「ザット・クレイジー・サマー」第四話 (Page 2)
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   「いいか、皆の衆。最早賽は投げられた!闘争の時だ!」「万国の博徒たちよ、団結せよ!」「「「おお!!!!」」」


メガネ「その、すなわち、その…競馬場で本命候補がまさかの敗北、大穴候補が勝ち場内割れんばかりの罵声とイライラ…」
パーマ「そういうこった…しかもよお、男子みんなあたるに賭けちまったもんだからよお、…」
メガネ「暴動…」
パーマ「…」
メガネ「暴動…日比谷焼打ち事件ならぬ友引焼打ち事件か…!いやいや、建物が焼けるぐらいで済むだろうか?
     暴徒化した群衆はその衝動から手当たり次第に器物破損、粗品窃盗、あたる暴行…」
パーマ「この際、恨みを買っとる面堂や温泉も…」
メガネ「う、うむ。十分ありうる…それに第一、大会の責任者として音頭を取った俺たちにまず矛先がいく…」
パーマ「あわあわあわ…怖いこと言うなよメガネ…」
メガネ「流血の大惨事なんてことになったら友引商工会中央自警団特殊工作部どころではないぞ!本職の警察、消防!はては自衛隊が出るやもしれん!」
パーマ「おぉ…くわばらくわばら…」
メガネ「……おれぁ、いやおれたちぁ…、これぁえれぁもんをひ、ひきうけちまったなぁぁ…」
パーマ「まったくだぁ…」



さて、レースに戻ろう。

飛麿「二名後退、か…」

実況は各選手の耳にも届けられるようになっている。

温泉「…意外というか、助かったというか、不思議というか、不気味というか…」
面堂「ま、諸星ならいいだろう…ん?」


しのぶ「あーっと、諸星選手、急浮上、一気に先頭集団へのし上がりました!!」




あたる「よお、めんど〜。久しぶり」
面堂「…一つ質問がある…」
あたる「なんだ?その前にまずその物騒なもんをしまえ!」
面堂「これが落ち着いていらりょうか!なんで僕が突然空から降ってきたお前に押しつぶされにゃならんのだ!!合理的に説明せい!」
あたる「文句なら竜ちゃんに言え!」
面堂「竜之介さん?どうせまたよからぬことを…」
あたる「ただ抱き付いただけじゃ!」
面堂「それがよからぬことだ!まったく、貴様というやつは毎回毎回懲りずに…」
あたる「男は何度でも勝負するもんだ!」
面堂「それはただのストーカーではないかぁ!」
あたる「なんだと、このタコ好き中毒者!」
面堂「言ってくれたな、軽薄色欲煩悩のデパート!」


しのぶ「諸星選手、快進撃もつかの間、一気に順位を下げました!面堂選手も巻き添えを食らって順位を下げました、
    あ、今藤波選手が二人を追い抜きました、最下位です!どうやら、両者まったく不毛な言い争いをしている模様です」


面堂「…貴様、確かに今の実況聞いたな…」
あたる「うん、聞いた聞いた」
面堂「なんといっていったかぐらいアホのお前でもわかるよな…」
あたる「今通過したのは竜ちゃんらしい、ということか?…」
面堂「まったく貴様というやつは!一度頭の中を見せてみろ!女性のことしか入っていないのではないか!?
あたる「たぶんそうだと思う、よくわかったな!」
面堂「…貴様のおかげで最下位ではないか!勝ち目がどんどんなくなっているではないか!ついさっき先頭集団にいたのに!」
   (僕の計画では僕は一位になる必要はなく、というよりもなってはいけない人物なのだが…そうはいっても、少なくとも父上やトンちゃんにぐらいには勝っておかねばなるまい…)
あたる「安心しなさい、君なら何とかできる、その財力で何とかせい」
面堂「軽々しくいうな!まったくおのれはどこまでも…!貴様は本当にこの状況を理解しとらんのか?!」
あたる「あえて理解する気はない!」
面堂「貴様…ただのアホよりなおタチが悪い!さあ、この家宝の太刀で楽にしてやるぞ、大人しくしろ…」
あたる「今のはしゃれたつもりか?」
面堂「うるさい!!あの時一思いに殺しておけば良かったものを…覚悟!」

◇◇「よお、元気そうだな、諸星!」

あたる・面堂「その声は…弁天様!」
弁天「いやー、ラムによお、お前を妨害するように頼まれたんだが、どうやらその必要はねえようだな」
面堂「ええ、お察しの通り。所詮アホはアホ。最下位になるような奴はアホ!」
あたる「お前なあ…自分のことを言っとることに気が付かんのか…?」
弁天「ま、そういうわけであたいの出る幕はないようだから帰るぜ、じゃあな諸星!」
あたる「まあまあ、そんなこと言わずに待ってください弁天様〜〜!」
弁天「わ、何する、やめろ、離れろって!」
あたる「そんなこと言わないで、ねえ!」
弁天「自転車漕ぎながら人の体触るなんて器用なやつだな!いいから離れろ!」
あたる「そんな固いこと言わずに〜いいじゃありませんか弁天様〜」

全速力の弁天。それを全速力で追うあたる。弁天の登場は、皮肉な結果をもたらした。

しのぶ「あ、再び諸星選手急浮上、ごぼう抜きです!!大逆転で、今、トップに浮上しました!」

ちなみに、面堂の先ほどの『あの時』がいつであるかは定かではない。




再び大会本部に戻る。

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