うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第6章 変化 (Page 4)
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 「実は、奴等は強い能力を持った人達を拐ってはそのエネルギーを何らかの方法で吸い取り、それを裏マーケットで売り捌いているらしいんです。しかし、奴等は非常に用心深くなかなか尻尾を出しません。だから、実際のところははっきり分からないんです」と言った。それを聞いたラムが
 「じゃあ、その弾は…」と言うと泉が
 「はい、一時的に能力を使えなくしてしまう物だと思います」と言った。その時、ラムの脳裏にあたるの言葉が過った
 『アイツには絶対に気を許すな!』
 ラムは、一度大きく息を吸うと
 「なるほど、でもお前が言ってる事が本当って証拠はないっちゃ」と言うと、泉はラムの予想外の反応に動揺したのか
 「な、何言ってるんですか!今だってラムさんを助けたじゃないですか!」と大声を上げた。しかしラムは
 「そんなの演技かもしれないっちゃ。予め、その宇宙人と立てた計画かもしれないっちゃ」と言った。それを聞いた泉は
 「確かに、今日初めて会ったばかりの僕を信用しろって方が無理かもしれません。それでも、ラムさんを護る事が僕の任務である以上、今後も監視は続けます。とにかく、ここに長く居るのは危険ですから、今日は帰って下さい」と言った。するとラムは
 「お前に言われなくても帰るっちゃ」と言って、あたるの所に行った。そしてラムが泉の方を振り返ると、そこに泉の姿は無く宇宙人の姿も消えていた。そしてラムがあたるを抱き抱えようとした時、あたるは突然目を覚ました。それを見たラムは
 「ダーリン!目が覚めたっちゃね!」と言って、あたるを抱き締めた。するとあたるは
 「ええい!いきなりやめんか!」と言うとラムを引き離した。そして
 「それより、例の道具はどうした?」と聞くと、ラムは
 「実は…色々有って、まだ埋めてないっちゃ」と申し訳なさそうに言った。それを聞いたあたるは
 「良かった!向こうでは予想外の変化が有ってな」と言った。するとラムは
 「一体、何が有ったっちゃ?」と興味深そうに聞いた。あたるは、落書きの木の方を向くと
 「あの木が消えたんだ」と言った。それを聞いたラムは
 「え?どう言う事だっちゃ?消えたって…」と言うと、木の方に歩き出した。あたるは、ラムの後に続いて木の方に歩きながら
 「そのままの意味だ、消えちまったんだよ。まるで、そこには何も無かったみたいにな」と言うと、木の落書きを指でなぞりながら
 「向こうのラムの話だと、向こうの世界に大きな影響を与える様な事がこの木に起きたからだろうとさ」と言った。あたるの言葉を聞いたラムは、さっきの宇宙人が撃った弾がこの木に当たった事が気になりつつも、先程の事をあたるに話す事にした。ラムはあたるの方を向くと、泉があたるとラムを追って来ていた事、泉を問い詰めた時、宇宙人に襲われその時の弾がこの木に当たった事、そして泉が銀河パトロールの隊員だと言った事を詳しく話した。それを聞いたあたるは
 「泉が銀河パトロールだって?そんな事有るか!アイツは未来でお前にブレスレットを着けて電気エネルギーを吸いとってたんだぞ!」と言ったが、ラムは
 「だからうちも、信用はしなかったけど…嘘をついている様には見えなかったんだっちゃよね」と言って首をかしげた。そんなラムを見てあたるは
 (どう言う事なんだ…)と思いながらも
 「ここで襲われたって事は、アイツの言う通りここに居るのは危険かもしれないな。すぐにここから離れよう」と言ってラムの手を掴むと、駅の方に走り出した。ラムも、あたると一緒に駅に向かって走り出したが、あたるがラムの顔を見ると何だか嬉しそうに笑っていた。そんなラムにあたるは
 「おい、何笑ってるんだ?こんな状況なのに!」と言うと、ラムは
 「だって、何だか映画のワンシーンみたいで楽しいっちゃ」と言ってニコリと笑った。しかしあたるは
 「何を呑気な事言っとんじゃ!お前は狙われとるんだぞ!」と言ったがラムは平然として
 「うち、何も心配じゃないっちゃよ。だって、うちの事は絶対にダーリンが護ってくれるっちゃ」と言った。あたるは呆れながらも、そんなラムの笑顔に救われた気がした。

          第7章  復活に続く

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