うる星やつら―アナザーワールド― エピソード5 (Page 4)
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 「そうなのよ、私も家に帰ろうかと思ったんだけど、家には絶対にこっちの世界の私が居るはずだから、ここに戻ってきたの」と言った。そんなパーマとしのぶの会話を聞いていたあたるが
 「しかし、ずっとここに居る訳にもいかないよな?かと言って行くあても無い」と言うと、面堂が
 「それなら僕にあてが有る」と言って、みんなに
 「僕の後について来てくれ」と言うと、歩き始め、みんな面堂の後をゾロゾロとついて行った。

 一方、一人残されたラムは雨の中ずぶ濡れになりながら、ランの宇宙船に向かっていた。ラムはランの宇宙船に着くと
 ピンポーン
ドアの横にあるボタンを押した。ラムは少し待ったが中からは何の気配も無い。ラムは
 「こんな時間だし、ランちゃん寝ちゃってるっちゃね」と言いながらも
 「でも、寝てるなら起きるまでチャイム鳴らすっちゃ。ウチはのんびりなんてしてられないっちゃ」と言い、ボタンを何度も押した。
 中では、ラムのチャイムにいい加減目を覚ましたランが時計を見ると、夜中の1時過ぎだった。ランは
 「一体、何処のどいつじゃ……こんな時間に」と言うと、モニターのスイッチを押した。するとそこにはボタンを押しまくるラムの姿が有った。ランはボタンを押しまくるラムの姿に怒りが込み上げ
 「じゃかぁしぃわぁ!!!ラム!おんどれ、今何時だと思うとるんじゃ!!!」とマイクに向かって怒鳴った。その声は、外に居るラムにもスピーカー越しに聞こえて来て、ラムは
 「あ、ランちゃん。やっと起きたっちゃ」と言った。それを聞いたランは
 「あれだけチャイムを鳴らされれば、誰でも起きるわい!で、こんな時間に何の用じゃ」とラムに聞くとラムは
 「緊急事態だっちゃ、だからランちゃん中に入れて欲しいっちゃ!詳しい話は中でするっちゃ」と言った。ランは
 「ほな、開けるさかいちょっと待っとれ」と言うと、ランはドアの所へ行きドアを開けたが、ラムを見て驚いた。頭から足の先までびしょ濡れだったからだ。ランはそんなラムに
 「ラム、お前どないしたんや?そんなびしょ濡れで……ちょっと待っとれ」と言うと、奥からタオルを持って来てラムに渡した。ラムはタオルを受けとると
 「ランちゃん、ありがとう」と言って体を拭くと中に入った。ランは、ラムを中に入れると
 「で、緊急事態とはどう言う事じゃい」と言い、紅茶を淹れた。ラムは、あたるのドッペルゲンガーが現れて、調べたらピグモンの前に空間の歪みが発生していた事、ラムが過去にタイムスリップして空間を閉じる為に機械を設置した事、サクラに呼ばれてピグモンの前に行ったら空間の歪みが拡がっていて、機械を確認したら一台がずれていて電磁パルスがちゃんと照射されていなかった事、そして最後にラム以外のあたるを含む全員が向こうの世界に行ってしまったらしい事を、説明した。ランは、黙ってラムの話を聞いていたが、一通り話を聞くと
 「ふぅ〜ん、話は分かったけどぉ、どうして私の所にきたの?」と言った。ランは紅茶を飲んだせいか落ち着きをとりもどしていた。ラムは
 「う、うん。ランちゃんは、レイに会いに行くとき異空間を抜けて行くから、ランちゃんなら何か解決法知ってるかなぁって」と言うとランは
 「まずは、ダーリン達をこちらに戻す方法を考えないとね」と言うと、奥から何か機械を持って来て
 「ほなラム!行くで」と言ってドアを開けると、もう雨はあがっていた。ラムとランは、暗闇の中を喫茶店ピグモンに向かった。やがて、ピグモンの前までくるとランは
 「ここやな?」と言うと、ラムとは違う機械で空間の歪みを調べた。するとその機械を見ながらランは
 「!!な、なんやて?こんな数値あり得へんで!」と言った。ランの驚き様にラムは
 「え?ランちゃん、どうしたっちゃ?」と聞くと、ランは
 「この空間……えらい事になっとるで」と言うとラムは
 「えらい事って?」と更にランに説明を求めると
 「このままじゃ、2つの世界の境界が無くなってまうで……」と言った。ラムは、それが何を意味するか良く分からず
 「境界が無くなってしまったら、どうなるっちゃ?」とランに聞くと、ランは
 「恐らく、両方の世界は消滅してまうやろうな……」と言った。それを聞いたラムはがく然として
 「そ、そんな……何か、何か元に戻す方法って無いっちゃ?」と言うとランは
 「それには、この歪みが拡大した理由が分からんと無理や……」と言った。するとラムは、慌てて
 「それなら、ウチの設置した機械が暴走したせいだっちゃ!」と言ったが、ランは
 「いや、それはただのきっかけや。歪みが拡大した理由は他に有るはずや」と言った。するとラムは少し考えて、ハッとして
 「もしかすると……サクラが言ってたっちゃ、ここでチェリーとやり合ったって」と言った。

 拡がり続ける空間の歪み。2つの世界に迫る危機。空間の歪みを閉じる方法は有るのか。

                   to be continue

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