うる星やつら regain one's memory エピソード1 (Page 3)
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ドイル 「はい、実は鬼族の者は特殊な能力を使うらしのです」
カロン 「ほう、してどの様な能力だ?」
ドイル 「飛行能力と放電能力です」
 カロンはとりわけ動じる気配も見せず、ドイルに聞き返した。
カロン 「お前の事だ、私の所にそのような報告のみで来た訳ではあるまい」そう言うとニヤリと
笑ってみせた。
ドイル 「さすがカロン様、聡明です。鬼族の娘の名前はラム。現在辺境の銀河にある地球と言う
星に住んでいます」
カロン 「ん?鬼星ではないのか?」カロンが問いかけるとドイルは
ドイル 「はい、現在地球にて地球人の諸星あたると言う男と暮らしている様です」
カロン 「なるほど、そんな辺境の星の種族など障害にはなるまい。して、ラムの能力については
?」カロンはラムがあたると暮らしている事など気にもとめていないようだ。
ドイル 「それについても、既に手は打ってあります」ドイルの言葉を聞いてカロンは興味深そう
に目を輝かせながら、更に問いかける
カロン 「うんうん、どの様な手だ?」
 いつもの事なのかドイルは、半ば呆れた様な表情で答えた
ドイル 「カロン様の果てしなき探究心には、いつも頭が下がります」
カロン 「いいから早く教えてくれ」カロンは待ちきれない様だ。ドイルは、覚悟を決めた様に話
はじめた
ドイル 「高等生物は、例外なく神経同士の電気信号のやり取りで行動しています。鬼族の能力も
例外ではありません。従って、脳内のシナプスからの電気信号を制御できれば能力を封じる事は、
いとも簡単です」
カイル 「なるほど、してどうやって制御するのだ?」カイルの瞳は益々輝きだした
ドイル 「ナノマシーンによって、ニューロンを支配します」ドイルは得意そうに答えた。それに
対しカイルは
カイル 「ナノマシーンか、しかしどうやってラムにナノマシーンを投与するのだ?」その質問も
想定内だったのか、ドイルは慌てる様子もなく言った。
ドイル 「既に地球に潜入員が潜入しています」
 それを聞いてカイルは
カイル 「そうか!で、誰だ?潜入員は?」と興味津々である。だが、ドイルは少し歯切れが悪そ
うにすぐには答えなかった。カイルは、しびれを切らして
カイル 「ドイル!何故答えん!」
 ドイルは、観念した様に答えた
ドイル 「・・・ラウであります・・・」
カイル 「・・・・・・・」
ドイル 「・・・・・・・」
カイル 「あの、ラウか?」カイルがぼそりと言った
ドイル 「・・・・はい」ドイルは、バツが悪そうに答えた。カイルはすかさず聞いた
カイル 「だ、大丈夫なのか?」カイルは急に不安になった
カイル 「何故、他の者を送らなかった!」
ドイル 「申し訳ありません、あの星系に一番近かったのがあやつしか居なかったのです」
 ドイルは申し訳なさそうに答えた
カイル 「仕方ない、奴を信じよう」カイルは腹をくくったように言った。
カイル 「それと、ラムに対しては充分敬意を払えよ。私の妻になる者だと言う事を忘れないよう
に」
 カイルは、厳しい目でドイルを見た。それに対しドイルは
ドイル 「はい、かしこまりました。ラム様の事については皆に伝えておきます」そう言うと、深
々と頭を下げた。それを見てカイルは満足そうに笑うと
カイル 「で、先ほどのナノマシーンの事なのだが、もっと詳しく聞かせてくれ」とドイルに詰め
寄った。
ドイル 「またですか?」ドイルは、軽くため息をついた。
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 あたるは、また見知らぬ街を歩いていた。
あたる 「またここか・・」まわりを見ながらつぶやいた。
あたる (同じ夢ならラムが居るはずだ)そう思うと、あたるは走り出した前に夢でラムを見つ
けた路地に向かって。
 あの路地に着いたがラムの姿は無い
あたる (たしか、ここだったはず)あたるは、ラムの姿を探した。しかし、いくら探してもラム
を見つける事が出来なかった。あたるは不安になり前にラムが消えた場所に行ってみた。
 すると、そこには・・・・学生服の黄色いスカーフが落ちていた。
あたる 「この夢は昨日の続きか?」そう言うとスカーフを手に取ろうと手を伸ばした。と、その
瞬間スカーフは煙の様に消えてしまった。あたるは呆然とスカーフあった場所を見つめていた。ま
るで抜け殻の様に。
 その時「ダーリン」とかすかにラムの声が聞こえた。あたるは、まわりを見渡し力いっぱい叫ん
だ
あたる 「らむーーーーーー!!」
 そこで、あたるは目を覚ました。時間は昨日と同じ午前3時を回ったところだった。あたるは、念
のためラムが寝ている押入れをそっと開けてみた。ラムは昨日と同じ様に小さな寝息を立てながら
スヤスヤと寝ていた。
あたる (あ〜、何たってんだ俺は)と頭を掻きながら再び布団に入った。
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