となりのメガネ第二作 (Page 2)
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「さぁお嬢さん行きましょう何者にも邪魔できないはるか桃源郷へ」
 ガキン!
「うぬぬぬぬぬぬぬ・・・」
「ダーリン!」
「うぎゃあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 ラムから放たれた電撃が二人にあたって不思議な閃光を放っている。
 私は意を決してその中に飛び込んだ。
「久美子!こっちこっち」
 教室から抜け出した。
「ふぅ」
「とりあえずアリガト」
「なにいってんの。それより久美子でしょ彼を保健室に来るようにしたのは!」
「あ」
「なにが『あ』よ!」
「いや〜おもしろいかなぁ〜なんて」
「なにがおもしろいのよ!」
「ごめんごめん」
「・・・それは置いといて久美子の悩みってなに?」
「ああ、あれ・・・ええと気にしないで!」
「ちょっと教えなさいよ」
「実はね・・・」
 ゴクリ・・・
「やっぱ秘密」
「そんなぁ」
「わかったわ。でもここじゃあだめ、放課後に話すわ」
 放課後、夕日が顔を紅く染める。校庭では運動部が活動している。真美と久美子は校舎の壁を背にして座っている。
「ねぇ、それで何なの久美子の悩みは?」
「あのね、真美・・・」
 そう言って久美子はすくっと立ち上がった。
 私は立った久美子を見上げる。
「実は・・・」
 そのとき久美子を見上げた私の目の前に写ったのは、小さな赤い実だった。
「んぐ・・・」
 私は思いっきりその実を飲み込んでしまった!
 げほっげふっ・・・
「だ、だいじょうぶ?真美?」
 げほげほげほ・・・
 久美子が背中をさすろうとすると真美はばったりと倒れた。
「ちよっと真美!・・・だれか!」

 10分ほど前・・・
 あたるが机の脇からかばんを取ると、
「ダーリンいっしょに帰ろ」
「い、や、だ」
「ダーリン・・・」
 面堂がどこからともなく現れた。
「ラムさんそんな馬鹿はほっといって行きましょう。私がお送りしますよ」
「わかったっちゃ」
「そうですかラムさんではいっしょに・・・」
「うち一人で帰るっちゃ」
「ちよっとラム!あなた今日掃除当番でしょ!」
 こんどはしのぶが後ろから現れた。
「そういうことだラム、さっ、しのぶいっしょに帰ろうか」
 あたるはしのぶの肩に手を置いた。
「あんたは一人でかえんなさいっ!」
 しのぶはあたるの手を持ってあたるを鉄球のように振り回し窓の外へとほうり投げた!
「ぶるーいんぱるすっ」
 あたるは沈んでいく太陽に消えていった。
「はぁ」
 ラムはほお杖をついてあたるの飛んでいったの方向を窓から見てため息をついた。
「(最近ダーリン冷たいっちゃ。でもこうゆう時はこの夢の実でいい夢をみるっちゃ!しかも品種改良で希望を注ぎ込まなくてもいいっちゃ!はやく夜にならないかな)」
 ラムはポケットから夢の実を取り出し眺めた、
「あの、ラムさん、送りましょうか?」
 面堂が近づいてラムの背中をポンと叩いた。
 そして赤い実はラムの手から滑り落ち、下にいる真美に向かっていった。
「あーーーーーーーーーーー!うちの夢の実がーーーーー」
 ラムが窓から飛び出すと下に飛んで降りた。
 そこには久美子が死んだように横たわっている真美を揺すぶっている。
「真美!真美!」
「あちゃー」
「ラ、ラム!まさかあんたが真美を!いくらもてるからってあんまりだわ!」
「???」
「よくも真美を殺したわね!」
「ちょっとそれは誤解だっちゃ!」
「じゃあなんなのよこれは!」
「うちの夢の実食べたみたいだっちゃ」
「夢の実?」
「えーと夢の実って言うのは・・・」

 どんどんどんどん深いところへ落ちていく。
 真美はそう感じていた。
 なんだか深海の中を漂っているようだった。
 パチ、と目を開ける。
「ここは・・・?」
 どこかで見たような光景、でも思い出せない。
 でも私の体はなぜか勝手に動き目の前の森の奥へと向かっている。
 うっそうな森を抜けると今度はお城が見えた。
 体は城へと向かっていく。
 なぜかお城は友引高校だと思う。
 そこには彼も待っている・・・。

 つづく?

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