うる星やつら―アナザーワールド― エピソード8 (Page 2)
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「そ、そんな簡単な事だったっちゃ?」と言うと、一気に体の力が抜けた様に肩を落とし、項垂れた。しかし、すぐに顔を上げると
「だったら、すぐに……」と言いかけて
「あっ………………」と言葉を失った。それを見てランは
「そうなの。方法は簡単なんだけど、それを向こうの皆に伝える方法がないのよ」と言い、更に
「しかも、入れ替わりでこちらに来てるダーリン達も向こうに帰さなくちゃなのよね」と言った。それを聞いてラムは
「こっちのダーリン達はなんとかなると思うけど、向こうダーリン達にどうやって伝えればいいんだっちゃ?」と独り言の様に呟いた。そしてラムは
「とりあえず、向こうの世界のダーリン達は学校に居るはずだから、ウチはサクラの所に行ってくるっちゃ」と言うとランの宇宙船を出て行った。
ラムはサクラの家に行くと、玄関を開けて
「こんにちはだっちゃー」と声をかけると、中からパタパタと足音がして
「なんじゃ?何かお困りか?」と声と共にサクラが現れた。そしてサクラはラムを見ると
「……お主…………何者じゃ」と言うと、お祓い棒を出した。ラムが、慌てて
「あ、サクラ!ウチの話を聞くっちゃ!」と言うと、サクラは
「何故わたしの名を知っておる!」と言い、ラムにお祓い棒を向けた。ラムは
「信じられないかも知れないけど、ウチは宇宙人だっちゃ」と言ったが、サクラは
「何をバカな、宇宙人など居る訳なかろう!お主、何が目的じゃ」と言って、厳しい目でラムを見た。しかしラムは
「ウチの事はどうでもいいっちゃ。実は、サクラは別の世界から来たサクラなんだっちゃ」と言ったが、サクラは
「何を訳の分からぬ事を……」と言ったが、真剣なラムの目を見て
「……お主の目、とても嘘や絵空事を言ってる様には見えん」と言うと、お祓い棒をしまい
「分かった、話してみるが良い」と言った。
ラムは、一通りの事を説明するとサクラは
「すると、この世界と似たような世界がもう1つ有り、その2つの世界が商店街の一角で繋がっておると?」と言い、ラムは
「だっちゃ」と言い、サクラは更に
「そして、わたしは別の世界の人間で、わたしを含め数人が向こうとこちらで入れ替わって居ると?」と言った。それを聞いたラムは
「そう言う事だっちゃ」と言ったが、サクラは
「しかしのう、いきなりその様な事を言われてものう。そもそも、わたしには世界を移動した記憶など無いのじゃが」と言った。しかしラムは
「移動してる実感は無いみたいだっちゃ」と言った。するとサクラは
「すると、気付かず移動している訳か……わたしは、ちと旅行に行っておったのだが、こちらのわたしも旅行に?」と言ったが、ラムは
「こっちのサクラは、学校の教師だから旅行には行って無いっちゃ」と言った。それを聞いたサクラは
「なに?教師だと?巫女ではないのか?」と驚きを隠せずに居ると、それを見たラムが
「あ、巫女もやってるっちゃ。学校の教師をやりながら、巫女もやってるっちゃ」と言うと、サクラは
「なんと」と言い、続けて
「話を戻すが、そうなるとわたしはいつこちらの世界に来たのだ?」とラムに聞くと、多分友引町に入った時だと思うっちゃ」と言った。するとサクラは
「お主の言ってる事が事実だとしてだ、我々が元の世界に戻る方法は有るのか?」とラムに聞き、ラムは
「方法は有るっちゃ……」と言ったが、言葉を濁した。そんなラムにサクラは
「何か問題があるのじゃな?」と言い、更に
「どんな問題なのじゃ?」とラムに聞くと、ラムは
「実は、向こうの世界の皆に連絡が取れないと無理なんだっちゃ」と言って、うつむいた。そんなラムを見てサクラは
「なるほど、そう言う事なら叔父上に相談してみるか」と言い、それを聞いたラムは
「え?チェリーに?」と言った。するとサクラは
「なんじゃ、叔父上を知っておるのか?」と聞くと、ラムは
「うん、でもチェリーは……」と言うと、サクラは
「なんだ?何か問題が有るのか?」とラムに聞くと、ラムは
「チェリーは、2人とも向こうの世界だっちゃ」と言った。サクラはラムに
「それは、こちらの叔父上と向こうの叔父上が、向こうの世界に一緒に居ると言う事か?」と聞くとラムは
「だっちゃ。だから、チェリーに会うのは無理だっちゃ」と言い、更に
「だから、向こうのみんなと連絡が取れたらサクラにも協力して欲しいっちゃ」と言った。それを聞いてサクラは
「わかった。わたしが何をすれば良いか分からぬが、協力するとしよう」と言った。ラムは、サクラの言葉を聞き安心して
「じゃ、ウチは学校へ行って他のみんなに話をしてくるっちゃ」と言うと、玄関を出て飛び去った。それを見たサクラは
「宇宙人と言うのも、あながち嘘ではなさそうじゃのう」と言い、飛び去るラムを見送った。
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