うる星やつら regain one's memory エピソード2 (Page 2)
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あたる (あれは!)そう思うと、すぐにその紙切れの様なものを目で追った。それは、1000円札であった。
 あたるは、すぐに振り返るとその1000円札に手を伸ばした。しかし、もう一息の所で手が届かず1000円札は
ヒラヒラと後方に向かって飛んで行く。だが、あたるは諦めずに
あたる (俺の1000円!!!)と、心の中で叫び更に手を伸ばした。そこにラムが居て、ちょうどラムに抱きつく様なかたちになったが、それでもあたるは1000円を諦めずに手を伸ばした時
 チク!
 背中に針で刺された様な痛みを感じた。ラムは、あたるに抱きつかれたと思って
ラム 「ダ、ダーリン」と驚きながらも喜んだ。
 あたるは、背中に痛みを感じた時に体内に何か注入された様に感じたが、それよりも1000円を掴みと取ることに夢中だった。しかし、次の瞬間急に体の力が抜けて崩れる様に倒れた。
 ラムは、急に倒れるあたるに驚き
ラム 「ダーリン?」とあたるを呼んだ。あたるは、意識が遠退いて行くのを感じた。あたるは、驚いて自分を見て叫ぶラムの姿を見て意識を失った。
ラム 「ダーリン!!!どうしたっちゃ?ダーリン!」とラムはあたるを抱き起こした。
 その時、少し離れた電柱の陰で「しまった!」と小さな声がした。そこにはラウの姿が有った。
ラウ 「まさか、あの男が盾になるとは!」と言いながら、額に汗を浮かべた。そして
ラウ 「マズイ、マズイマズイマズイ!」ラウの額からは、みるみる汗が滝の様にながれてきた。
ラウ 「この僕が失敗?・・・それより、この失敗をドイル様に知られたら・・・・」そう言うと、オロオロと落ち着きなく行ったり来たりし始めた。
 ラムはあたるを抱き起こした時に背中にまわした手に何か当たるのをかんじて
ラム 「なんだっちゃ?」と言いながら、あたるの背中を見た。するとそこには、小さな注射器の様なものが刺さっていた。ラムは、ゆっくりその注射器の様な物を抜いて、まじまじとそれを見た
ラム 「これは、打ち込み式の注射器・・」そう言うと、まわりを見回し始めた。すると、少し離れた場所でうろうろする見たことのない男を見つけた。そう、ラウである。ラムは
ラム 「そこのお前!!!」そう叫ぶと、ラウの方へ飛んで行こうとした。その時「ラ、ラム」とあたるの声がラムの耳に入った。ラムは、その声であたるの方に振り返り
ラム 「ダーリン!」とあたるに近づいた
 ラウは、ラムの声で我に返り慌てて姿を消した。
 あたるは、意識を失ったままだった。ラムが再びラウの方に目をやった時には、すでにラウの姿は無かった。
ラム (あいつ一体誰だっちゃ・・なんでダーリンを)と思った瞬間ハッとあたるを見て
ラム (狙われたのは・・・ウチ?)そう思うと、大きな透き通る様な目に涙を浮かべ
ラム (ダーリンは、いち早くウチの危険を察知してウチの事を守ってくれたんだっちゃ)と、あたるを抱きしめて
ラム 「ダーリン!死んじゃ嫌だっちゃー!」と叫んだ。
 

 あたるの部屋にあたるは寝かされている。その傍らには、ラムが心配そうにあたるを見つめていた。さいわい、あたるは気を失っているだけで命に別状は無い様だった。たが既に4時間以上意識は戻らない。ラムが呼び掛けても全く反応を示さなかったのだ。あたるの顔を見つめながらラムは
ラム 「あいつは、一体何者だっちゃ、なんでこんな事を」と呟くと
ラム 「ダーリン待ってて、ウチあの注射器の中身が何か調べてくるから」そう言うと、窓から飛び出しUFO に向かった。
 UFO に着くとラムは、すぐに大きなモニターの前に座り通信を始めた。ほどなくモニターには、ラウの父が映り
ラム父 「おー、ラムやないか。元気にしとるかぁ」とにこやかにラムに話しかける。ラムは
ラム 「あぁ、とうちゃん!ウチは元気だっちゃ」と笑顔で答えた。すると
ラム父 「ほうかほうか、で、どないしたんや?こんな時間に連絡してくるっちゅう事は、ただ事ではないんちゃうか?」とすぐに、ラムの異変に気付いた
 ラムは、全てを説明し注射器を見せた。
ラム父 「なるほどなぁ、しかしあの婿どのがのう」と言うとラムは
ラム 「ダーリンは、ウチを庇って・・・」と言葉を詰まらせた。ラムの瞳には涙が浮かんでいる。ラムの父は、そんなラムを見て
ラム父 「よし、ラム!ほな、その注射器をすぐに転送してくれんか?すぐに調べるさかい」と言った。ラムは、頷くとすぐに転送装置に注射器を置いて
ラム 「じゃぁ、今送るっちゃ」と言うと、スイッチを押した。
 転送装置は、ブーンブーンと鈍い音を発した後、四方から光が注射器に向けて照射され、徐々に注射器は消えていき最後には完全に消えた。するとモニターの向こうのラムの父が
ラム父 「来た来た、来たで〜」と言うと、先程の注射器を手に取って見せた。
ラム父 「ほな、すぐに調べるさかい、ちょっと待っとってや」と言い

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