うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第4章 真実 (Page 4)
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 「お前が帰らなかったら騒ぎになるだろう?きっと探しに来る。そうしたらお前は、寝たままの俺とどうやって逃げる」と言った。しかしラムは
 「だからって、こんな所にダーリンだけ置いて行けないっちゃ」と言って涙を浮かべた。しかしあたるは
 「心配するな、俺なら大丈夫だ。こんな所で寝てる奴は、酔っぱらいだと思って誰も相手にしないさ。だから、明日朝またバス停に来てくれ…」と言って眠りに落ちた。ラムはあたるをそっと横たえると
 (ダーリンのバカ…)と思い、あたるの頭を自分の膝の上に乗せた。
 それから、時間が過ぎ日が暮れてもあたるは目を覚ます事はなかった。ラムはあたるの頭をそっと膝から降ろすと立ち上がり
 「ダーリン…ゴメンね…」そう言って、その場から立ち去った。

 あたるは目を覚ました。目の前に見えるのは、見慣れた自分の部屋の天井…あたるは体を起こすと
 「あの夢…」と呟いた。その時
 「ダーリン!」とラムの声が聞こえあたるが振り返ると、あたるが寝ていた布団の枕元にラムが座っていた。あたるが
 「ラム、お前…」と言うと、ラムは
 「何だかダーリンが心配で寝られなかったっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは呆れる様に
 「ただ寝ていただけではないか」と言ったがラムは
 「それでも、何だかダーリンがもう目を覚まさないんじゃないかって思って…」と言った。するとあたるは
 「何を大袈裟な」と言うと立ち上がり布団をたたみだした。そんなあたるにラムは
 「所でダーリン、例の夢って見たっちゃ?」と聞くと、あたるは
 「あぁ」と短く答え、それを聞いたラムは
 「じゃあ、あの落書きは?」と問いかけた。しかしあたるは
 「その事なんだが、色々有ってな。だから学校でみんな集めて話したいと思う」と言った。それを聞いてラムは
 「分かったっちゃ」と言うと、立ち上がり
 「じゃあ、うちもUFOに行って着替えて来るっちゃね」と言うと窓からUFOに向かって飛んで行った。

 あたるとラムが学校に着くと何やら教室の中が騒がしかったので、あたるは近くに居たパーマに
 「おい、何か有ったのか?」と聞くとパーマは
 「あぁ、転校生だとよ」と答えた。それを聞いたあたるは
 「転校生?それは珍しいな」と言って、更にパーマに小声で
 〈それで、男か?女か?〉と聞くと、そんなあたるの態度を見たラムは
 「ダーリン?何こそこそしてるっちゃ?」と言ってあたるの顔を覗き込んだ。するとパーマが
 「あたる、残念だが男だ」と言った。あたるか
 「なんだ、つまらん」と言うとラムは
 「ダーリン、どうせ転校生が女だったら良かったとか思ってるんじゃないっちゃ?」と言ったが、あたるは悪びれた様子も無く
 「当然じゃ、だれが男が転校してきて喜ぶと言うんじゃ」と言ったが、ラムは
 「クラスの女子は喜んでるみたいだっちゃねぇ」と言って女子が集まってる方を見た。それを見たあたるは
 「なんと尻の軽い女ばかりじゃ」と言ったが、ラムが更に
 「しのぶも居るみたいだっちゃね」と言うと、あたるは急に
 「何?」と言って良く見ると、確かに集団の中にしのぶの姿も有った。それを見たあたるは
 「し、しのぶ!」と言って集団に向かって走り出した。するとラムは
 「あ、ダーリン!待つっちゃ!」と言うと更に
 「うちの前で、よくもぬけぬけとー」と言って、あたるの後を追った。あたるはしのぶの所へ行くと
 「おい、しのぶ!俺と言うものが有りながらこんな何処の馬の骨とも…」と言いながら転校生の顔を見て言葉を失った。そして
 (こいつどこかで見た記憶が…)と思った時、しのぶが
 「なんで私があたる君に気を使わなきゃならないの?私が誰と話そうと私の勝手じゃない」と言ってあたるの方を見たが、あたるはしのぶの言葉を聞いていない様で、それを見たしのぶは
 「って、聞いてないじゃない!」と言ってあたるに向かって机を投げつけようとしたが転校生と目が合い、慌てて机を置いてニコリと笑った。
 その様子を見ていたメガネが
 「しかし、あの転校生、随分女子にもてるなぁ」と言うと、面堂は
 「ふ、ふん!ちょっと顔がいいだけではないか」と言ったが、それを聞いたパーマは
 「お前にとって、顔のいいヤツが現れたのは致命的では?」と言うと、面堂は
 「失敬な!僕はただ顔がいいだけの男ではない!」と言った。すると、カクガリが
 「じゃあ、顔の他に何が有るんだ?」と聞くと面堂は
 「ふふふ、僕には有り余る財力が有る」と言って胸を張った。それを聞いたメガネは
 「面堂、お前それ、言ってて虚しくならないか?」と蔑んだ目で見た。
 面堂達がそんなやり取りをしている間も、あたるは転校生をどこで見たか必死に思い出していた。そして
 (あ、夢の中だ!夢の中の俺がカードキーを奪ったヤツだ!)と思った。

            第5章  逆襲につづく

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