うる星やつら ☆赤い花が散る時☆ 第2話 違和感 (Page 2)
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 「これだけ聞いて、見た人も居ないんじゃ」と言うと周りを見た。そして、近くに大きな木を見つけ、その木を指さして
 「あの辺の木にでも引っ掛かってるんじゃないかしら」と言った。それを聞いた因幡は
 「なるほど!木の上ですか!それは盲点でした」と言うと、大きな木の所に走って行った。因幡が木の上を見ていると、後から来て木の根元を見ていたしのぶが因幡に声をかけた。
 「ねぇ因幡くん、その落としたお花って何かケースの様な物に入ってなかった?」それを聞いた因幡は
 「はい、でもどうしてしのぶさんがその事を?」と言って振り向くと、しのぶは手に何やらケースの様な物を抱え
 「もしかして、これがケース?」と言った。すると因幡は
 「あ!それです!それ!」と言って、しのぶの抱えてるケースを指さした。しかししのぶは
 「さっき、そこで見つけたんだけど」と言うと木の根元を見た。そして続けて
 「でも、中には何も入ってないのよね」と言いケースを覗き込んだ。しかし因幡は
 「いえ、しのぶさん!このケースがここに有るって事は近くに花も有るはずです!」と目を輝かせた。そんな因幡にしのぶが
 「でも、地面に落ちたのじゃなければ木の上って事になるわよ?」と言うと因幡は木にしがみついて
 「僕が登って調べます」と言ったが、木は太く手や足をかけられる場所も無く、因幡は全く登れなかった。それを見てしのぶは
 「この木を登るのは無理よ」と言った。するとそこに
 「しのぶねぇちゃ〜ん」と叫びながら小さな物体が近づいてくる。しのぶはそれを見て
 「あ、テンちゃんじゃない」と言った。するとテンは
 「こんな所で、こんなけったいな奴と何しとんのや?」と言うと因幡の方を見た。するとしのぶは
 「実は、この木の何処かに、お花が引っ掛かっちゃったみたいで、どうしよかと思ってたの」と言って木の上を見た。するとテンは
 「そんなら、わいが見てきてやろうか?」と言い、それを聞いたしのぶはテンを抱きしめると
 「ありがとうテンちゃん!テンちゃんは優しいわね」と笑顔で言った。するとテンはデレデレしながら
 「当たり前や、わいはあたるのアホとは違うさかい」と言い、続けて
 「それで、どんな花なんや?」と聞くと、因幡が
 「あ、虹色の花なんです」と答えた。それを聞いたテンは
 「お前に聞いたんちゃうけど、まぁええ。わいが見てきてやるさかいな」と言うとプカプカと木の上の方へ上がって行った。
 テンは木の上をウロウロと飛び回り、やがて降りてくると
 「なんや、それらしいモンないで」と言った。するとしのぶは残念そうに
 「そう・・・」と言った後、笑顔でテンに
 「でも、ありがとうテンちゃん」と言った。テンは申し訳無さそうに
 「ごめんな、しのぶ姉ちゃん。わい役に立たなくて」と言うと
 「ほな、わい行くとこ有るさかい、行くな」と言うとプカプカと空に向かって飛んで行った。
 そんなテンを見送りながらしのぶは言った。
 「木の上に無かったって事は、可能性は2つね」それを聞いて因幡は
 「可能性って言うと?」としのぶに聞いた。するとしのぶは
 「何者かが持ち去ったか、或いは風で飛ばされたか・・・」と言った。因幡はガックリと肩を落とし
 「あぁ、それじゃまず見つからないよぅ」と言った。

 少し前、ラムがあたるの部屋に行くと、部屋にあたるの姿は無かった。ラムは下に降り茶の間に居たあたるの母に
 「おかあさま、ダーリンは?」と聞くと、あたるの母は
 「あら、学校から帰って来たと思ったら、すぐに出掛けたわよ?ラムちゃん一緒じゃなかっの?」と言ったがラムは、あたるの母の問いには答えず
 (ダーリン!またガールハントに行ったっちゃね!)と思い、すぐに家を飛び出した。
 ラムがあたるを探していると、公園で女の子に声をかけてるあたるを見つけ、そんなあたるにラムは大声で
 「ダーリン!!」と叫んだ。すると、ラムの声を聞いたあたるは
 「ゲッ!ラ、ラム!」と言うと、一目散に逃げ出した。逃げるあたるにラムは
 「待つっちゃ!」と叫び両手に電気を貯め始めた。それを見てあたるは
 (ヤバい!)と思い、咄嗟に細い路地に逃げ込んだ。しかし、ラムも負けずに追いかけ、あたるに向かって
 「観念するっちゃ!!」と言いながら電撃を放った。しかし、あたるはヒョイっと電撃をかわすと
 「そう簡単に喰らってたまるか!」と言いながら、右へ左へと進路を変えてラムを翻弄した。そんなあたるにラムは
 「もう!ちょこまかと!いい加減にするっちゃ!」と叫び一際強力な電撃を放ったが、あたるはその電撃をギリギリで避け
 「お前がいくら邪魔しようが、俺はガールハントを辞める気は無いからなー」と捨て台詞を吐くと、ラムの前から姿を消した。そんなあたるにラムは
 「もう、ダーリン!帰ったらお仕置きだっちゃ!」と言うと、あたるを探すのを諦めて飛び去った。それを電柱の陰に隠れて見ていたあたるは
 「電撃が怖くてガールハントが出来るか!アディオス」と言うと走り去った。
 

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