うる星やつら―アナザーワールド― エピソード1 (Page 2)
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 「つまり面堂、お前は自らの弱点をお前自身の口からこの図書室に居る人間に公言した事になるのだよ」と言ってニヤリと笑った。メガネの話を聞いた面堂は
 (こ、これはまずい。このままでは僕は存在すら怪しいドッペルゲンガーに怯えている様ではないか!ここは、キッパリ否定しなくては)と思い
 「バカな!面堂家次期当主である、この面堂終太郎がそんな得体の知れない物を怖がるはずなかろう!」とキッパリ否定した。するとメガネは
 「なるほど。では、そう言う事にしておいてやろう」と更に意味有りげな笑みを浮かべた。その顔を見た面堂は
 (し、しまった!まんまと奴らの手に乗ってしまった・・・・えぇい、ここは何とか話題を変えなくては)と思った時、面堂達のやり取りを黙って聞いていたあたるが
 「はん!そんな得体の知れない奴に殺されてたまるか!」と強がってみせた。そして、しのぶの所に行くと
 「て事で、しのぶぅ〜。お茶でもどう?」と言って、しのぶの手を握った。それを見たラムは
 「ダーリン!!!ウチが本気で心配してるのに!」と言うと、バチバチと放電を始めた。それを見て、あたるは
 「毎度毎度、進歩の無いヤツだ」と言うと、廊下に逃げ出した。ラムは、それを追いながら
 「どっちが進歩が無いっちゃ!」と叫び、あたるに向けて電撃を放った。しかし、あたるは軽々とヒョイっと避けると
 「そんな簡単に捕まってたまるか!」と言い、廊下を走って逃げた。そんなあたるの行動を見て面堂は
 (諸星の、アホな行動のおかげで話題が逸れて良かった)と思い、胸を撫で下ろした。
 廊下を走って行く、あたるの姿を見てパーマは
 「しかしよう、あたるの奴自分の置かれている立場わきまえてるのかねぇ」と言った。するとメガネも
 「アホのバイタリティーは、計り知れんなぁ」と言った。

 一方ラムは
 「もう、ダーリンったら逃げ足が速いんだから。どこ行ったっちゃ?」そう言うと学校の外を探し始めた。
 その時、通りすがりの若い女性に声をかけているあたるを見つけ、猛スピードであたるに近づき
 「ダーリン!ちょっと目を離せば、すぐに他の女にちょっかい出して!」と叫びながらあたるの前に立った。するとあたるは、目を輝かせ
 「あれ?どこかで会ったっけ?」と言うとラムの横に立ち、ラムの肩に手をまわして
 「ごめんよ。キミの様な可愛い子の事を忘れるなんて」そう言って、精一杯の決め顔をした。更にあたるは
 「で、君の名前と住所と電話番号教えてくれるかなぁ?」と言った。
ラムは、あたるの突然の態度に戸惑い
 「ど、どうしたっちゃ?ダーリン?」と言って、あたるの顔を覗き込んだ。しかしあたるのラムを見る目は、いつものあたるとは違いガールハントをしている時の目だった。そう、まるでラムの事を知らないかの様な。
 その時ラムの脳裏を面堂の言葉がよぎった
 《ドッペルゲンガーですよ。ラムさん》
 ラムは、まじまじとあたるを見つめ
 (まさか、このダーリンはドッペルゲンガーだっちゃ?)と思った。
 あたるは、まるで抵抗せず自分を見つめるラムに対して
 (この子は、間違いなく俺に気がある!これは行けるぞ、ウヒャヒャヒャヒャ)と思い、ラムにキスをしようとした。しかしラムは慌てて
 「あ、ご、ごめんっちゃ。ウチ、急用を思い出したっちゃ」と言うと、スルリとあたるの腕から抜けると上空に飛び去った。あたるは、驚きながらラムを見つめていた。
 ラムは上空で一旦止まり
 「あ〜、驚いたっちゃ。まさか、ダーリンがキスしようとするなんて」と言うと、あたるを探すのを一旦やめ急いで学校に戻る事にした。学校に戻ると勢いよく図書室に入った。それを見た面堂は
 「あ、ラムさん。どうしましたか?そんなに慌てて」と言った。ラムは、息を切らしながら
 「ウ、ウチ、、、今ダーリンのドッペルゲンガーに会ったっちゃ」と言った。すると、それを聞いた面堂達は一斉に
 「えーーーーーーー!!!!」と声を上げた。そして、すかさず面堂が
 「ラムさん!それは、この学校内でって事ですか?」とラムに聞いた。ラムは
 「ううん、違うっちゃ。友引商店街だっちゃ」と言った。すると面堂は
 「確かに諸星のドッペルゲンガーだったんですか?諸星本人では?」と言った。しかしラムは
 「あれは、絶対ウチの知ってるダーリンじゃないっちゃ。だってウチの事知らない感じだったっちゃ」と言った。それを聞いたメガネは、ラムに近づき
 「ラ、ラムさん!そのあたると喋ったんですか!?」と凄い剣幕で聞いた。ラムはメガネの剣幕に圧倒されながらも
 「うん。喋ったっちゃ。ダーリンは、ウチを口説いて来たっちゃ。そしてキスしようとしたっちゃ」と頬を染めながら言った。するとメガネは顔を真っ赤にしながら
 「な、な、なんですってーー!ラ、ラムさんに、キ、キ、キス!!!?」と言った。更に面堂も

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