うる星やつら 赤い花が散るとき 第4話 進化 (Page 3)
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 「ちっ、しょせんは子供の乗り物か」と言った。するとそれを聞いたテンは
 「そもそも1人乗りなんや!お前がしがみついとるからスピード出んのやないかい」と言ったが、あたるは全く聞き入れず
 「喋ってる暇が有ったら、少しでも速くなる様に努せい」と言った。それを聞いたテンは
 「ほんまムカつくやつやわぁ」と言ったが、ニヤと笑うと
 「そない言うなら、速くしてやるわい。お前の為にこれだけは使いたく無かったんやけどな」と言ったが、あたるは
 「ごちゃごちゃ言っとらんと、何か有るならはよせんか!」と言った。しかし心の中では
 (もう、腕が限界なんじゃ)と思っていた。あたるの言葉にテンは
 「全く、かわいく無いやっちゃなぁ」と言いながらも、何かのボタンを押した。するとスクーターの後方から、何やら噴射ノズルの様な物が出てきた。そしてテンは
 「ほな、しっかり捕まっとれよ!落ちても知らんからなぁ」と言うと、別のボタンを押した。
 テンがボタンを押すと
  キューーン
 と言う金属音と共に、突然噴射ノズルから物凄い煙を出しながらスクーターは急加速した。あたるは、危うく振り落とされそうになったが、何とかしがみつき難を逃れた。そしてスクーターはものの数十秒でラムのUFOに到着した。
 UFOに着くと、テンは入口の横のプレートの様な物に手を当てた。すると入口が開きあたるとテンはスクーターごと入口に入った。UFOの中に入るとあたるはすぐに
 「ラム!」と叫んだ。中に居たラムは突然聞こえたあたるの声に驚き
 「え?ダーリン?」と言って入口の方を見た。すると入口の方からあたるが入って来るのを見て
 「え?何でダーリンが?一体どうやって?」と疑問を投げかけた。するとあたるの後ろからテンが
 「わいがスクーターで連れてきたんやでラムちゃん」と言った。それを聞いてラムは
 「あ、そうだったっちゃ」と納得しつつも、更に
 「でも、何でダーリンがここへ?」とあたるに聞いたが、あたるはそれには答えずテーブルの上に置いてある花の方へ向かった。それを見たラムは
 「あ!ダメだっちゃダーリン!」と言ったがあたるは聞き入れず、花の所へ行くと
 「ほう、これが例の花か」と言って真紅の花をまじまじと見た。するとそれを見ていたラムは
 「え?大丈夫なんだっちゃ?」と言うと花に近づこうとしたが、あたるが
 「ラム!動くな!」と叫んだので、ラムは慌てて立ち止まった。花を見ていたあたるは
 「やはりな」と言った。
 事の成り行きが全く分からないテンは、あたるの所へ行くと
 「なぁ、お前ラムちゃんを助けるとか言ってUFOまで来て、そんな花見とるけど、何がしたいんや?」と聞いたが、あたるはテンの言葉には耳を傾けず、花を見ながら
 「おいラム。少し近づいてくれ」と言った。ラムは
 「え?でも」と言ったが、あたるは
 「いいから少し近づけ」と言った。ラムはあたるの言う通りに1歩花に近づくと、あたるが再び
 「止まれ!」と言ったので、ラムは立ち止まった。そして花を見ていたあたるは
 「やっぱりそうだ…この花はラム、お前のエネルギーしか吸収せん」と言った。そして、続けて
 「お前が近づくと、エネルギーを吸収し始めるみたいだな。その位置ならまだ吸収はされないが、花がお前の接近を感知して微妙に反応する」と言った。そしてあたるは
 「これ以上花をラムに近づけなけれは問題無さそうだな」と言った。そんなあたるの行動を見ていたラムは
 「ダーリン…もしかしてウチを助けに来てくれたっちゃ?」と聞いた。するとテンが
 「あのなぁラムちゃん、実はこいつがな…」と何かを言いかけた所であたるはテンを鷲掴みにすると入口から外に放り出した。そしてラムの方を向くと
 「ラム、勘違いするな。俺はお前に変な願い事されたら敵わんから来たんだ」と言った。するとラムは怪訝な表情で
 「変な願い事ってなんだっちゃ?」とあたるに聞いた。するとあたるは
 「例えば、俺の浮気症が治りまます様にとか、一生お前だけを愛する様にとか、他にもいくつも考えられる」と言った。それを聞いたラムは、腕を組み引きつった笑顔で
 「そう、ダーリンの事がよ〜く分かったっちゃ」と言うとバチバチと放電を始めた。それを見たあたるは
 「ま、待て!こんな所で電撃を使ったら!」と言ったがラムは
 「心配無用だっちゃ!ここはウチのUFOだっちゃーーーー!!」と叫び、あたるに向かって電撃を放った。あたるは電撃の直撃を喰らい床に倒れプスプスと煙を上げた。
 再び入って来て、そんな2人の様子を見ていたテンは
 「ほんまにアホやなぁ、素直に言えばええのに」と呟くと呆れた顔をした。そして花の方を見ると
 (あの花がなんや言うんや?)と思っていると、突然花がムクムクと大きくなって行くのを見て、テンは思わず大声をあげた。
 「うわわわわわ!は、花が…」テンの声にラムが花を見ると、何と花が2倍以上の大きさになっていた。ラムは

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