若社長vsヒラ社員17&18 (Page 1)
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…悪口から発展した日本刀と木槌の軽めの戦いが過ぎた。
もっと広いところで、そしてアルコールが入っていなければもっと長く戦っていたことだろう。
あたる「…なぁ〜面堂、ちょ〜っと疲れんか?俺はコンビニ行ってアイス食いたいのだが…」
終太郎「いいだろう。…僕も何か冷たい物が食べたい。」
そこで俺たちは戦いをやめてコンビニへ行った。
面堂の方はアイスだけだったので、レジを通り、すぐ外にコンビニが用意して置いてあるベンチへ腰掛けた。
レジのところで天下御免の面堂家クレジットカードを出していたようで、
店の人に「現金にして下さい」等と言われていたようだったが…。
俺の方はチョコポッキーやポテトチップス等を色々選んで最後にアイスを購入して外へ出た。
見ると若社長の方は眠そうな顔で、アイスを食べずに律儀に待っていた。
あたる「お待たせ♪〜何だアイス食ってないのか?先に食べても良かったのに…」
終太郎「こんな人通りの多い道のそばのベンチで食べたくない。」
そんな会話のそばから、コンビニへ入っていく客がいる。
あたる「まぁ確かに…こんなところじゃ、ジロジロ見られるような感じがするな。
向こうに小さな公園があるからそこへ行くとするか?」
終太郎「公園?」
あたる「ほら、見えるだろ?小さな公園。」
あたるが指差した公園は本当に小さく、
公園を通り越して向こう側の道路まで見えてしまう、そんな児童公園だった。
あたる「あそこでもベンチぐらいあるだろ?行くぞ。」
横断歩道を渡って公園へ行く。入り口近くのベンチを見つけて腰掛ける。
あたる「眠気覚ましにこれやるよ。」
アイスクリームを食べている若社長にコンビニで買ったお菓子箱を破って一つ差し出すあたる。
終太郎「ガムか?」
あたる「まあ食ってみろ。庶民の味だけどな。」
終太郎「…庶民の味…?」
あたるから平べったい電車の切符のような、ガムのようなお菓子を受け取り口の中へ放り込んだ終太郎。
あたるが観察していると若社長は眉がゆっくり寄っていき、
顔が苦味虫を潰したような何とも表現しがたい表情となる。
終太郎「まずい!」
開口一番文句を言う若社長。
あたる「もっとよく噛んで味を染み出せるんだよ。」
終太郎「なんなんだ…これ?すっぱいし、むにゅむにゅする。」
あたる「むにゅむにゅか、面白い表現だな〜♪」
終太郎「だからなんなんだ?」
あたる「酢昆布(すこんぶ)だよ、こんぶにお酢をひたしたものだ。
まぁお菓子というより健康食に近いかもしれん」
終太郎「名前、そのまんまじゃないか?芸の無い名前。」
あたる「文句言うな、俺がつけた名前じゃない。」
終太郎「GODIBA(ゴディバ)のチョコレートか、クッキーの方が好きだ。買わなかったのか?」
あたる「そんな高級品コンビニにあるわけなかろ〜が、ぜ〜たく言うな。
とりあえずこのチョコポッキーでがまんしとけ。」
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若社長がもらったポッキーを、1本ずつ口に運んでいるのを見ながらコンビニの袋の中を見直すヒラ社員。
あたる「ジュース買うの忘れたな〜。面堂、俺コーラ買ってくるけど、お前もいる?」
終太郎「…お前がおごってくれるなんてな。珍しいこともあるもんだ。」
あたる「誰がおごると言った?」
終太郎「何だ、おごってくれるんじゃなかったのか?」
あたる「俺は金欠だと言ったろう。…って覚えてないか…
とりあえず俺はもう一度コンビニへ行くから、待っとけ。」
お菓子が入っている袋を面堂に預けて、道向こうのコンビニへ横断歩道を渡ってもう一度向かい、
コーラを買って、もと来た道を戻る。
そして…そこで待っていた若社長は腕を組んで少しうつむいて………………寝ていた。(爆)
あたる「起きてるか〜面堂…って、寝とる〜!!!何でこんなにすぐ寝るんだ、お前は〜!!」
揺さぶってみるが起きる様子が無い。
あたる「こら〜面堂!こんなところで寝とったら、誰かに棒でつつかれるぞ!落書きされるぞ!こら〜!!」
しかし反応がない。あの他人の気配に敏感な面堂が完全に眠ってしまっている。
あたる(なんでこの俺が面堂のお守りをしなくちゃならないんだ…?
なんかバカらしくなってきたな…決〜めた♪。)
もう一度コンビニへ向かい店員にあるものをもらえるように頼む。
それはありふれた物だったし、業者が引き取りに来て捨てるものだったので、簡単にもらえる事が出来た。
それを持って公園で組み立て、張り紙を付ける。
あたる「われながらうまくできたな〜」(笑)
組み上げて出来上がった物は大きめのダンボールの箱。
コンビニは業者と箱単位で商品を取り扱うので、ダンボールがあるときは結構たくさんあるのだ。
ダンボール箱を公園前の道端へ置いて中に、眠っている面堂を入れる。
あたる「うん、ダンボールって説得力あるよな〜やっぱり。」
箱の表面には紙を張って大きな字でこう書かれていた。
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