しのぶの願い (Page 1)
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              - しのぶの願い -

-ある平穏な日曜日の午後。繁華街をひとり歩くしのぶ。
-行き交うカップルを見て、
しのぶ「あーあ、私にも素敵な人がいたらなぁ。
    面堂さんもクラスの男どもも毎日毎日ラムラム。
    男なんて!」
-みるみる顔が険しくなるしのぶ。周囲の恐怖の籠った視線に気付いて、
しのぶ「ほほほ」
-力一杯笑顔を作ってそそくさと逃げるしのぶ

-遠くから地響きが聞こえる。だんだん近付いてくる。
あたる「しのぶ、デートしよう。」
-瞬く間に目の前に現れ、顔を近付けるあたる。
しのぶ「アホ面近付けないでよ。」
-しのぶの華麗なるカウンターパンチ。
あたる「君が望むなら如何様にも変われるんだよ。」
-瞬時に復帰しその見事な男前となった顔を再度近付けるあたる
しのぶ「あたるくん・・・。」
-ぼーぜんとするしのぶ。
あたる「よし、チャンスじゃあ。」
-口の中でそっと呟き、唇をしのぶのそれに近付けるあたる
ミシ、ミシミシー
あたる「崩壊の音がぁ。」
-転げ回るあたる。
しのぶ「やっぱりこういう男なのよね。」
ラム「ダーリン、見つけたっちゃ。」
-いつの間にかあたるの後ろに放電状態のラムの姿がある。
ラム「天誅だっちゃー!」
あたる「うっぎゃああぁぁ」
-今日も人外の域に入った叫び声が響く。

-夕暮れの町並み。帰宅するしのぶ。
-ふと見た所に、ネコでもはいったのだろうか、荒らされて
-御神体も地面に放られている哀れな祠がある。
しのぶ「直そうって人はいないのかしら。」
-ぶ−たれながらも直してやるしのぶ。

-その晩、しのぶの夢。
-「声」が聞こえる。
声「おぬしの願い叶えてしんぜよう。」
しのぶ「あなたは誰?」
声「わしは神じゃ。」
しのぶ「ふぅーん、まぁどうせ単なる夢なんだろうけど。」
-わりと簡単に納得するしのぶ。
声「して、おぬしの願いは。」
しのぶ「願いねぇ。うーん・・よし。私の願いはね・・・。」

-翌朝二年四組教室。空いた席が二つ。
-あたるに近付くメガネ。
メガネ「おい、あたる。面堂のやつめずらしく休んでおるぞ。」
あたる「あのラムに会うためなら地球が滅んでも来るやつがなぁ。」
ガララッ
-教室に走り込んでくるチビ
チビ「大変だぁ。面堂のやつ昨晩から行方不明だってよ。
   それだけじゃない、二組の高橋も五組の山田もだ。」
パーマ「友引高校ハンサム番付ベスト3ではないか。」
ガララッ
ラン「ラ〜ム〜、おんどれレイさん何処に隠したぁ。」
-いつにも増して危ない顔したランがはいってくる。
ラム「うち知らんちゃ−。ほんとだっちゃ−」
-逃げるラム。
あたる「色男が皆いなくなったわけか。」
-やおら立ち上がるメガネ。
メガネ「救世主は舞い降りた。今日こそおれたちモテない男の
    新たな時代の扉は開かれたのだ。
    これはかのニーチェが言うように・・・」
錯乱坊「不吉じゃ。」
ドッゴーン
錯乱坊「この事件はあまりにも不吉じゃ。早急に対策をとらねば。」
あたる「おのれはいつもいつも脈絡のない出方をすな!」
-あたるのハンマ−が炸裂。
サクラ「伯父上の言う通りじゃ。」
ドッカーン
-脈絡のない出方をする姪。二次爆発。
サクラ「昨晩からつばめも行方不明になっておってのう。」
あたる「これで二人の間には何の障害もないわけだね。」
-サクラの手をとるあたる。
サクラ「たわけがぁ!」
ドゴォ
-床からあたるの体が生えてる。
ラム「そういえばしのぶもいないっちゃ。」

-サクラの探知機を先頭に行く一行
サクラ「ここじゃ、ここに反応がある。」
-サクラの指したのは小さな祠。
ラム「見たことのない亜空間トンネルがあるっちゃ。」
サクラ「間違いなかろう。皆の者行くぞ。」
-飛び込むあたる一行
うにょにょにょにょー ぽわわわーん
あたる「ここは?」
-目をさますあたる。豪勢な屋敷の廊下。皆つぎつぎと目を覚ます。
あたる「とりあえず、あそこに向かおう。」
-あたるを先頭に中でも一際豪華な扉に向かう一行
あたる「ごめんくだ・・うわ!」
ラム「な、なんだっちゃ。」
-中には行方不明であった無数の色男たちを従えて
-玉座の上にはしのぶの姿が。
ラム「終太郎、しのぶ、レイ。」
サクラ「つばめ。」
-正気を取り戻す面堂、つばめ、レイ。
面堂「ラ、ラムさん、どうしてここに。うっ。」
サクラ「どうやら正気を失っておったようじゃな。」
-まだ朦朧としている面堂。
ラム「終太郎、助けにきたっちゃ。」
面堂「ラムさん、やはり本当は僕の事が。ラァムさーん。」
-飛びつこうとする面堂。が、電撃により撃墜。
レイ「らーむー。」
-突進してくる虎牛。これまた同じ運命をたどる。
ラン「レイさん!ラム、覚悟せいよぉ。」
ラム「ご、ごめんちゃ。不可抗力だっちゃ。」
ラン「ラ〜ム〜。」
-一方
サクラ「つばめ。」
つばめ「サクラ。」
-見つめ合う二人。そして互いに走り寄るバックには夕焼けの海が。
あたる「サックラさーん。」
-飛んで来るあたる。つばめを踏みつぶしあたる着地。
あたる「さあ二人で真の愛を築こう。」

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