同窓会パニック!カニ先生が泣いた日(後編) (Page 3)
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「これがそうよ。見て!先生、上機嫌ね・・・目一杯微笑んでいらっしゃるわよ」
みんなはお雪に写真を見せられた瞬間、大きな声で驚いた。
左頬の絆創膏が痛々しいしのぶが、
「何よぉ、この人!あれだけの衝撃を受けたのに、ピンピンしてるじゃない・・・」
と大きな声で言うと、左腕を吊っているラムも、
「は・・・ははは・・・余裕のピースサインだっちゃね・・・」
と呆れたように苦笑いしながら言った。
頭に包帯をぐるぐる巻きにしたランが弁天とラムのほうを見て、
「だからワシが早く逃げたほうがええってゆうたやないか、アホ!!」
と小さく怒鳴ると、左目に眼帯をつけた弁天も、
「うるせえっ!このヤローがこんだけ頑丈なやつだと分かってたら、アタイだってさっさと逃げたさ!!」
と怒鳴り返した。
右足を骨折して松葉杖をついている松井が、
「あたる。宇宙人と夫婦になるのって、大変なんだなあ。それに比べるとまだマシか、オレは・・・」
とぼやくと、全身包帯だらけのあたるも、
「分かってくれるか、大輔。オレはこんなことを毎度毎度体験してるんだぜ。
本当に体が持たんよ。お前は幸せ者さ・・・あ・・・イテテ・・・」
とぼやいた。あたるはさらに、
「ねえ、お雪さん。こいつら、いつもこんなことやってたの?気に入らない教師にミサイル打ち込んだり(コミックス「惑星教師CAO‐2」参照)、爆弾仕掛けたり・・・
オレたち地球人はせいぜい、黒板消し入り口にはさんだり、水ぶっ掛けたり、リンチする程度だよ。
あと、女の教師なら、スカートめくったり、ブラジャーのホックを外したり・・・そんなところかな」
と問いかけると、お雪は、
「地球人の教師いじめに比べると、私たちの知っている教師いじめのほうが、何と言うか、堂々としてますわね。
ラムも弁天もランも、昔から教師いじめはよくやっていましたわ。
中にはご主人様がおっしゃったような陰湿なものもあったような気もします。
私、そんな3人を見るたびにいつも、やめろと言ったんですのよ。
でも、3人とも私の言うことなんか耳も貸さなかったんですの・・・」
と答えた。それを聞いた3人は、
「嘘をつけーっ!!いつ言ったァ!?ちっとも言わなかったじゃねえかっ!!」
「お雪ィ!さっきからおんどりゃ、自分に都合のええようにええようにぬかしおってからに!!」
「ダーリンに媚を売るなんて!ずるいっちゃ、お雪ちゃん!!」
と猛反発した。そんなことなど意に介さず、お雪はさらに、
「あ、そうそう。写真は1枚100円よ。ラム、ラン、弁天、ちゃんと払ってね。
あ、それから、ご主人様たちのクラスメートの方々はお代金のほうは結構ですわ。
あの事故のせいでご主人様のクラスメートの方々のカメラが全部壊れてしまわれたから。そのお詫び代わりですわ」
とみんなに伝えた。
この商魂たくましい女王が統治する限り、海王星はこれからも繁栄し続けるだろう。
「それにしても今回の同窓会は盛り上がったわねえ。私、次の第2回同窓会でも幹事をやろうかしら?
そうですわ!あの、ご主人様。次の同窓会は私たちと共同で開催しませんか?
私が今回手配した会場は、あと40人いたら割引率が上がるんですの。
そうすれば、お互いさらに安い料金で楽しめますわ」
お雪の思わぬ提案にあたるは、
「は、ははは・・・確かに盛り上がったねぇ。それ、結構いいアイデアかも。
でも、もうあんな騒ぎは金輪際勘弁してくださいよ!」
と力なく答えた。
第2回同窓会の予定は今も未定のままである・・・
The end

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