うる星やつら regain one's memory エピソード1 (Page 2)
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 と、どこから持ち出したのか日本刀を握りしめている。それを見て、あたるは
あたる 「いや、別に」
 と、面倒くさそうに答えた。それを聞いて面堂は
面堂 「ふん、だろうな。お前の様な奴に文句を言われる様な事は、僕はしてないからな」
 あたるは、聞いてないのか全くの無反応だった。そのやりとりを見ていたメガネは
メガネ (むむ?あたるらしくもない、いつもなら面堂にあんな事を言われて黙ってるはずがない
んだが・・・)
 メガネは、あたるを見つめた。
 その時あたるは、昨夜の夢を思い出していた。
あたる (あの夢は何だったんだ?とても夢とは思えんかったが)
 そう思い、ラムを見つめる。するとラムは、あたるの視線を感じたのか目と目が合った。
 あたるは、慌てて視線をそらす。するとラムは小声で
ラム 「ダーリン、どうしたっちゃ?」
 と、あたるに声をかけた。あたるは
あたる 「あ?何でもないわい」
 と小声で返事を返した。

 放課後、あたるはいつもの様に家路についた。いつもなら、うまくラムをまいてガールハントに
行くのだが、今日はどうしてもあの夢が気になりラムから離れる事が出来なかった。あたるはど
うしても、ただの夢とは思えなかったである。
あたる (あんな夢を見たから気になって仕方ないではないか)
 あたるは、チラッとラムを見た。ラムは、あたるの視線に気づき
ラム 「どうしたっちゃ?ダーリン?今日は何だか変だっちゃ」
 と、首をかしげた。
 その時突然ラムが立ち止まり後ろを振り向き、後方をキョロキョロと見回し始めた。あたるは引
っ張られる形で立ち止まり、振り返ってラムを見るとラムは険しい表情で後方を見つめていた。
あたる 「おい、ラムどうした?」
ラム 「・・・・・・」ラムは、集中してるのか返事をしない。あたるは、少し大きな声で再び
あたる 「おい!ラム!!」と、ラムを呼ぶとラムは驚いた様に振り返り
ラム 「あぁ、何でも無いいちゃ」と、笑を浮かべた。しかし、その笑は不安の色を含んでいた
あたる 「何でも無いのに、あんな顔するのか?」と、あたるが問い詰めるとラムは不安な表情
を浮かべ
ラム 「なんか、嫌な気配を感じたっちゃ。誰かに見つめられている様な・・・」
 あたるはラムのその言葉を聞くと昨夜の夢を思いだし、急に意味しれぬ不安に襲われた。
あたる 「き、気のせいだろ?さっさと帰るぞ」
 と、帰宅の脚を早めた。ラムは、
ラム 「あ、ダーリン、待って〜」と、あたるの後を追って行った。
 二人が見えなくなると突然ポリバケツの蓋が開き、ひょいと男が顔を出した。その顔は目鼻立ち
もはっきりしていて、いわゆる美形であったが今はゴミにまみれて見る影も無い。
男 「ふふふ、なかなか鋭い勘をしているな。この超一流の隠密のラウ様でなければ見つかってい
たな」男は、誰にも聞かれもしないのに自ら名乗った。
 ラウは、は軽快にポリバケツから飛び出し・・・と思ったら、ポリバケツに足を引っ掛けて顔面
から道路に落下した。
ラウ 「んぎぃぃぃ」
 ラウは、顔面を強打した激痛で思わずのけ反りその反動で電柱に後頭部を強打した。
ラウ 「んごぅ」ラウは後頭部を両手でおさえながらうずくまった。
 少しして回復したのか、ラウはすっと立ち上がり
ラウ 「この様なトラップを仕掛けておくとは、なかなかやるな」と、後頭部のコブをさすりなが
ら言った。
 まわりには通りすがりの子連れの主婦が「変なもの見ちゃダメ」とそそくさとその場を後にした
りしていたが、友引町の住民はこのくらいの事はその辺に落ちている石ころの如く気にとめる程の
事では無いのか、誰も見向きもしなかった。
ラウ 「見よ!私が完全に気配を消してるから、誰も私の存在に気付かない。超一流の隠密の私に
してみれば、このくらい容易い事なのだ」と言い
ラウ 「わ〜ハッハッハ」と大声で笑った。超一流の隠密は、アホさ加減も超一流だった。
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 地球から遥か離れた惑星ルイーザ。そこの宮殿のひと部屋にその男は居た。優しそうな瞳・品の
ある唇・鼻筋の通った鼻、文句のつけようの無い顔からは、どこか気品があふれていた。何やら調
べ物をしているらしく夢中で資料を読んでいる。その時コンコンとドアがノックされた。
謎の男 「入れ」調べ物の手を止める事なく答えた。
 するとドアを開けて別の男が入ってきた、どうやら、部下の男らしい。その男は見るからに頭の
切れそうな冷静沈着な男に見える。
部下の男 「カロン様」部下の男は、謎の男をカロンと呼んだ。そう彼カロンは惑星ルイーザの王
だったのである。
カロン 「どうした?ドイル?」と部下の男を見た。
ドイル 「先日の者はどうやら鬼族のようです」コンピュータがはじき出したラムのことらしい。
カロン 「それがどうかしたのか?」カロンは、怪訝な表情でドイルを見た。

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