うる星やつら伝言板

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うる星やつらについて、深く掘り下げて議論などを行う伝言板です。
深く、熱く語りたい場合などにご利用ください。
単なる質問や挨拶などのトピックを作成するのはご遠慮ください。(削除対象となります)

239件 ( 21 〜 40 )  |  1/ 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. /12


萌家電 引用
No.160-219 - 2011/07/18 (月) 18:16:50 - コリエル ID:aKQcI8mo
何かこんなのがありました。
http://japanese.engadget.com/2011/07/07/moekaden/

「ダーリン!こんな遅くまで、どこで油うってたっちゃ!」
「いや。残業があったもんで・・・」
「嘘ついても駄目だっちゃ!会社のパソコンにリンクしたら、定時で帰ったことになってるっちゃ」
「だ、だから、これには深い訳が」
「ダーリン!うちは情けないっちゃー!」
「わぁ、よせっ!」
バリバリバリ。
っと、ラムちゃんのように電撃を発するテレビがいたら嫌ですね

初心に返って悲惨な最終回 引用
No.160-218 - 2011/07/10 (日) 22:20:28 - コリエル ID:2V5ybVic
ボーイ ミーツ ガールの最後でラムとあたるが感動の抱擁をする寸前、
「続きはX月X日から公開される『劇場版うる星やつら』で」
となって終わるうる星やつら。

The first Day (お雪編) 引用
No.160-217 - 2011/07/03 (日) 23:08:44 - コリエル ID:kGomW9/.
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動し、地球人はラムたちとの記憶を全て忘れてしまう。
そして・・・。
「あたる。休みの日ぐらい外に出たらどうなの。部屋にこもりっきりじゃ体に毒よ。それに窓閉めなさい、今日は何だか寒いから」
「ああ・・・」あたるは母に生返事を返すと、窓の外に目を移す。心に穿たれた大きな穴、そこが何で満たされていたのか、あたるは思い出すことができない。
部屋の気温がだいぶ下がったような気がする、あたるは怖気を感じて窓を閉めた。だが、寒気が収まる気配はない。どうやら、寒さの原因は押し入れの方にあるらしい。
あたるが、恐る恐る押し入れを開けると、そこは真っ暗な空間になっていた。その闇の中から白い着物を纏った美しい女が現れた。女の周りに氷のような冷気が漂う。
「お久しゅうございますわ。お変わりありませんこと?」氷の女は馴れ馴れしく声をかけてきた。
「な・・・なんだ。あんたは・・・」
「あら、お顔の色がすぐれませんわねぇ。その御様子では、こちら様も随分と気落ちなさっているようですわ。それでしたら、私も足を運んだ甲斐があるというもの」
 女がわけの分からない事を口走る。あたるが怪訝そうな顔をするのを無視して、女が白い息を彼に吹きかけると、あたるはあっという間に氷に閉じ込められた。
あたるはそこで気を失った。氷の中でどれほどの時間が流れたろうか、あたるが目覚めたのは野外の円形舞台だった。周りをおびただしい数の群衆が取り囲む。
だが。そこが地球では無い事を、あたるはすぐに理解した。天上に巨大な渦巻き星雲が輝いていたからである。
「お目覚めのようね。ここに連れて来たのは、他でもありませんわ。お宅さまもお気づきの事と存じますが、お宅様はとても大事な記憶を無くしておいでです。それを
お返し申し上げようと趣向ですの」
 女の言にあたるは黙って頷いた。
「でも、勘違いなすっちゃいけませんわ。別に親切心ではありませんの。わたくしの大切なお友だちがあれ以来泣いてばかりで、この辺りで白黒をつけておいた方が
良いと思いまして。それですから、簡単に記憶をお返しするわけには参りませんわ。お宅様が本当にそんな値打ちのある殿方なのか、私の目で確かめるつもりですの」
 女は舞台の袖を見やると、目で何やら合図をした。機械音とともに舞台の中央が割れ、奈落の中から三人の虎縞ビキニの女性がせり上がってきた
「ここに、お宅様が心底から大切に思ってる方がいます。その方を見つけて名前を当ててくださいな。それがお出来になったら、記憶を戻して差し上げますわ」
 女の言葉を待つまでもなく、あたるは今が人生の転機であることを直感していた。彼は三人の女性に近づき、彼女たちの顔を見比べ始めた。美しいが無表情の彼女
たちは黙って空中を見据えている。だが、あたるには三人の顔が全て同じに見えている。観衆からは絶え間なく野次が飛び、鋭い凝視があたるの背中に突き刺さる。
「どうでしょう。大切な方は見つかりまして?」女が無表情なままで答えを急かした。「・・・いない。この三人の中には・・・いない」あたるは力なく首を振った。
「あら、そう。やはり、わたくしの見込み違いだったよですわね。」女が素っ気なく言い放った。
「いや、そうじゃない」あたるが言葉を発したその刹那、彼はそれまでとは違う眼差しが自分に向けられている事に気がついた。あたるはきびすを返して舞台から飛び
降りる。舞台上に残った女は、意味ありげな微笑をたたえている。
 眼差しに導かれ、あたるは群衆の中に分け入った。人垣が割れた。その奥にフード付きパーカを着た娘が立っている。あたるは娘に向かい歩みを進める。人々の
ざわめきが消えた。あたるが娘の前に立ってパーカのフードを外すと虹色の髪がこぼれ落ちた。だが、娘は俯いて顔を見せようとしない。娘の肩が小さく震えている。
あたるは娘の髪の中に桃色の突起を見いだした。角だった。手を伸ばしてその角に触れた瞬間、彼は体中の細胞が生まれ変わるような衝撃を感じた。それが答えだった。
「見つけた。ぼくが探しているのは君だ」娘が小さく頷いたように見えた。「名前は・・・君の名前は・・・ラム・・・ラムだね」
 ラムが涙で濡れた顔を上げた。あたるの目にも涙が溢れ、彼女の顔が霞んで見えた。だが顔を確かめる必要などなかった。彼女こそ、あたるの求める全てだった。
「ラム。ただいま」「お帰りだっちゃ。ダーリン」二つの影が一つになった。どこかで小さな拍手が起こり、それは二人を取り巻く観衆全てに広がっていく。
 祝福の喝采の中、新しいラブストーリーの最初の一日が始まった。
「あの。お取り込み中に申し訳ないんだけど・・・」
「なんだっちゃ・・・。お雪ちゃん。」ラムが涙を拭いながら尋ねた。
「ラム。友達のあいだだからこそ、こうゆうことは、きちんとしとかなくちゃいけないと思うの」
お雪がそういって差し出した一枚の紙には、次のような一文が書かれていた。
請求書 ラム様ならびに諸星あたる様
 一、諸星あたる様鬼星までの移送料
 一、和解仲介手数料
 一、舞台装置一式(含むエキストラ出演料)
  以上、参億弐阡萬コールド 申し受けます。
尚、あたるがお雪の下男として働いて、この借金を返済したのは言うまでもない。

最後の願い 引用
No.160-216 - 2011/06/05 (日) 13:50:16 - コリエル ID:hL/rw29w
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動し、地球人はラムたちとの記憶を全て忘れてしまう。
「あたる。いつまで星を眺めてるの、もう遅いんだから早く寝なさい。それに窓閉めなさいよ、風邪引くから」
「ああ・・・」あたるは階下の母に生返事を返すと再び夜空に目を移した。遥か彼方でまたたく小さな光。そこに何の希望を見いだそうとしているのか、あたる
自身にも説明がつかなかった。とその時キーンと金属音が鳴り響き、ちゅどかーん。窓枠を突き壊して人の背丈もありそうな星形の物体が二つ飛び込んできた。
「夜分に恐れ入ります。わたくしども、七夕の”願い星”組合からやって参りました」
「な・・・なんだ、お前ら。何の用だ!!」
「この前の七夕のおり、諸星様がラッキーなご家族に当選されまして、三つの願いをお届けに上がったわけですが、実はそのときに少々不手際がございまして・・・」
「なにをわけの分からんことを言っとるのじゃお前ら!!」
「では分かりやすく説明させて頂きます。規約ですと願いを叶えられるのは当選されたご家族様のみとなっております。ところが、そのおり二番目と三番目の願い
をされた方がこちらのご家族とは全く関係ない人物だということが判明いたしまして、本来ならこれらの願いは無効とするべきだったのでございます。」
「?」あたるには彼らが何を言っているのか皆目検討がつかなかった。
「それで、改めまして残り二つの願いを実現させるということで、今回はご理解い頂けないかと、お願いに参上した次第でございます。ほれ、お前も頭を下げんか」
 上役とおぼしき星形に脇腹を小突かれ、もう一方の星形が「その節はどうも、すんませんでした」と間抜けな声で謝った。
「それじゃ何か、おれの願いを叶えてくれるのか?」
「左様でございます」
その言が嘘か真か? あたるに事の真偽は計りかねたが、あたるは異形の者たちの言葉に賭けることにした。
『俺のなくした大切なものを取り戻したい』あたるは、願いを書いた短冊を願い星の一人に手渡した。
「笹の葉さーらさらっと」間抜けな声の祝詞が唱えられ、辺りが一瞬暗くなった。
 :
「あれ?。うち、今まで何してたっちゃ?」あたるの目の前に、懐かしいラムが姿を現した。
「ラム!!ラム!!。思い出した、思い出したぞ。ラム、帰って来てくれたんだね!!」あたるは、大粒の涙とともにラムの胸に顔を埋める。
「何いってるっちゃ、ダーリン。うちはいつもダーリンのそばにいるっちゃ」ラムは優しくあたるの髪をくしけずる。自分の子供をあやすように。
「あのー。お取り込み中に恐縮ですが、もう一つ願いが残ってるんですけれど・・・」
 その言葉に、あたるは涙を拭うと短冊に新しい願いを書き込んだ。「笹の葉さーらさら」再び祝詞が唱えられる、だが不思議な事に何の変化も起きなかった。
「じゃー、そゆことで!」二つの願い星が空の彼方に飛び去って行く。
「ダーリン。あの人たち誰だっちゃ?。一体なにがあったっちゃ?」
「いや、何でもない。何でもないんだ」願い星が去っていった空を見やりながら、あたるはラムの手をしっかりと握りしめた。
 :
地球が遥か彼方に遠ざかった頃、上役の星形がもう一方の星形に声をかけた。
「おい、最後の願いは何も起こらなかったけど、お前、また何か失敗したんじゃないだろうな。」
「いいえ、あれでいいんです。最後の願いは自分の力で実現した方がいいと思いますので」もう一方の星形は口から短冊を吐き出し、上役に手渡した。
「なるほど、そういうことか。お前にしちゃあ上出来だ」
上役が手にした短冊には、次のような一文が書かれていた。『いつまでもラムと仲良く暮らしたい』
さて、あたるの願いが叶ったのか、叶わなかったのか。その答えは読者の皆さんが考えてみて下さい。

目覚め 引用
No.160-215 - 2011/05/01 (日) 18:07:17 - コリエル ID:WPj/ByWY
 ボーイ ミーツ ガールの鬼ごっこ最終日、もはや、あたるの体力は限界に達していた。
「ダーリンのバカ!!本当にうちのことを忘れてもいいっちゃ!?」
 ラムが悲痛な言葉を発しても、あたるは応える事も適わない。土煙と共に記憶喪失装置がラムの背後に着陸し腹の部分に入り口が現れた。ラムが装置に入ろうとした
瞬間、机が飛んで来て装置の顔に当たり砕け散った。
「しのぶ。邪魔するんじゃないっちゃ!」
「邪魔するに決まってるじゃない。なんで、あたしたちの記憶まで、消されなくちゃならないのよ!」
「これは、うちとダーリンの問題だっちゃ。ダーリンはうちのことを好きだと言ってくれなかったっちゃ。だから、うちたちの記憶を消して全部清算するっちゃ」
「なに勝手なこと言ってるの。ラム、だいたい、あなたどんだけ長くあたるくんと付き合ってるの? あたるくんが簡単に本心を言うわけないじゃないの」
「そんなこと分かってるっちゃ。でも、うちは・・・うちはダーリンの本当の気持ちを口に出して伝えて欲しかったっちゃ」
「そうよね。あなた、言葉にしなくちゃ何にも分かんないんだわ。あたしが・・・あたしがあなたのこと大好きだってことも、言われなきゃ分かんないんでしょ!!
あたしだけじゃないわ。面堂さんだって、竜之介くんだって、サクラ先生だって、他の誰だって・・・。みんな、みんなあなたのことが大好きなのよ!!」
「しのぶ・・・」
「それなのに・・・それなのに・・・。あたしたちの大切な思い出を消すなんて、何でそんな悲しい事ができるのよ!!」しのぶはその場にしゃがみこみ、声を上げて
泣き出した。サクラがしのぶの傍らに寄り、いたわるように彼女の肩を抱いた。
「聞いての通りじゃ、ラム。しのぶの言ったことは本当じゃ。だからのう。みなの記憶を消すことは、こらえてやってはもらえまいか。わしからもお願いする。この
通りじゃ」サクラがラムに頭を下げた。面堂、竜之介、ほかの人々もそれに続いた。
「みんな・・・」長い沈黙のあと、ラムは決意のこもった顔を上げた。「わかったっちゃ。みんなの記憶を消すのは止めるっちゃ。記憶を消すのは・・・うち一人で
充分だっちゃ。そうすれば、もうダーリンのことで悩まなくて済むっちゃ。それが・・・、それが一番幸せだっちゃ」ラムは涙と共に装置の中に駆け込んだ。
「早まるな、ラム!。おぬしたちはまだやり直せる」サクラが声を張り上げたが遅かった。装置の目が赤く点滅を始める。
「ラム・・・」あたるがよろめきながら装置の中に入って行く。「あたるくん!」しのぶの叫びをかき消すように装置が金属音を発し、辺りが目映い光に包まれた。

「・・・んん」ラムは病室のベッドの中で目を覚ました。
「気がついたか、ラム。おまえのダーリンもさっき目を覚ましたところじゃ」サクラが優しく声をかけた。ラムは不思議そうにサクラの顔を見つめている。
「わしのことが分かるか?それと、隣にいるのが誰か分かるか?」ラムは二人の顔を見比べ、悲しそうに首をふった。
「わしはおぬしたちの教師のサクラじゃ。隣にいるのは諸星あたる。ちょっとトラブルがあっての、そのせいでおぬしら二人の記憶が消えてしまったのじゃ」
ラムとあたるが顔を見合わせる。
「だがのう、記憶が消えてもお主らの心が変わったわけではない。それに、これから二人して新しい思い出をたくさん作っていけばよいのじゃ」
「二人して?」
「そうじゃ。おぬしら二人は婚約しておったんじゃ。互いに親しみを込めて、ラム、ダーリンと呼び合っておったぞ。それ、試しに相手のことを呼んでみい」
「・・・ラム・・・」「・・・ダーリン・・・」
「そうじゃ、それで良い。それで良いのじゃ」サクラはベットを引き寄せて二人の手を握らせると、黙って病室を出て行った。
「初めて会った気分なのに、婚約してるなんて可笑しいよな」
「そうだっちゃね」
「俺たち、仲良かったのかな?」
「思い出せないっちゃ」
「きっと、仲が良かったんだぜ。だって、こうして手を握ってると、とっても安心するんだ」
「うちも、おんなじ気持ちだっちゃ」
「ラム」「ダーリン」二人の繋いだ手に力が入った。窓から差し込む日の光が、二人の未来を優しく照らしていた。

The first Day 引用
No.160-214 - 2011/04/24 (日) 21:27:41 - コリエル ID:TkbTFNbA
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動し、地球人はラムたちとの記憶を全て忘れてしまう。
「あたる。休みの日ぐらい外に出たらどうなの。部屋にこもりっきりじゃ体に毒よ。それに窓閉めなさい、寒いんだから」
「ああ・・・」あたるは階下の母に生返事を返すと、開け放たれた窓に目を移した。心に穿たれた穴に寒風がふきぬける。その穴が何で満たされていたのか、あたるは
どうしても思い出すことができない。とその時、ドンガラガッシャーン。窓枠を突き壊し、バイクのような乗り物に跨って、鉄のビキニを着た女が飛び込んできた。
「よう。久しぶりだな」女は馴れ馴れしく声をかけてきた。
「な・・・なんだ。お前・・・」
「あたいの顔みて鼻の下を伸ばさないようじゃ、お前も大概ショックのようだな。まあ、そんなこたぁどうでもいい。だまって、あたいについて来な」
 女はわけの分からない事を口走ると強引にあたるを連れ出した。女とあたるは円盤型の宇宙船に乗り換え、星の海を矢のように突き進んだ。あたるの胸をよぎる不安
は不思議な予感でかき消された。どれほどの時を追い越したろう、星々のタイムトンネルを抜け、宇宙船は巨大な星雲を夜空に頂く惑星に音もなく着陸した。
 二人が降り立った場所は野外の円形舞台だった。その周りをおびただしい数の群衆が取り囲む。あたるが登場すると歓声が沸いた。あたるに向けられる視線が熱い。
「さて、お前も薄々わかってるだろうが、お前はある事が元で記憶を無くしてる。ここに連れて来たのは、その記憶を取り戻すチャンスをやろうっていう話なんだ」
 女の言にあたるは黙って頷いた。
「おっと、勘違いしちゃいけねえぜ。別に親切心で言ってる訳じゃねえ。あたいの親友があれ以来泣いてばかりで、辛気くさくてしようがねえから、白黒つけようって
だけなんだ。だから、簡単に記憶を返すわけにゃあいかねえ。お前が本当にそんな値打ちのある男なのか、あたいがこの目で確かめてやる」
 女は舞台の袖を見やると、あごで何やら合図をした。機械音とともに舞台の中央が割れ、奈落の中から三人の虎縞ビキニの女性がせり上がってきた。
「ここに、お前が心の底から大切に思ってる奴がいる。そいつを見つけて名前を当ててみな。そしたら記憶を戻してやるぜ」
 女の言葉を待つまでもなく、あたるは今が人生の転機であることを直感していた。彼は三人の女性に近づき、彼女たちの顔を見比べ始めた。美しいが無表情の彼女
たちは黙って空中を見据えている。だが、あたるには三人の顔が全て同じに見えている。観衆からは絶え間なく野次が飛び、鋭い凝視があたるの背中に突き刺さる。
「どうだ。大切な奴は見つかったか?」女が意地悪な顔で答えを急かした。「・・・いない。この三人の中には・・・いない」あたるは力なく首を振った。
「へぇ、そうかい。じゃあゲームは終わりにするかい」女が冷たく言い放った。
「いや、そうじゃない」あたるが言葉を発したその刹那、彼はそれまでとは違う眼差しが自分に向けられている事に気がついた。あたるはきびすを返して舞台から飛び
降りる。舞台上に残った女は、腕組みをしたまま意味ありげな笑みをたたえている。
 眼差しに導かれ、あたるは群衆の中に分け入った。人垣が割れた。その奥にフード付きポンチョを着た娘が立っている。あたるは娘に向かい歩みを進める。人々の
ざわめきが消えた。あたるが娘の前に立ってポンチュのフードを外すと虹色の髪が現れた。だが、娘は俯いたまま顔を見せようとしない。娘の肩が小刻みに震えている。
あたるは娘の髪の中に桃色の突起を見いだした。角だった。手を伸ばしてその角に触れた瞬間、彼は体中の細胞が生まれ変わるような衝撃を感じた。それが答えだった。
「見つけた。君が、ぼくの探している人だ」娘が小さく頷いたように見えた。「名前は・・・君の名前は・・・ラム・・・ラムだね」
 ラムが涙で濡れた顔を上げた。あたるの目にも涙が溢れ、彼女の顔が霞んで見えた。だが顔を確かめる必要などなかった。彼女こそ、あたるの求める全てだった。
「ラム。ただいま」「お帰りだっちゃ。ダーリン」二つの影が一つになった。どこかで小さな拍手が起こり、それは二人を取り巻く観衆全てに広がっていく。
 祝福の喝采の中、新しいラブストーリーの最初の一日が、ここから始まった。

永遠に失われない記憶 引用
No.160-213 - 2011/04/17 (日) 20:21:31 - コリエル ID:7eHCr/BI
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動し、地球人はラムたちとの記憶を全て忘れてしまう。
そして・・・。
「白発中。東南西北、一九筒・一九索・一九九萬。( ラム。今夜も星を見てるの)」
「かあちゃん。な・・・なんでもないっちゃ」
「発発発・二ニニ索・三三三索・六六六索・八八索?。(まだダーリンのこと、忘れられないの?)」
「そ、そんなこと・・・ないっちゃよ」
「一一一筒・九九九筒。一一一萬・九九九萬・九九索。(無理しなくていいの。あんなに好きだったんだもの、忘れられないのが普通なのよ)」
優しい言葉に、こらえていたものが頬を流れ落ち、ラムは崩れるように母の胸に顔を埋めた。
「かあちゃん。うち、ダーリンのことがまだ好きだっちゃ。でも、どうしていいか分からないっちゃ」
「東東東・南南南。西西西・北北。四五六萬。(つらくても、忘れなくちゃならないことがあるの。あなたにその勇気がある?)」
「うちの記憶も、消すってことだっっちゃ?」
ラムの母は、その言葉に静かにうなずいた。
 :
数ヶ月後・・・
「ねえ。お嬢さーん。住所と電話番号。」
「ダーリン!!。この浮気者。うちという者がありながら」ラムの電撃が宙を走る。
「わっ!。ラム、よせ!。お義父さんとお義母さんが来てるのに、ひどいことはよさんか」
「それはうちのセリフだっちゃー」
稲妻が飛び交う友引町の上空には、鬼星の宇宙船が停泊していた。船の中には難しい顔をしたラムの父が腕組みをしている。
「なあ、おかあはん。これでよかったのかいの?。闇の宇宙や、そのあとの鬼ごっこの記憶を消して、二人を元の鞘に戻してもうたが」
ラムの母は微笑むだけで何も応えなかった。
「これやったら、ただ前にもどっただけや。また、意地の張り合いして、しょうもない事になるんとちがうか」
「一一萬・一二三萬。四五六萬・七八九萬・九九九萬。(そうかもしれません。でも、今度こそ素直な心で絆を深めてくれる。そう信じてあげましょう)」
濃い沈黙がその場の空気を支配した、ややあってラムの父が口を開いた。
「そやな。子供を信じてやるのが親の仕事やからな。」父の顔に光が差し込んだように見えた。
「ところで、おかあはん。また、あの二人が意地っ張りを始めよったら、そんときも助けるんでっか?」
「春夏秋冬、梅蘭菊竹。(もう、助けたりはしませんよ)」
父の大きな手が母の手を包みこんだ。
「いや。おかあはんなら、きっとまた助けるて」
二人の暖かい眼差しに見守られ、友引町ではラムとあたるの追いかけっこが続いていた。

The Beginning 引用
No.160-212 - 2011/04/03 (日) 17:16:45 - コリエル ID:jbJScdxA
ボーイ ミーツ ガールの鬼ごっこ最終日前夜、記憶喪失装置のタイマーが動いていることを知ったあたる。
彼は自分の記憶を復活させるために、ラムとの出会いからの全てを漫画として書き残す事にした。
『バシッ!あたるの頬に平手が炸裂した。
「あんたなんか大嫌い!!」
「しのぶ!!」
「もう絶交よ!!」
橋の上で、少女を追いかけるあたる。しかし、しのぶと呼ばれた少女は拒絶の言葉を投げ返して行ってしまう。
「なんでえ!ちょっとほかの女をみただけじゃないか!」
取り残されたあたるは、欄干にもたれて愚痴をこぼすほかはなかった。と、その時
「わーっ、まてまてまてーっ!!」と叫ぶ声が、
「えっ」あたるが声の主を見とがめようとした刹那。
「はやまってはいかーん!!」
ドドドドドドドと轟音が響き、あたるは奇怪な小男に突き飛ばされ、川の中へと真っ逆さまに転落した。・・・』
 :
これが、後に漫画界を席巻する「うる星やつら」誕生の瞬間である。
尚、「うる星やつら」執筆中のあたるが記憶を取り戻し、ラムと再会を果たしたのは言うまでもない。

卒業、・・・そして 引用
No.160-211 - 2011/03/27 (日) 23:49:03 - コリエル ID:XnuRAfq6
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動し、地球人は「うる星やつら」の記憶を全て忘れてしまう・・・。
『仰げば尊し 我が師の恩・・・』式も終わりに近づき、卒業生の顔には涙も見られる。そんな中、諸星あたるは同級生とは違う喪失感に浸っていた。彼の高校生活の
記憶は、大切な一部分がすっぽりと抜け落ちているのだ。いつの頃からだろう、皆からあたるは変わったと言われてきた。その理由が何なのか、失った記憶が何なのか。
答えが見つからぬまま、友引高校の三年間が終わろうとしていた。『・・・今こそ別れめ いざさらば』
 :
四月を迎え、あたるは大学生になった。子供のころは特別に星が好きだった訳ではない。それなのになぜ天文学を志す気になったのか、彼自身にもその理由は説明でき
ない。天の川の横たわる向こうに、自分の探す何かがある。そんなことを考えながら、あたるは次の授業の教室へ向かっていた。
「あのぉ、すみません。312教室ってどこですか」見知らぬ娘が声をかけてきた。
「それなら、ぼくもその教室に行くところだから」あたるが応じると、彼女は「あたしって方向音痴なんですよね」と笑い、キョロキョロしながらついてくる。
数歩すすんだところで、「あイタ!!」と彼女が急にかがみ込んだ。
「どうかしました?」
「高いヒールに慣れてないから」どうやら、なにかの弾みでパンプスが片方脱げたらしい。
「お願い、ちょっとつかまらせて」彼女はあたるの手を頼りに、脱げた靴を履き直す。彼女の手のひらが妙に熱をおびている。その熱が伝わったのか、あたるの心臓が
アップテンポな調子に変わってくる。
「どうも、ありがとう」
立ち上がった彼女が礼を言った。あらためて見ると、とても可愛らしい顔立ちをしている。あたるは返事をするのも忘れて、彼女の顔に魅入ってしまった。
二人は教室に着くと、ごく自然に隣り合わせの席に座ることになった。あたるは、胸の鼓動を悟られぬようにしながら、大事な話題を切り出した。
「ところで、まだ聞いてなかったけど。君、名前は?」
彼女は、一瞬恥じらうように視線を落とすと、晴れやかな笑顔でこう答えた。
「私の名前は、組野。組野おと子」
 :
あたるが組野おと子と心を通わせ、彼女がその真実の姿を見せる日は、そう遠い未来のことではない。

明日へつづく最終回 引用
No.160-210 - 2011/03/19 (土) 14:05:36 - コリエル ID:wP.o93U.
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動し、地球人はラムたちとの記憶を全て忘れてしまう。
そして・・・。
「なんや、ラム。今夜も、星を見とるんか。」
「・・・うん・・・」
「おまえ、まだムコどののこと、忘れられんのと違うか?。意地はらんと地球に戻ったらどないや」
「なっ、何いってるっちゃ!。もう、ダーリ・・・、あんな奴のことなんか忘れたっちゃ」
「そうか、そんならええけど・・・。あんまり、おそくまで起きとらんと、はよやすみや」
ひとりになると部屋の冷たい空気が身にしみる。ラムは空の彼方にある見えない星にむかってつぶやいた。
「ダーリン。ほんとうにうちのこと忘れたっちゃ?」
ラムは頬をぬらす熱いものを拭うと、思い直したように小学館宛と書かれた大きな封筒から、原稿用紙を取り出した。
「ダーリン。これを読んだら、うちのことを思い出してほしいっちゃ。そしたら、きっと。・・・きっと、うちら、やり直せるっちゃ」
ラムがペンを走らせる真っ白な原稿用紙には、ラムとあたるの可笑しくも切ない恋の絵物語が描かれていった。
 :
これが、後に漫画界の至宝とうたわれる「うる星やつら」誕生の瞬間である。
なお、「うる星やつら」を読んで、あたるが記憶を取り戻し、ラムが幸せの涙を流したのは言うまでもない。

歴史的悲惨な最終回 引用
No.160-209 - 2011/03/06 (日) 19:03:16 - コリエル ID:iJd.ZDqk
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動し、地球人はラムたちとの記憶を全て忘れてしまう。
しかし、ここに只ひとり記憶の残滓を心の奥底に停めた者がいた。
編集:それじゃあ、そろそろ連載の内容をまとめてみましょうか。なんかイメージとかありませんか?
作家:そうですね。もの凄く運の悪い男が、色んな災難に遭うのをギャグっぽく描こうかと思ってます。
編集:なるほど。それで、第一話のプロットとかは?
作家:何だか、鬼ごっこという絵が頭の中にあるんですよね。
編集:ほー。
作家:鬼と鬼ごっこをして勝つんだけど、やっぱり外れを引いて、鬼の娘に取り憑かれる。そんな感じですね。
編集:面白いかもしれませんね。そのあとは?
作家:少しラブコメ調にして、実は外れなんかじゃなかった、大当たりだった。そんなふうにしたいです。
編集:いいですね。もう少し煮詰めて絵にしていきましょうか、高橋先生。

これが、後に漫画の歴史にその名を残す「うる星やつら」誕生の瞬間である。

忘れてしまいたい悲惨な最終回 引用
No.160-208 - 2011/02/27 (日) 22:07:00 - コリエル ID:NYxRlwiE
ボーイ ミーツ ガールの最後で記憶喪失装置が発動して、高橋先生が最終回を描いたことを忘れてしまい、
何事もなかったように翌週も連載を続けるうる星やつら。
読者としては、この方が良かったかも。

ネバー・エンディング悲惨な最終回 引用
No.160-207 - 2011/01/30 (日) 19:35:43 - コリエル ID:EJj9ZAww
完結編の最後で記憶喪失装置が発動してしまい、地球人だけでなく鬼星の人たちも全てを忘れてしまう。
「とうちゃん。うちら、なにしにこの星にきたんだっちゃ?」
「忘れてもうたが、侵略しにきたんとちゃうやろか」
「そしたら、やっぱり鬼ごっこで勝負するのけ?」
「そやな。・・・ところで見てみい。あすこに、へたり込んどる男がおるさかい、あいつやったら簡単に勝負がつくんとちがうか?」
「ふーん、何だか見覚えのある顔だっちゃね。わかったっちゃ。うち、あいつと鬼ごっこしてくるっちゃ」
こうして、再びラムとあたるの果てしない鬼ごっこが始まるのであった。

2011年最初の悲惨な最終回 引用
No.160-206 - 2011/01/16 (日) 22:27:12 - コリエル ID:/Behki9Y
完結編の最後で記憶喪失装置が発動してしまい、あたるが全てを忘れて呆然としていると、
待ってましたとばかりにエルの宇宙船がやってきて、あたるを連れ去って終わるうる星やつら。

泣く泣く悲惨な最終回 引用
No.160-205 - 2010/12/17 (金) 23:11:14 - コリエル ID:eSLjlXtU
完結編の最後で記憶喪失装置が発動してしまい、全てを忘れたあたるが
「この巨大な鬼(記憶喪失装置)に、俺の過去・現在・未来の謎が隠されている」と一念発起。
記憶喪失装置を解析して自分たちのラムに関する記憶を復活させ、鬼星であたるを待つラムと再会して終わるうる星やつら。
(またまた、あんまり悲惨じゃなかった。)

心あらたに悲惨な最終回 引用
No.160-204 - 2010/12/04 (土) 22:03:15 - コリエル ID:a59cgQ56
完結編の最後で記憶喪失装置が発動してしまい、全てを忘れたあたるが
「この宇宙(そら)のどこかに、俺の愛する女性(ひと)がいる」と一念発起。
光速ロケットを開発して宇宙を旅し、鬼星であたるを待つラムと再会して終わるうる星やつら。
(あんまり悲惨じゃなかった。)

たゆむこと無く悲惨な最終回 引用
No.160-203 - 2010/11/28 (日) 17:00:57 - コリエル ID:dKYu8WfU
一ヶ月に渡り投稿して参りました悲惨な最終回シリーズですが、内容の品質維持のため次回から不定期での投稿にかえさせて頂きます。
応援されていた方(いるのか?)には誠に申しわけありませんが、宜しくお願いいたします。
そのうち、いつの間にか終わるんだろうって?
いや・・・、そんな・・・、まさか・・・。ハハ・・・。ハハハ・・・。・・・・・・(^^;)。

臆面もなく悲惨な最終回 引用
No.160-202 - 2010/11/27 (土) 15:57:23 - コリエル ID:NYxRlwiE
内容の品質維持を理由に、週刊連載が隔週になり、やがて月刊、季刊、不定期掲載になって、いつの間にか終わっているうる星やつら。

もれなく悲惨な最終回 引用
No.160-201 - 2010/11/26 (金) 23:49:45 - コリエル ID:uGKg4Zbw
まわりとのしがらみから、ボーイ ミーツ ガールで連載終了することができず30年以上連載を続けた結果、新しいサブキャラに押される形で
しのぶや面堂すら滅多に顔を出さなくなり、たまに登場したときにはセリフでそれとなく自己紹介しなければならなくなるうる星やつら。

苦もなく悲惨な最終回 引用
No.160-200 - 2010/11/26 (金) 00:15:36 - コリエル ID:uGKg4Zbw
ボーイ ミーツ ガールのあと、関連グッズメーカーとのしがらみで、「作画:XXXX、原案:高橋留美子」になってコロコロコミックで連載が
再開するうる星やつら。

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  11. 必ず「うる星やつら伝言板」についてをお読みください。