うる星やつら ☆赤い花が散る時☆ 第2話 違和感 (Page 3)
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 ラムはイライラした気持ちを落ち着かせようとUFOに向かった。UFOに着いたラムは、すぐに拾った真紅の花の前に行き
 「それにしても綺麗な花だっちゃね」と言って花を見つめた。すると不思議な事に、さっきまでのイライラが嘘の様になくなった気がした。 「やっぱり花は、気持ちを癒してくれるっちゃね」ラムはそう言うと微笑み、その場を離れた。ラムが側を離れると、花はまた真紅の花びらを1枚落とした。
 しばらく経ってラムが花の所に来て、落ちた花びらを見つけ
 「あ、花びらが落ちてるっちゃ」と言って、落ちた花びらを掴み上げた。するとまた花びらは消えてなくなった。ラムは、花びらを掴んでいた手を見つめ
 「あれ?ウチ何か持ってた様な・・・気のせいだっちゃ?」と言うと首をかしげた。そしてラムは
 「うん、気のせいだっちゃね」と言うと、UFOを出てあたるの部屋に向かった。
 ラムがあたるの部屋に着くと、部屋にはテンが居たがあたるの姿は無かった。ラムはテンに
 「テンちゃん、ダーリン知らないっちゃ?」と聞くとテンは
 「わいは知らんで」と言い、更に
 「なぁなぁラムちゃん、わいな今日いい事したんやで」と言いながらラムの元に飛んできた。するとラムはテンを抱き抱えると
 「ふーん、何をしたっちゃ?」と笑顔で聞いた。テンは、ラムの言葉を待ってましたとばかり
 「それがな、わいがな、コタツネコの所へ行く途中な、大きな木の所でしのぶ姉ちゃん見つけたんや。そしたら、しのぶ姉ちゃん何か探してる言うから、わいが木の上を探してやったんや。まぁ、結局何も見つからんかったんやけど」と言った。
 ラムはテンの話を聞いて
 「しのぶは、誰かと一緒じゃなかったっちゃ?」と聞くとテンは
 「前に見たうさぎの格好したけったいなヤツと一緒だったで」と言い、それを聞いたラムは
 「あ、因幡くんだっちゃね。それで探し物は何だったっちゃ?」とテンに聞くとテンは
 「なんや、虹色の花ゆうてたな」と言った。それを聞いたラムは愕然として
 (ま、まずいっちゃ。あの花だっちゃ)と思った。そこでラムはテンに更に聞いた。
 「そ、その花って何なんだか聞いたっちゃ?」しかしテンは
 「いや、わいコタツネコの所へ行かなあかんかったから、聞かんかったで」と言い、ラムも
 「あ、そうなんだっちゃね」と言って、笑った。しかし、その笑顔は引きつっていて、それを見たテンは
 「ラムちゃん、どないしたん?大丈夫かぁ」とラムの顔を覗き込んだ。するとラムは
 「あ、う、うん、大丈夫だっちゃよ」と言って、精一杯の笑顔を作った。そしてすぐにテンを畳の上に降ろすと
 「あ、ウ、ウチ、急に用事を思い出したっちゃ」と言うと、慌てて窓から飛び出した。それを見たテンは
 「ラムちゃんどないしたんやろ?」と言って首をかしげた。

 ラムはすぐにUFOに向かった。その途中でも
 (あの花は因幡くんの落し物だったっちゃ、早く返した方がいいっちゃよね)と思った。
 ラムはUFOに着くと、すぐに花の所に向かった。そしてラムは真紅の花を見て違和感を覚えた。
 「あれ?この花・・・花びらが足らないっちゃ?」と言うと、周囲を探した。しかし、花びらは見つからずラムは諦めて再び花を見た。ラムが花びらの数を数えると、花びらは8枚。見た感じ、花びらは2枚程足らない感じだった。いくらラムが周りを探しても花びらは見つからなかった。ラムは
 「まぁ、仕方ないっちゃね」と言うと花をいけた鉢を手に取ったが真紅の花を見ていると、どうしても手放したくなくなり
 「・・・・・・黙ってれば、分からないっちゃよね?」と言うと、鉢を再び元のテーブルの上に戻した。 ラムは真紅の花を見つめ
 「本当に綺麗だっちゃ・・・1日見てても飽きないっちゃね、きっと」と言った。

 あたるはガールハントを終えて家に帰って来たが、部屋にはテンしか居らず、あたるは
 (ラムのやつ、まだ帰ってないのか)と思うとおもむろに机の上の雑誌を手に取り、ゴロリと横になると読み始めた。それを見てテンは
 「なんや、帰ってくるなりマンガか?お前がそんなやからラムちゃんが苦労すんのや」と言った。それを聞いたあたるは横になり雑誌を読みながら
 「はいはい、そりゃあすみませんでしたね」と軽く流した。そんなあたるにテンは
 「お前、いつかラムちゃんに振られるで」と言ったが、あたるはまるで聞いてる様子が無かった。あたるは雑誌を見ながら
 (ラムのヤツ、まさか一昨日の事も有って本気で怒ってるのか?)と思い、更に
 (このまま星に帰るなんて事ないよな?)と思った瞬間、急に不安になった。
 その夜、ラムがあたるの部屋に帰って来る事は無かった。

 よく朝あたるが目を覚ますとすぐに目に入ったのがラムの顔だった。ラムはあたるを覗き込む様に見ていたのだ。そしてあたるが目を覚ますと満面の笑みで
 「ダーリンおはようだっちゃ。やっと起きたっちゃね」と言った。そんなラムの笑顔を見てあたるは
 「お前・・・怒ってないのか?」とラムに聞いた。するとラムは首をかしげながら

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