リバースリバース〜先祖をたどれ(4) (Page 1)
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リバースリバース〜先祖をたどれ(4)
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所変わって、ここは面堂邸。

広い敷地に「どん」と構える大きな建物。今は一室を除いてはすべてが暗く、夜の闇にうっすらその姿を浮かび上がらせている。
そしてその明かりのついた一室に面堂の声が響く。
面「邪魔者や部外者が入らんよう、警備の方は万全だな?」
緊張感を感じさせるきびきびした声だ。
面堂のいる部屋は、長ーーーいテーブルと無数のいすが並ぶ食事をする場所だった。面倒はそのテーブルの先頭と呼べる場所に座っている。
周りに数人いるサングラス部隊の一人が面堂の質問に答えようと口を開く、が、なにか思い出したといようなジェスチャーをとり、ポケットをごそごそさせた。
探していたものを見つけ、ポケットから取り出した。
取り出したもの、それは・・・入れ歯(未使用w)だった。
それを持って近づき、入れ歯を面堂の腕にくっ付けた。(歯ぐきのところは両面テープとなっているらしい)そして答える
サングラス「万全でございます」
答えを聞きながら腕についている入れ歯に目をやる。まったく理解できないうえ気色悪い。
だが今はそれをどうこう言うより、聞かなくてはならないことが多かった。
面「家の者は皆、間違いなく外出しているだろうな?」どこかで聞いたようなセリフである。
また、サングラス部隊の一人がまた歩み寄ってきた、今度は手に葉っぱを持っている。それを入れ歯の付いてないほうの腕に貼り付けた
サングラス「全員出かけています。屋敷には我々と若お一人だけです」
両腕に付けられた意味不明な物に不快感を抱きながらも面堂は質問を続けた。
面「して、完成に必要な材料は?」
再びサングラス部隊の一人が歩み出てきた。なにやら紙を持っている、「は」という文字が書いてあるようだ。
そしてそれを貼り付けた。場所は面堂の額である。
サングラス「準備できております」
面堂はキレた。
面「貴様ら、面堂家次期頭首である僕をバカにしているのか!?」両腕についた入れ歯と葉っぱを振り落とし、「は」と書いた紙を取り除く
慌ててサングラス部隊が弁解をはかる。
サングラス「とんでもございません、私どもはただ、若の言ったことに従ったまでで・・・」
面「どこの世界に、入れ歯を腕につけてもらいたい奴がいるんだ!!」
もっともな意見である。
サングラス「しかし若が、答える時には「は」を付けろと・・・」
面堂は愕然とした。さっきまでの怒りはどこかへ消え去りひどく惨めな気分と情けなさが襲ってきた。
とにかくとんでもない誤解を抱いた部下たちに本当の意味を教えるべく、面堂は力なき声を発した。
面「おまえら、「は」っていうのは言葉でいいんだ・・・」
自分でいったこの言葉に恥ずかしさのようなものも感じる。サングラス部隊はなるほどっと手をポンと叩いて、周りの者たちと納得の顔で見合った。
落ち込んだ気分を取り直すべく、思わぬところで脱線した本題へと話を戻す面堂。
面「では、いただくとしよう」
サングラスの一人が面堂の目の前のテーブルに何かを置く。面堂はそれを緊張した面持ちでじっと見つめている。
どうやらどんぶりのようだ。そして、どんぶりの中には白くキラキラと光るご飯がひきつめられていた。
さらにどんぶりの脇に蓮華がおかさった。最後に小さな袋を置く。
ここで面堂が動き出した。
かすかに震える手で小さな袋を掴み、先端を破る。そしてその袋の中身をどんぶりの中へと振りかけた!!
すでに隣でスタンバイしていたサングラスが持っていたやかんからお湯を注ぎ込む。
そして・・・(※こっからはどこか〜でみたようなやり取りが少し続きますw)
面「こ、これが、世に名高いお茶漬け・・・」詰まりそうな声で面堂が言った
サングラス「さようでございます」しっかりと受け答える。
面「長年の憧れだった・・・」面堂は目の前にある、もくもくと湯気立つお茶漬けに感動した!!
さらに、この言葉の深さを理解したサングラス部隊が泣き始める。
そして口々に
サングラス「若、おめでとうございます。」
サングラス「おかわいそうに。」
サングラス「高貴な生まれ故の悲劇・・・」この言葉に面堂が答える
面「い、いんだ。」うまく口が回らず言い直す。
面「いいんだみんな・・・こうしてお茶漬けを目前にした今・・・」ここで一回言葉を力をためた。そして、今のうれしさをいっぱいに詰め込んだ声をあげた。
面「もう思い直すことはない!! ああっ、僕は!! 僕はしあわせだ!!」泣きながら叫ぶ
面堂は、テーブルに置かれた蓮華を手に取った。そして、お茶漬け目指して腕を動かした!!

【諸星が邪魔しに来ることをある程度想定していたので、警備は万全にしていた。だが奴が超のつくほどの常識ハズレであったことを忘れていた(面堂談)】


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