…諸星？そうだ！――――な諸星がこの話を聞きつけたら…―――をダシに―――――――――に違いない…
　　　　さらに―――を諸星とうまく――――…きっと―――――――――――――――し、それをそばに―――が・・・）
　　　　（錯乱坊にアイスクリームをやるだけの価値があったな…面堂終太郎…長年の夢に一歩前進しそうだ…）
面堂「錯乱坊、礼を言うぞ！はっはっはっはっは！諸星、わが世の春もそう長くはないぞ！せいぜい今のうちに楽しんでおくんだな！はーっははは…」
あたる「今は夏だぞ？面堂。お前この暑さでおかしくなったんじゃないのか？」
面堂「貴様はもっと慣用句というものを勉強しろ！」
あたる「はいはい」

あたる（…しかし気になるな…。よし！ここはひとつ）
あたる「錯乱坊…お前は冷やし中華は好かんか？」
錯乱坊「大好物じゃが・・・」
あたる「今度一杯奢ってやろうではないか…」
錯乱坊「…『耳寄りの話』かのう？」
あたる「そうそう、お前も話が分かるようになってきたではないか…」
錯乱坊（…諸星の財力ではこれ以上粘っても逆効果じゃのう…）
あたる「おごってやるからさっさと面堂に話したことを一字一句たがわず今すぐ話せ！」
錯乱坊「最近の若いもんは…ほれ、耳を貸せ」

錯乱坊はひそひそとしゃべりはじめた…



あたる「なにいーー、『校内人間競馬大会』ィー？」
錯乱坊「そうじゃ。」
あたる「やっぱりロクな話じゃなかったわい、聞くだけ時間の損じゃった」
錯乱坊「待て、まだ話は…」
あたる「あるんなら手短に話せ」
錯乱坊「豪華賞品もあるぞ！」
あたる「どうせしょうもないもんにきまっとる！」
錯乱坊「―――と―――と――――じゃぞ…」
あたる「…！！その言葉まことだな！ぐふふ…」

ああ、締まりのないあたるの顔。
この世で最も「にへら」という擬態語の似合う顔である。

あたる「どんなことがあっても参加してやる…参加してやるぞ…なんせ天下御免で…おおっといけない、ほかの人間に知られてはライバルが増えちまう…
　　　　しかし…ぐふふ、ぐふふふふふふ…　あ、そうだ…」

錯乱坊の耳元でささやくようにあたるは話し始めた…

あたる「いいか、今の話…特に賞品については絶対にラムに言うなよ…絶対にだ！」

あたる「これでよしと…ぐふふっふふ…生きてさえいればいいことがある！人生バラ色じゃあ！」
テン「相変わらずアホなつらしよるなあ…ある意味感心するで」
あたる「なんだと、ジャリテン！」
テン「やるかあ〜〜〜」

いつものように喧嘩。
さて、この時点で大半の人が理解したのは『校内人間競馬大会』なる行事が催される事。
諸星あたるや面堂終太郎という曲者を突き動かした肝心の賞品は謎に包まれたままだ。

「牛丼一万杯とか」
「耐電スーツあたりか？」
「うる星やつら全巻…違うか、ハハハハ」
「…三宅しのぶ…」
「いや、宿題免除じゃないのか？」
がやがやがやがや…
男子、女子共にこの『校内人間競馬大会』の話題で持ちきりになった。

ラム「ダーリンがあんな顔するなんて…どーせろくでもないものに決まってるっちゃ！」
テン「そーやそーや！」

さて、喧騒に包まれた教室で…

メガネ「」チラっ
パーマ「」チラっ
しのぶ「」チラっ
サクラ「」チラっ
錯乱坊「」チ…

メガネ・パーマ・しのぶ「「「やめてくれ！！その顔でやられるとかなわん！！！」
サクラ「叔父上…

目くばせをした五人（なぜかサクラがいる）は何を思ったか教室の隅に集まった。思えば、妙なメンツである…。

メガネ「それでは明日の午後二時…喫茶ぴぐもんにて例の第一回委員会…くれぐれも時間厳守で…。」
パーマ「うん」
しのぶ「ええ」
サクラ「承知した」
錯乱坊「うむ」


ガラッ
ジロッ
温泉「うぬぬぬ…チミたち？」
はっ…
男子A「イケねえ温泉だ…」
あたる「なにィ？」
面堂「しまった…僕としたことが妄想にうつつを抜かして監視を怠るとは…何たる失態！」
温泉「俺は確かに見張りに来ると言ったと思うが…ま、さ、か、そのあとのお約束もお忘れになってないよな…」
あたる・面堂「「さあ…なんのことだったかしらん？」」

温泉「とぼけるなお前ら！！ちょっとでも俺が目を離すとすーぐこうだ！よしそっちがその気ならこっちもこうだ！
　　　一学期のこのクラスの英語の成績は全員『１』だ！来週の終業式を覚悟しておけ！！！！」


んでもって月曜日。友引高校掲示板

「　　　　　　　　　　　　告
　　　　　　人間競馬大会開催について

目的：夏季休暇中の生徒の体力向上及び生徒の愛校心の醸成ひいては
　　　　清く正しく――――――ため…だっちゃね。
内容：…自転車で本高校正門から――ふんふん。
参加資格：特になし…だっちゃね…
規定：一、自転車もしくは徒歩およびそれに準ずる手段にて移動すること
　　　  二、妨害自由、か
賞品：一、金伍万円也
　　　  二、…