!!近くにいるか〜面堂の護衛の黒メガネ〜!!」

しかしあたるの呼びかけに答えて出てくる黒メガネはいなかった。

あたる(う〜ん、いつもお守りで影ながらくっついているはずのあいつら、

今日は飲み会だから遠慮したみたいだな…困ったな…)

こうなったら本当に面堂の家まで送っていくしかない。

あたる「ほら、行くぞ面堂。少し歩いて酔いを覚まして、タクシー捕まえられたら、乗せてやるから。」

通沿いをゆっくり歩いていく2人。

繁華街なので、通りはまだ騒がしく、同じように千鳥足ですれ違うサラリーマンも多い。

肩が他の人にぶつかりそうになるのを、避けてヒラ社員は若社長をひっぱり歩いていく。

あたる「あ〜コンビニでも寄ってアイスでも買おうかな…」

独り言のようにつぶやくあたる。それに答えるように話す若社長。

終太郎「…もう歩くの疲れた。」

あたる「…疲れたか?でもそんなにまだ、歩いてないぞ。とりあえずコンビニのあるところまでガンバレ。」

終太郎「…わかった。僕もアイス食べたい。」

それからしばらく2人は黙ってゆっくり歩いていたが、あたるが面堂に呼びかけた。

あたる「…なぁ、新しいプロジェクトの事、これからの将来的なシュミレーションって言ってたよな。

…とするといずれは宇宙規模で流通貿易を…そしたらますます面堂財閥は発展していくよな。

面堂〜そんなに儲かっていくんなら給料上げてくれよ。俺は今月金欠なんだ。

まあ自慢じゃないが、今月だけって言うこともないけど…」

終太郎「…諸星…僕は以前から聞いてみたいことがあったんだがな…」

そこまで言って黙ってしまう。

あたる「何だ?改まって?…言ってみろよ?」

何だか面堂は真剣な顔をしている。そしてやっと口を開いた。

終太郎「…諸星…台所の流し台の所に熱いお湯を流すとベコンって音がするのは、なんでだろう〜な〜?」

予期していなかったセリフに、俺は道端に突っ伏した。しかしすぐはね起きて、面堂をしめ上げる。

あたる「…お前…寝てるだろ?…起きてるふりしてお前、頭の中、寝てるだろ?」

終太郎「何を言ってる。僕は寝てない、変な言いがかりやめないか。」

あたる「ウソだ、絶対ウソだ。」

終太郎「ウソじゃない。」


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