同窓会パニック!カニ先生が泣いた日(中編) (Page 3)
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「ああ、あの爆弾のことか。バーカ!あんなもん背中に付けられて2年間も気付かねぇわけ・・・うわぁっ!」
と言いかけたところで、弁天はラム、ランと一緒にずっこけた。
ほかの元クラスメートと話していたカニ道楽の背中は、2年前とちっとも変わっていなかった。
爆弾がくっついたままだったのだ!
(そ・・・そんな・・・こ・・・こないなアホなことが・・・)
(な・・・何で気づかないっちゃ・・・?2年間もお風呂に入ってないの?あ、ロボットだから身体検査か・・・)
(あ・・・あのバカ・・・のんきにぐっちゃべってる場合じゃねーだろが!)
3人は彼の背中を見て、それぞれこう頭の中で思った。
計画は2年前におじゃんになったはずなのに・・・3人に戦慄が走った。
お雪が、
「まあ・・・2年前のあのままじゃないの・・・懐かしいわねぇ、みんな」
と感無量といった感じで言うと、弁天は、
「このドアホ!懐かしんでる場合かーっ!!」
と慌てた様子で答えた。その時、
「爆発まであと10分だっちゃ!」
と、ラムはラン、弁天、お雪の3人以外には聞こえないような声で言った。
ランが、
「えーっ!?あと10分で爆発・・・!!」
と言いかけたところで、弁天はランの口を右手でふさぎ、
「バ、バカヤロー!周りのほかの連中に聞こえたら、会場中がパニックになるだろうが!!」
と叫んだ。
そんなこんなですったもんだしているうちに、カニ道楽が4人に気づき、
「おおーっ、ラム、弁天、お雪、ラン!久しぶりだがに」
と言って4人のほうに向かってきた。そして、
「懐かしいがにーっ!」
と叫びながら、そのクラブ(はさみ)でお雪を除く3人をぎゅっと抱きしめた。
「ほらごらんなさい!私の言ったとおりでしょ?先生は誰よりもまず、あなたたちに会いたかったのよ。
それより先生、おかわりなさそうでなによりですわ」
「はっはっは、おかげさまでがに。それにしても、お雪はますます美人になったがに。
最初に君を見たとき、いったいどこの星のお姫様がいらしたのかと思ったがに」
「まぁ、先生ったら、お上手だこと!でも先生、私は姫ではなく女王ですわ」
そんなやり取りを交わすとお雪とカニ道楽は2人で小さな声で笑った。
その後、彼ははさみで抱きかかえている3人に向かって、
「君たちも相変わらず元気そうでよかったがに。でも、元気すぎて他人に迷惑をかけてはいかんがに」
と言うと、3人をさらに強く抱きしめた。
(はっ・・・離せ・・・!!苦し・・・)
ラム、弁天、ランの3人はそう思った。すると彼はほかの生徒に気づき、どこかに行ってしまった。
弁天がお雪のほうを向き、鋭い目で睨みながら、
「おい、お雪。まさかお前、今日であの日からちょうど2年ってこと知ってて、
わざとこの日に同窓会をセッティングしたわけじゃねぇだろーな?
おい!どーなんだよ!?」
と憶測を述べたが、お雪は、
「あら、私はただ、あなたやほかの人に頼まれたから、たまたま会場が取れたこの日にセッティングしたに過ぎないわ。
それに、爆弾が2年間そのままで、しかも今日爆発するなんて、どうして私にわかると言うの?ひどい言いがかりね・・・
それとも何?私が、あなたたちがひどい目に遭う姿を見るために、わざと教えなかったとでも言うの?」
と、自分を疑う弁天を逆に非難した。
ランにも、
「コラー、お雪ぃー!おんどりゃ、いったいワシに何の恨みがあるっちゅうんじゃい!
よりによってこんな日に同窓会なんぞ開きおって・・・!!」
と言われたので、さすがの彼女もいい加減に頭にきて、
「だから、弁天にも言ったでしょ?今日がその日と重なったのはただの偶然だって。
第一、仮にそのことを私が知っていたとしたら、この日が来る前に伝えるわよ。
2人とも、勝手な想像はそれくらいにしないと、私、本気で怒るわよ・・・!」
と言うと、ラムが慌てた様子で、
「さ、3人ともいい加減にするっちゃ!!今はケンカなんかしている場合じゃないっちゃよ!
それよりこれからどうするか考えなきゃ!!」
と、3人を仲裁した。
昔は弁天とよく一緒にケンカに明け暮れていた彼女も、あたると出会ってからは、すっかり平和主義者になった。
それに、怒ったときのお雪の怖さは、ラムもよく知っていた。
爆弾は爆発、お雪は激怒・・・となれば、それこそ悲惨である。まさに地獄絵図である。
そうこうしているうちにも時間は経過していた。爆発まであと5分・・・
To be continued......

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