柳田理科雄先生のように数字を駆使しての解説はできませんが、鬼属と地球人の関係について考察したいと思います。
鬼属の超能力については後で考察しますが、まずは鬼属と地球人の相似について。鬼属と人地球人との外見上の差は「ツノの有無」と「頭髪の色(CDの虹色と同じ)」
くらいのもので、体全体の作りは非常に良く似ています。そればかりではありません、「系図」(コミックス2巻3話)でラムは諸星こけるにツノが無いのを見て、自分と
あたるの子どもではないことを嘆いています。これはラムとあたるの間に子どもができたら、ラムの形質が遺伝することを意味しており、鬼属と地球人は遺伝子レベルまで
同じな生き物ということになります。つまり、鬼属と地球人は共通の祖先を持っていて、過去の何処かの時点で枝分かれしたと考えられるわけです。
ところで、鬼属と地球人の科学レベルを比べると、鬼属はテンちゃんですら恒星間旅行を苦もなく行っているのに対し、地球人は衛星(月)に人を送るのさえ国家規模の
プロジェクトが必要です。このことから、地球人が過去に鬼星に到達していたとは考えにくく、逆に鬼属の祖先が過去の地球にやってきたと見るのが自然です。
さて、地球上には鬼属が到来したことを示す痕跡は見当たりません。その宇宙船も彼らの築いたであろう文明の痕跡もない。もし、植民目的で地球にやって来たなら、幾
ばくかの痕跡が残るはずです。それに遠い鬼星から地球に到達するだけの科学力があるならば、植民に成功して今頃地上は鬼たちでいっぱいだったはず。このことから、地
球を訪れた鬼属たちはかなり少数で、且つ鬼星との連絡は希薄であったか、あるいは全く無かったのではないかと考えられます。おそらく、鬼属が地球を訪れた理由は遭難
や亡命といった緊急避難的なものだったのではないでしょうか?。
さて、鬼属の特徴として数々の超能力が上げられます。人類が鬼属の子孫と仮定して、これらの超能力はなぜ人類に引き継がれなかったのでしょう。
ここで鬼属の超能力について考えてみましょう。ラムと言えば電撃です。その発生原理はわかっていませんが、エネルギーは計算できます。
ラムはビューティフル・ドリーマーでプールの水を電撃によって一瞬で蒸発させています。プールの大きさはレオパルド戦車の大きさ(L9.54m x W3.25m x H2.61m)
から推定してL12.5m x W7m x H1.3m = 113.75立方m、水の量は約114tとなります。蒸発に要するエネルギーは1kg 当たり2,257,000ジュールですので、
2,257,000 x 114,000 = 257,298,000,000ジュール、熱量に換算して61,468,000キロカロリー。このエネルギーを体内の脂肪を燃やして発生させたとすると、
脂肪 1グラムで 9キロカロリーなので、脂肪が6,829キログラム必要になる。約7トン。なんと、ラムはオンリーユーの「七化けのロゼ」も真っ青の巨漢だったのです。
しかし、うる星やつらのどこを見ても、そんなラムの描写はない。高橋先生が出鱈目を描くはずがないので、私の計算のどこかに間違いがあるに違いない。そうだ、脂肪
をエネルギー源にしたのがいけなかった。しかし、ラムの体重を50キロとして、約20%がそのエネルギー源だったとすると、1グラム(1円玉の重さ)あたり6,147キロ
カロリーで ステーキ15枚分にもなります。地球上にそんな高エネルギー密度の栄養素は見当たらない。
ん。待てよ。ラムは宇宙人なんだから、なにも地球の栄養でなくても良いですね。そういえばテンちゃんが鬼属のお菓子をツバメや微生物に与えて巨大化させていました。
どうやら、鬼星にはすばらしく高カロリーな栄養素があるようです。この栄養素が超能力のみなもとだったのです。
先程書いたように、鬼属が地球にやってきたのは緊急避難的な理由です。当然、鬼星の食料は限られている。それを食べ尽くしたら、あとは地球にある食料で食いつなぐ
しかありません。そうなったら超能力を使うこともできなくなる。使わない機能が退化するのは進化の必然で、鬼属たちは超能力を使えなくなった。鬼属のツノと超能力は
密接な関係があるらしいので、当然ツノも生えなくなる。こうして、鬼属は目出度く人類へと進化していったというわけです。
これで、人類が鬼属の子孫であることが判ったわけですが、長くなったので続きは別の機会に。 |
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