夜…… (Page 2)
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「うふふ・・・それじゃおやすみだっちゃ〜」
「待て」
「え、何だっちゃ?」
「ラム…」
「………」
「言いたいことがある……………」
「え、な、な、な…ちょっと、こんなところでいうのけ?」
「言うんだよ、ほら、耳を貸せ」
「もう、デリカシーがないっちゃ………しょうがないダーリンっ……」
「……………」
「……………」






「このどアホ」
「うん、うちもダーリンのことそう思ってたっちゃ……」
「……?まだ何を言ってるのかわからんのか?このアホ」
「そんなことないっちゃ!ダーリンがうちのことどアホって…………へ?」
「さ〜て、寝るか」

電気のスイッチをパチン。



「ん〜〜〜〜〜〜〜〜!!ダーリンのバカ〜〜〜〜〜〜!!」



いい気味じゃ。俺を散々悶々と苦しめた仕返しじゃ。
耐電スーツのおかげでこっちにはな〜んのダメージもない。
おや、光が消えた。ようやく効果のないことを悟ったのか、電撃をやめたらしい。
気づくのが遅いんじゃ、このアホ…………



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!


ダメだ。まったく眠れん。我ながらあんなアホに安眠を妨害されるなんて、一生の不覚じゃ。
猛烈にラムの顔を見たい衝動に駆られている。…ちょっとだけなら…

「ぁ」

思わず叫びそうになったのであわてて手を塞いだ。不気味な顔だ。まるで骸骨に見える!
もっと近くで見ねば…
くっ、耐電スーツが重い!もそもそモソモソとしか動けんではないか!
よ〜し、コツをつかんできたぞ、この調子ならもうすぐ顔が・・・




けっ、驚いて損した。いつものラムだ。俺の苦労も知らんとすやすやすやすやと寝てやがる。
光の当たり具合で陰になってるだけじゃないか。寝ぼけてたことに腹が立つ。寝よ寝よ。



………またこんなことで一人驚いてはかなわんな。叫び声を上げたら一巻の終わりじゃ。
ラムの方を向いて寝るか。顔がよく見えるよう近づけば驚くこともあるまい。
もそもそモソモソ・・・ふぅ。ここまでくればよく見える。さあ、不安要素はすべて解決した。寝るったら寝るぞ!








「ふぁーっ。あ、ダーリンおはよーっ!よく眠れたっちゃ〜。 ふふふふっ」


結局一睡もできんかったではないかっ。ラムから離れても近づいても眠れないなんていったい俺はど〜すればよかったっちゅ〜んじゃ!
つくづくラムの掌の上で踊らされてる自分が情けなく思えてきた。

「昨日の夜のことは忘れないっちゃ〜。うふふふふっ。ダーリンも意外とウブだっちゃね〜。うふふふっ」
何がウブだと!だから耐電スーツを着て何ができるっちゅ〜んじゃっっ!!!ふっふっふ、今に見てろよ!俺がこんなもんで済むと思ってもらったら大間違い・・・
「あさごはんできたわよーっ。はやくおきておりてらっしゃーい」


「はーい、お・か・あ・さ・ま」

何だあいつ。俺にウインクしたぞ?






何事もなかったかのように一日がまた始まった。
朝食を済ませ、テンとの軽い朝のウォーミングアップも終え、学校に着いた。

………ダメだ。いつも以上に授業に身が入らん。
寝不足とみょ〜な緊張が取れないのに加えて、昨日(正確に言えば今日か)見たラムの寝顔が・・・脳裏にちらつく。
すうすう寝ていた寝顔は…………まあ、及第点だな。………でもたまにはこんなのも、まあ悪くない・・・・・・と思っていたのだが!



「ダーリンどうしたっちゃ?頭に小槌がめり込んでるっちゃよ?……さては終太郎とケンカしたっちゃね?」


あのアホ、しっかり起きてやがった。
あろうことかこの俺がラムにキスしようとしたと会う人会う人にに言いふらしたらしい。勘違いにもほどがあるっちゅ〜んじゃ!

「ダーリン、うちの質問に返事ぐらいするっちゃよ?いくらうちとキスできなかったからって、そんなにふてるんじゃないっちゃ。」

前言撤回。あんなこと思った自分に腹が立ってきた。

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