友引高校こたつ騒動 (Page 3)
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しのぶは怒って近くにあった校長の机を持ち上げた。
 「そうだっちゃダーリン、あんなかわいい子ぎつねがこんなことするわけないっちゃ!!」
ラムもこれにはすこし怒った様子であった。
 「ふ、たしかにあんな子を疑うとはな、きさまもつくづく非常識なやつだ。」
さらに面堂もあたるに文句をいった。
 「じょ、冗談だって。きつねと聞いたから初めにあのきつねのことが思い浮かんだんだよ。」
 「いいかげんにせんかおのれら!!けんかはよそでやれい!!」
サクラさんが一喝して4人は固まってしまった。
 「ふう、とにかく校長、そのこたつを買った店に案内してはくれぬか?」
 「え、ええわかりました。」

ということであたるたちはそこに行くことになったわけだが、しばらく歩いていて
 「ねえダーリンこのあたりにこたつ屋なんかあったっちゃ?」
とラムが口を開いた。
 「いや、俺は知らんが・・・。」
 「私も知らないわよ。面堂さんは?」
 「いえ、僕も知りませんが・・・。」
どうやらサクラさんも知らないようだった。
 「ここです。」
またしばらく歩いた後、校長が口をひらいた。
 「・・・どこですか?」
サクラさんは校長に尋ねた、他の4人も同じことをいいたそうな顔をしていた。
そう、そこにはなにもなかったのだ。
 「・・・・???!!!」
校長は驚いてなにも言えないようだった。
 「ここ、ずっと前からただの空き地よ。」
しのぶが重く口を開いた。
 「そ、そうなんですか・・・。」
 「ん?どうしたんだ諸星。」
なにかを考え込んでいるあたるに面堂がきいた
 「いや、なにかがこういつもと違うような・・・ほらこういうとき誰かかいつもいるだろ。」
 「あ、あ〜チェリーか。」
あたるが慌てて面堂の口を封じた・・・が!!
 「よんだか?」
ちゅっっっっっど〜ん!!
どこからともなくチェリーがわいてでてきた。
どか、ばき、どす!!「いきなり出て来るな!!」
チェリーはそこにいたものすべて(校長以外)に袋叩きにされた。
 「で、おじうえ、なぜわいて来たのじゃ?」
 「なんちゅう言いぐさじゃ。」「まあよい、ここら一帯に妖気のかすがこびりついておるのでの。」
 「やはりそうか・・・。」
ごとっ 突然すみのほうで音がした。
「む!!!そこだっ!!」
あたるはそばにいた面堂を投げつけた!!。
「こん!」
そこにいたのは大人のそれはそれはとても美しいきつねであった。きつねは一度「こんっ」とたからかに鳴き姿を消した。
 「ほんとうにきつねじゃったのか・・・。」
「結局私はあのきつねにだまされたんですね、お金もとられたし。でもこの秋のなかあのようなものを見られて本当によかったです。」
「だっちゃ。」
「よくない!!」
 「へ?」
驚いたあたるの後ろには頭に大きなこぶをつくった面堂がいた。その手にはこれまたどこから出したのか新品の刀をもっていた。
 「も〜ろ〜ぼ〜し〜き〜さ〜ま〜。」
 「お、おちつけ面堂、おまえのおかげで・・・。」
 「うるさ〜い!!今度という今度はもうかんべんなら〜ん!!そこになおれ!!」
じゃき〜ん!! 面堂の振り下ろした刀をあたるがみごとに真剣白刃取りうけとめた。
 「さて、みなさんもう帰りましょうか。」
校長がさわやかな声で言った。みんなその声で各自家路についた。
 「ダーリン、先に帰るっちゃよ。」
 「わ、待ってくれラム。おい面堂いいかげんにせんか!!」
 「やかましい!!」
面堂はまったく離そうとしなかったためあたるは面堂が疲れはてるまで帰ることができなかった。

<TUESDAY>
今日もまたいきなり生徒全員が体育館に集められた。校長を待っているあいだ生徒たちの間では昨日のうわさでもちきりだった。
やがて校長が姿をみせ一言、
 「また私の部屋のこたつがなくなりました。」
どっっっっっっっっっか〜〜〜〜〜〜ん!!!
・・・なんとか体勢をもちなおした昨日のできごとにかかわった者たちはみんな一言こう言った・・・
 「こ、校長、こんどはたぬきに化かされたのでは?(だっちゃ)」        

<END>

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