若社長VSヒラ社員 (Page 2)
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爆笑する一同。その笑いの中であたるは、ふと面堂の方を盗み見る。

機嫌が悪かったらおごってもらう確率は低くなってしまうからだ。そして…面堂の方はあまり笑っていなかった。

B’zって誰だ?みたいな顔をしている。が、それでも雰囲気につられているのか、微笑している。

あたる(や〜っと初めて来た時よりかは、なじんだみたいだな…。そうだ!今日は面堂に何か歌わせてみるか。

        あいつ歌ったことないもんな〜怒らせてしまうかもしれんが、やってみようか?)

メガネ「貴様と俺とは〜同期の桜 〜(中略) 咲いた花なら散るのは覚悟〜見事散りましょ〜国のため〜」

メガネがしぶい歌を披露する。そんな中、面堂に話しかけるあたる。

あたる「な〜面堂、おまえいつも、盛り上げるだけだろ〜そろそろ何か歌ってみんか?」

終太郎「嫌だ!!」案の定すぐに即答される。

あたる「歌わんと実力行使に訴えるぞ〜それでもいいのかな〜?」

終太郎「何だ?実力行使って?」

あたる「タコヤキを注文してお前の目の前でみんなで食ってやる。ラムやしのぶ、竜ちゃんもみんな喜んで食うだろうな〜」

面堂は目をつむり、眉を寄せて考え込んでいる。その間にパーマが歌いだした。

パーマ「さらばぁ〜地球よぉ旅だ〜つ船はぁ〜宇宙ううぅ戦艦〜ヤァマァトォ〜宇宙のかなたイスカンダルへぇ〜

        運命背負い、今〜飛び立つぅぅぅ〜」

チビ「あいかわらずスゲエ音痴だな?」

カクガリ「耳が壊れるぜ!」

あたるはもう一押しすることにした。

あたる「な〜面堂、お前の歌声、聞いたらラムやしのぶはホレなおすぞ〜やってみろよ?」

終太郎「…でも僕は…最近の歌は本当に知らないんだ…歌っている人さえ知らないのに…」

あたる「あのな…メガネなんかど〜なるんだよ?メガネが歌ってた歌なんて、骨董品もいいとこだぞ?」

終太郎「…わかった…とりあえず僕が知っている歌…歌ってやる。」

あたる「お〜やったね♪楽しみだな〜♪」

―12―

面堂がリモコンに手を伸ばし、番号のコード本を見ながら歌の番号を入れていく。

あたる「何歌うんだ?」

終太郎「内緒だ。」

あたる「すぐ順番が来るのに〜う〜ん終ちゃんのイケズ〜♪」

終太郎「気色の悪い声をだすな、バカ。」

その間にもチビ&カクガリのB’zの歌を身振り手振り歌っていく。歓声を上げて盛り上げるラムたち。

チビ&カクガリ「〜ミエナイチカラで、だれもが強く繋がっている〜」

竜之介「英語が、ところどころあってよくわかんねぇえけど、一生懸命なのはわかるぞ!!」

メガネ「さっきのパーマの音痴と、どっちもどっちだな。」

パーマ「俺のほうが、かっこいいに決まってるぜ!!」

コースケ「スゴイ自信だなぁ、パーマ!」

一同、好き勝手に感想を述べて笑っている。

チビ&カクガリのB’zの歌が終わった。礼をして席に着く2人。次の曲のメロディが流れ出す。

コースケ「このイントロは…演歌か?メガネお前か?」

メガネ「いや違う。誰だ?」

あたる(…演歌〜??まさかこの曲を選曲したのは…)

終太郎「僕だ。」

あまりの事にぶっ飛ぶ一同。そんな中ステージの方へ歩いてマイクを持ち、歌いだす若社長。

終太郎「〜人生いろいろ〜男もいろいろ〜♪(by島倉千代子)」

メガネ「あいつなんか悪いもんでも食ったのか?」

チビ「…怖いよう…」

コースケ「あたる…お前、日頃から木槌で面堂ぶん殴りすぎて、その影響でおかしくなったんじゃあ?」

みんな、もし面堂が歌うとしたらJ−POPのような、それこそB’zのような歌でも歌うのかと思っていたのだ。

あたる「人聞きの悪い。それに木槌でぶん殴っていたのは俺だけじゃないぞ?お前らだって殴ってたじゃないか?」

高校の時から今に至るまで、一応勤めている会社の社長に対して、毎度の事ながら、お互いむちゃくちゃである。

あたる「とりあえず、面堂が初めてカラオケしたんだ。盛り上げようぜ。イェ〜イ!!」

一同、気を取り直し色とりどりの紙テープを投げたり、

紙ふぶき入りのパーティ用の花火クラッカーを鳴らしたりして、盛り上げた。

あたる「い〜ぞ〜終ちゃん(演歌でも)かっこいいぞ〜ピューピュー。イエ〜イ!!」


つづく。

(1)同期の桜―戦時中の軍歌です。なぜかメロディ知っている私…そんな世代じゃないのに。カラオケはあるかどうかは不明です…。

(2)宇宙戦艦ヤマト―ビューティフルドリーマーで友引町脱出時パーマが歌っていた元ネタの歌です。
 あの歌をワザとあの音痴さで歌うパーマ役の声優さん、すばらしい演技力だと思います。初めて見てわかった時には大爆笑。
 「さらば〜友引〜旅だ〜つ船は〜♪」映画では、ここまででしたが…。


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