うる星やつら―アナザーワールド― エピソード7 (Page 4)
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 「俺だって好きで出てきた訳じゃない、花輪先生に無理矢理に用具室からひきづりだされ、教室に連れて行かれたんだ」と言うと、更にサクラに
 「花輪先生の話では、もう一人の私は今日は学校に行ってないらしいのですが……」と言った時、何かを思い出した様に
 「あ!そう言えば、お前達何で学校にも行かずにこんな所に居るんだ!」と言った。するとサクラが
 「ちょっと待て、お主今こやつらが学校に行ってないと申したか?」と温泉マークに聞くと、温泉マークは
 「はい、ここに居る9人……あれ?1、2、3、4、5、6、7と一人一人指を指して数えると、ラムくんと、藤波はどうした?」と言った。あたるは温泉マークに
 「ラムは、こちらの世界には存在しない……竜ちゃんは、分からないな」と言った。すると温泉マークは
 「さっきから、こっちの世界だの向こうの世界だの、何の話なんだ」と聞いた。その質問にはサクラが
 「実はな、今我々が居る世界は本来我々が居た世界とは別の世界なのじゃ」と答えると、温泉マークは益々混乱して
 「え?それはどう言う事なんですか?」とサクラに聞いた。サクラは
 「早い話が、パラレルワールドと言うやつじゃな。我々の世界とは違う時間の流れの別の世界じゃ」と言うと、面堂が付け加える様に
 「つまり、この世界にはこの世界の僕達が居る訳です。本来は、決して交わる事の無い2つの世界が、今は繋がっていて何かの原因で僕達は、こちらの世界に飛ばされたんですよ」と言ったが、温泉マークは
 「そんなバカな!飛ばされたって……俺は何も感じなかったぞ」と面堂に言うと、面堂は
 「飛ばされても、実感は無いんです。現に僕達も飛ばされた時は、何も感じませんでしたからね」と言った。温泉マークは面堂の話を聞いても、まだ信じられないようすだった。その時あたるが
 「そんな説明よりも、こっちの世界の俺達が学校に行ってないのは、おかしくないか?」と言った。それを聞いたメガネも
 「確かにな、誰か一人ならともかくここに居る全員となると、話は別だ」と言い、パーマは
 「学校に行ってないと言う事は、こっちの世界に居ないと考える方が自然では?」と言った。その時しのぶが
 「でも、学校に行ってないのはここに居る人の他にも居るのよね?ラムはともかく、竜之介君が居ないのはどうして?」と言うと、温泉マークが
 「それなんだが……藤波も、ラムくんも、名簿に名前が無かったのだ」と言った。それを聞いたあたるは
 「実は、さっき家に行ってみたんだが……」と言うと、面堂が
 「なんだと!こんな状況で家に行くなんて、貴様はどこまで……」と言いかけたが、サクラが
 「まぁ落ち着け面堂、とにかく諸星の話を聞こうではないか」と言ったので、面堂もあたるの話を聞く事にした。あたるは、話の続きを話し始めた。
 「俺は、とにかく家に帰って自分の部屋を調べたんだが、ラムの居た痕跡は何一つ無かった。それで親に聞いてみると、なんと、この世界では地球に鬼族、つまりラム達は侵略には来ていないらしい。だからあの、俺とラムの鬼ごっこも無かったって訳だ」あたるが一通り話すと、面堂が
 「だから、この世界にラムさんは存在せんのか……しかし、竜之介さんはどう言う事だ?」と言った。するとサクラが
 「もしかすると竜之介の場合は、ただ単に友引高校に転校して来て居ないだけかもしれんな」と言い、温泉マークも
 「なるほど、それなら名簿に名前が無かったのも納得できますね」と言った。そして、それまで黙って話を聞いていたしのぶが
 「すると、こっちの世界の私達は向こうの世界に居るって事?」と言うと、メガネが
 「恐らくな……」と言い、続けてあたるが
 「だったら、俺達も自分の家に帰った方がいいのか?」と言った。するとサクラが
 「うむ、そうなるな」と言った。そしてチビが
 「も、もしかして、俺達もう元の世界にもどれないのか?」と言うと、カクガリも
 「俺達は、完全に入れ替わってしまっているみたいだからな」と言った。しかしサクラは
 「希望は捨てるな、向こうの世界ではラムが元に戻す方法を探しておるだろう。今は、ラムを信じて待つしかない」と言った。サクラの言葉を聞いて、あたるは
 (ラム……俺達の運命は、お前にかかってる。頼むぞ)と心の中で祈った。

 刻一刻と迫る破滅の時。しかし、それを知るのは僅かな人間だけ。そんな中で、ラムは破滅を食い止める為、奔走する。

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