うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第4章 真実 (Page 1)
Page: 01 02 03 04

      うる星やつら
     チェンジ・ザ・ライフ
     第4章   真実

 あたるの余裕を見たラムは
 「ダーリン、一体どうやって入るっちゃ?」とあたるの作戦に興味津々の様子だ。そんなラムにあたるは得意げに説明を始めた。あたるの作戦はこうだ
 ※まずラムがブレスレットを使ってゲートを通過する。その時にあたるはラムにピッタリと密着して一緒に入る※
 と言う物だった。ただそれだけだった。その説明を聞いたラムは、思わず言葉を失った。そんなラムの反応にあたるは
 「なぁ、完璧だろ?」と得意げに言ったがラムはため息をつき
 「ダーリンに期待したうちがバカだったっちゃ」と言った。するとあたるは
 「何だ?俺の作戦が気に入らないのか?」と言ってラムに詰め寄った。そんなあたるにラムは
 「気に入るも何も、そんなの無理だっちゃ!いくら人が居ないって言ったって、カメラで見てるはずだっちゃ!」と言った。それを聞いてあたるは
 「なに?う〜ん、それは予想外だ」と言うと頭を抱えた。そんな二人に突然
 「おい!お前たちこんな所で何してる!」と声をかけた人物が居た。あたるとラムは、その声に反応して振り向くと、そこには白い研究服らしき服を着た男があたるとラムを睨んでいた。あたるは男の服装見るとラムに小声で
 〈おいラム!あいつって、もしかしてここの?〉と言うとラムも小声で
 〈研究員だっちゃ〉と言った。それを聞いたあたるはラムの方を見た。そしてラムもあたるの方をみると、お互い言い合わせた様にニヤリと笑った。そんな二人に研究員は
 「おい!何をしてるか聞いてるんだ!」と言ったが、言い終わるとほとんど同時にあたるとラムは研究員に襲いかかった。意表を突かれた研究員はなす術もなく、あたるとラムに身ぐるみ剥がされ、ロープでぐるぐる巻きにされた。
 あたるは研究員から剥ぎ取った研究服を着て、首から研究員IDをぶら下げそのIDを使って堂々とゲートを通過した。ラムも続いてゲートを抜けると、いつも行ってる部屋に向かい、あたるも少し離れて後を追った。やがてラムは1つの部屋の前で止まると、あたるの方を見て軽く頷いた。それを見て、あたるも頷くとラムはドアを開けて中に入って行った。あたるは音をたてない様に注意しながらラムが入った部屋に近づき、耳をすませ中の様子をうかがって居たが、話し声もせず静かになったのでドアを少しだけ開き中の様子を覗いてみた。そこには特殊な椅子に座らされているラムの姿と、そのすぐ側で何やら端末らしき物を操作している研究員らしき男が居た。ラムは、何かで眠らされているらしく目を閉じピクリとも動かない。ブレスレットはまだ腕に着いたままだった。男はいわゆる美形の顔立ちで、あたるは見ているだけでイライラしそうな絶対にウマの合わない人種なのは間違いなかった。すると、男は端末から離れ、ラムの所へ行くと何やらカードの様な物をポケットから取り出した。それを見たあたるは
 (あれがラムが言っていたカードキーか…)と思うと、男の行動を観察した。男がおもむろにカードをラムのブレスレットにかざすと、ラムのブレスレットはあっさりと外れた。あたるは
 (なるほど、やっぱりあのカードが有ればブレスレットは簡単に外せるんだな)と思ったが、何か違和感を感じた。あたるはその違和感が何なのか知る為に、注意深く研究員の男を観察した。男の見た感じは、あたる達と同じ20歳前後に見えた。服装はあたるが着ている研究服とは少し違う感じの研究服を着ていて、特におかしな所は無い様に見えた。あたるは、何に違和感を感じたのか悩んでいる時、ラムの言葉が頭を過った。
 『うちは、何かの感染症に感染してるらしいっちゃ…』
 あたるはラムの言葉に違和感の原因が有る事に気づき
 (そうか!違和感の原因はこれだったんだ!)と思い、再度研究員の服装をチェックした。靴は、普通の白い上履きの様な靴。ズボンも普通の白いズボン。上着は、いかにも研究員と言った感じの白い研究服。そして、手は素手で頭には何も被っていない。それを見てあたるは

Page 2
戻る
Page: 01 02 03 04