「ザット・クレイジー・サマー」第四話 (Page 3)
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概して現在のところ大きな事故もなく、アクシデントもなく――補足するならば、友引高校でこの程度のあたると面堂の小競り合いなどアクシデントに数えられないのである――
暇だった。現に事が起きたらいの一番に行かなければいけない教師陣やらサクラやら錯乱坊やらは呑気にそれぞれ己が用事で外出している有様であった。


…もっとも、暴徒と化すはずの博徒の恐怖におののいている二人は例外だったが…


メガネ「…しかし、それにしても、なあ、パーマ。
パーマ「ど、どうかしたか、もうお前の妄想に付き合うのぁごめんだぜ、俺はこれ以上寿命を縮めたくないんだ!」
メガネ「危機管理体制は大事だろうが!?万全のシュミレーションをもって想定される危機に…
パーマ「わーった、わーった!そのお前がいう危機管理なんちゃらというやつはあとで耳にタコができるほど聞いてやるから早く本題に入ってくれ!」
メガネ「…パーマ、この恐怖の諸悪の根源、そう、あたる、少々おかしいとは思わんか?」
パーマ「…そ、そうか?いつも通り、煩悩と本能に従って行動してるとしか思えないんだけどなあ」
メガネ「確かにそうとも取れる。しかしだ…」
パーマ「しかしなんだ?」
メガネ「なんか、こぅ…、覇気というもんが感じられんのだ、いまいち。デートと金が絡んどるのだ。色欲と物欲。な、な、わかるな!
    もうちょっと、こう、ぶっちぎりでトップぐらいの勢いぐらい欲しいところなんだがなあ…
    レイだって、周囲に牛丼屋しかり、回転ずしかり、飲食店があったにもかかわらずだな…」



ラム「メガネさ〜ん、パーマさ〜ん!お仕事ご苦労様だっちゃ」


メガネ「…!その声はラムすゎん!このような極限の緊張におかれた状況下に現れた女神!天使!会えてよかった!生きててよかったよぉ!
    こんなむさくるしい本部に来臨されるとは、しかも二度、メガネ、現在進行形で感激至極の極みであります!もう死んでもいいやい!
    暴徒に命を奪われようとも!許されざるテロルに斃れようとも!志半ばにして無知蒙昧なる衆愚の手にかかろうとも!友引の土となり、骨をうずめることになろうとも!!
    天上であなたが、あなたがその微笑みを見せてくださればそれでいい!!ところでラムさん、お茶でもジュースでも何でも言ってください!あ、何ならシャンペンでもかまいません!…
    …なんだ、ジャリテンも一緒か。言っておくが、さっきの話お前には適用せんぞ」

テン「なんだとはなんやねん!いたいけな幼児を邪魔者扱いすな!ラムちゃんと時は天と地の差やな!」
メガネ「それはそうと、またどういった風の吹き回しで?」
テン「無視するなや!」
ラム「ダーリンの様子見に来たっちゃ」
メガネ「はいはい、こちらにどうぞ…」
テン「お前、ええ度胸やな!よっぽど焼き人間になりたいんやな!」
メガネ「おだまらっしゃい!天と地の差だあ〜?ジャリテン、貴様だって同類だろうが!
    …失礼しました、ラムさん。こちらのモニターをご覧頂ければ一目瞭然、えーっと、今あたるは・・・」
ラム「あ、いわなくても分かるっちゃ。一番後ろの青色の光るやつがダーリンだっちゃね!」
パーマ「それは面堂のなんだけど」
ラム「なら、後ろから二番目の紫け?」
メガネ「それは竜之介…」
ラム「…ダーリンは何色け?」
メガネ「…赤です」
ラム「赤、赤・・・もしかしてとは思うけど、まさか…」
メガネ「……ええ、お察しの通り、…首位です」
ラム「…う〜〜〜!!!(かなり怒っている声)ダーリンのバ…」
パーマ「やばい、面堂から借りた精密機器が!!メガネ〜〜!!」
メガネ「わかぁっとぉる!そんなこたあ百も承知だ〜!
    …ああ、ラムさん、落ち着いて、落ち着いて!まだ初日です!華の初日ですよ!いざとなれば、実行委員会の権限を濫用してでもとめますから、ね!」
しのぶ「ラム、やめて、私たちに怒っても何にもならないわよ!」
ラム「…それももっともだっちゃ。しのぶ、…ごめん」
メガネ「ふぃー…首の皮一枚で助かったようだな…」
ラム「メガネさんもパーマさんもハラハラさせてごめんなさいっちゃ…」
メガネ「わかればいいんです、わかれば…」
ラム「ダーリンの様子、見てくるっちゃ!」
テン「ワイもいく〜」


あたる「弁天様〜〜」
弁天「しつこいやつだな!まったく!」
あたる「待ってえ、弁天様!!」

ビビビビビ!ビビビビビ!ビビビビビ!

あたる「ぐあ…なぜラムが・・・?」
ラム「なんでもないっちゃ!ダーリンを妨害しに来たっちゃ…」
弁天「助かったぜ、ラム!」
ラム「弁天も弁天だっちゃ!もうちょっとましな妨害をしてくれてたら・・・」
弁天「おいおい、あの諸星が追っかけてきて逃げない奴なんていねえだろ、ちったあわかってくれよお」
ラム「それにしても、反対側に走るとか、もっとなんか出来なかったのけ?!」
弁天「そこまで頭が回っていれば苦労しないぜ!」

テン「あたる、あたる」
あたる「なんじゃ」

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