木枯らしに狂乱す歯車:前編 (Page 1)
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ギィ・・・ガタッ・・・ゴトゴト・・・・

運命は歯車によって動かされてるようなものだ・・・

そして「標準」という安定な未来を造りだすのである・・・

普通ではこれに異常など見られない・・・

しかし・・・狂うこともある・・・

そのとき人には苦しい壁が立ちはだかるのだ・・・













雨上がり―・・・
冬も近くなったこの頃、気温も下がり冷えてきた。

・・・だが節操もなくこの二人はいつでも

あたる「おじょーさーんっ!!」
ラム「こらぁダァリンッ!!!」(どばばばばっ)

言わずともわかるが、
ガールハントするあたる。怒って追っかけるラム(+電撃)。
町の人はもう慣れた様子である。これがもはや日常と化した。
そんな中、寒い頃でのとある日・・・



あたる「ふぁ・・・」
ラム「?」
あたる「ぶわっくしょいっ!!!」
ラム「どうしたっちゃ?ダーリン」
あたる「(ズーッ)・・・風邪だ」
ラム「え?」
あたる「だから風邪だといっとろーが」
ラム「え・・・」
あたる「えーい、わからんのか!?」
ラム「か・・・風邪だっちゃ?」
あたる「そうじゃ。・・・それがどうかしたとでもゆーのか?」
ラム「いや・・・べつに・・・」
錯乱坊「つまりアホ(バカ)が風邪ひいたんで驚いておるのじゃろ」
あたる「きゅ、急に現れるなーっ!!(すぱこーんっ!!)・・・ゲホゲホッ」
ラム「・・・ほんとうけ?」
あたる「おまーも俺がアホ・バカだと思って風邪ひいたからそんな驚いとるのか?・・・」
ラム「・・・ごめんっちゃ」
あたる「あーのーなーっ・・・・・・ゲホゲホッ・・・」
ラム「大丈夫っちゃ?」
あたる「アホ呼ばわりするやつなんぞに心配などされたくないわいっ!!」
ラム「だからぁー、ごめんっちゃ!ダーリン!」
あたる「ふんっ、・・・人の気も知らんといて・・・」
ラム「・・・え?」
あたる「くそっ・・・こんな風邪くらい・・・・・・あらっ?」

あたるはフラッとしてた

ラム「だ、ダーリン?」
あたる「・・・いかん・・・熱もあるようだ・・・」
ラム「え、ええっ!!?」
あたる「お、驚くなーっ!!俺だって人間だ!!」
ラム「あ・・・・」
あたる「おまえとゆーやつは・・・」
ラム「・・・・」(苦笑い)
あたる「えーいっ、くそっ」
ラム「・・・でもこれでダーリン外に出れないっちゃね」
あたる「な、」
ラム「うちが看病してあげるっちゃ*。おとなしくしてるっちゃよ」
あたる「俺を誰だとおもっとる?これきしの風邪が怖くてガールハントができるか!!」
ラム「やめるっちゃ!(どばばば)」
あたる「ぐおあああッ!!」(ばたっ・・・と倒れる)
ラム「これでよしっ・・・っと」

風邪はいたってフツーの風邪。
熱も38度弱というあたるだとおかしくて当然というような状態だった。
とりあえずその後ラムはあたるを寝かせしばらくそのままにした・・・

ラムはまだ思う

(・・・それにしても変っちゃね・・・ダーリンが熱に風邪になるなんて・・・
 それに・・・あの口に出した意味はなんだっちゃ・・・・?)

「・・・人の気も知らんといて・・・」

(・・・うーん・・・)

自分も人間だから風邪をひいたっておかしくないだろーが。
そういう意味ならつじつまが合う・・・でもあの様子・・・なんか別のことのようだった。
さりげなく言って・・・



それからというもののラムは学校を休みあたるに付添って看護した・・・

・・・しかし異変が起きる。





















歯車が狂いだした―・・・




















ラム「・・・どうしてだっちゃ・・・?」


あたるの熱は下がらない・・・薬を投入してもいくら汗を流しても逆に上昇してしまう・・・
おまけにセキもひどくなってきた・・・

あたる「ゲホ、ガホッゴホッ!!!!」
ラム「ダーリン・・・ッ!!」
あたる「う・・・どうしたものか・・・ゲホッゴホッ!!」
ラム「大丈夫だっちゃ?」
あたる「いや・・・やばそーだ・・・」
ラム「・・・っ!!」

さすがに変だと思ったラムとあたるの両親は病院へあたるを連れていき診断してもらった・・・









その結果・・・




あたるは入院することになり・・・さらに即急に手術するという・・・



























・・・―5時間後

手術室のランプが消え・・・


ラム「・・・ダーリンは・・・」
医者「なんとか・・・手術は成功しました」
ラム「・・・ふーっ・・・」

ラムは肩の荷がおりたように力が抜け安心した・・・

ラム「よかったっちゃー・・・」

とりあえず今はこれぐらいの嬉しさしか表現できなかった。
ほんとはもっと嬉しくてたまらないのだ。なんの手術かわからなかったが・・・

医者「・・・しかし」
ラム「?」
医者「彼には当分入院させる必要があります・・・」
ラム「・・・どういうことだっちゃ?」
医者「理由は・・・彼の両親に伝えたので聞いてください・・・」
ラム「・・・」

医者の顔を見ると嬉しそうでもなかった・・・深刻そうな顔をしていた・・・


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