ヨロイ娘の新たな試練!体力テストは乙女の園で!(第2編) (Page 2)
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われわれが戻ってくるまで教室から一歩も出てはなりませんよ!よろしいですね!?」
と言い残し、あわてて校長室へ行き、校長に詰め寄った。
「校長!いったいどういうおつもりなのですか!?このようなことをおやりになるなんて。
わが校は創立以来、校内に男を一切入れないことで乙女たちの純潔を守り続けてきたのですよ!」
校長に勝るとも劣らぬこわもての教員たちの中の1人が、興奮してそう言った。
「そんなに力説せずとも、よくわかってますよ」
校長は冷静だった。すると、ほかの教員が、
「だったらなぜ、このような体力テストに協力なさったのですか!!
生徒たちをみすみす危険な目に遭わせるようなことを、なぜやらなくてはならないのですか!?」
と叫んだ。しかし校長は取り合わず、さらにこう言った。
「おほほほほ。心配はご無用ですよ、皆さん!
わが校の完全なる警備システムがそうやすやすと突破されるものですか。
いいですか?これは宣伝にもなるのですよ。
ここでわが校の警備システムのすばらしさをアピ−ルすれば、
娘思いの親たちが娘の入学を希望して日本中から殺到するでしょう。
そうなればわが校の借金も・・・ご・・・ゴホン、ゴホン!」
思わず本音が出そうになったところで、校長は咳払いをした。
潔癖女子中学は、警備システムに金を掛けすぎて、借金がかさんでいたのだ。
教員たちは、へぇー、なるほどといった感じの目線で校長を見た。
軽蔑のまなざしのようだった。
その頃外では、あたるたちが作戦を立てていた。高い壁とレーザーを見て、
「壁が反り立っている上に、ツルツル滑るからなあ。それにレーザー・・・、
・・・うーむ、やはり壁を越えるのは無理じゃなー。壁を突き破るしかあるまい」
あたるがそう言うと、どこからか巨大な丸太が運ばれてきた。
手抜き工事でもしたのか、壁は思ったより脆かった。10分もしないうちに、
壁に大きな穴があいた。人が通るには十分な大きさである。
穴が開いた瞬間の大きな音と同時に、面堂と飛麿が目を覚ました。
「待てー!諸星ーっ!たたっ斬ってくれるーっ!!」
「こらーっ、キサマらーっ!飛鳥に手を出すなーっ!!」
2人はそう叫びながらあたるの方へ猛然と立ち向かっていった。
「たりゃああああああっ」
面堂はいつものように、あたるに日本刀で正面から斬りかかった。
「まったくワンパターンなヤツじゃなー。フンッ!」
一方あたるもいつものように、真剣白刃取りをした。
そうこうしているうちにほかの生徒たちは、すでに穴から中へ侵入していた。
「トンちゃん!他のヤツらを追ってくれ!ボクもすぐに行く。
諸星ぃー!今日という今日はキサマに引導を渡してくれるわぁー!!」
「へっ、そうはいくか。飛鳥ちゃんに一目会うまでは!!」
二人が競り合っている間に、飛麿は穴から中に走って侵入した。
しかし、とても慌てていたので、足元に堀があることに気がつかず、あえなく落ちてしまった。
そして、男嫌いのワニとピラニアにさんざん痛めつけられ、今度こそリタイヤとなった。
飛麿の声ともいえぬ悲鳴があたりに響くと同時に、あたるはとっさに、
「あっ、飛鳥ちゃん!」
と叫んだ。そのとき面堂の注意が一瞬それたのを見て、あたるはおなじみの武器、
木製のライトハンマーで面堂の頭を一撃した。面堂は間抜け面で気絶した。
そして、あたるが堀に落ちないように注意して中に侵入してみると、さすがに驚いた。
校庭じゅうにドーベルマンが何十匹もいて、ほかの生徒たちが身動きがとれずにいるではないか。
どうしようとあたるが思った直後、ラムが空から現れた。
「ダーリン、これ以上進んだら危ないっちゃ!こんなアホらしい事やめて、
さっさと引きかえすっちゃっ!!」
ラムの説得をよそに、あたるはこの時ひらめいた。こいつを利用しない手はないと。
「へっ、引き返せといわれて引き返すバカがどこの世界におるというんじゃ!
こうなったら意地じゃ。何が何でも飛鳥ちゃんとデートしてやるわい!!
待っててねー、飛鳥ちゃーん。ボク今すぐ行くからねー」
ニヤけながらあたるが言うと、
「ダーリン!!寝言はいい加減にするっちゃ!!
ウチは意地でもダーリンを連れて帰るっちゃよ!!コノォーーーッ!!」
ラムは激怒してそういうと、電撃をあたるめがけて放ってきた。
それこそあたるの狙いだった。そのためにあたるはラムを挑発したのだ。
あたるはドーベルマンのほうへ向かっていき、電撃が命中するぎりぎりのところでかわす。
こんなことを繰り返すうちにドーベルマンは全滅した。
自慢の警備体制が脆くも崩れていくさまをまざまざと見せつけられた教師たちは、
「こおちょおー・・・!!やすやすと突破されましてよ」
「こおちょおーーー!!」
絶対大丈夫と高をくくっていた校長に容赦なくブーイングを浴びせた。
「ほ・・ほほほほほほほ。勝負はこれからですよ!」
あくまで平静を装う校長だったが、その笑顔はこわばっていた。

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