うる星やつら―アナザーワールド― エピソード1 (Page 4)
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 「わ、分かったよ!メガネ」と言うと、がむしゃらにもう一人のあたるの痕跡を探し始めた。

 およそ二時間ほど、周囲を捜索した一行だが何一つ痕跡の様な物をみつける事が出来なかった。そして、面堂が
 「これだけ探して何の手がかりも無いないんて・・」と言うと、パーマが
 「そう言えば、変だと思わないか?」と突然言った。それを聞いてメガネは
 「変?何がだ?」とパーマに問いかけると
 「商店街の様子だよ・・いつもは何か、もっと人が居た様な・・」とパーマは、商店街を見渡した。メガネ達も周りを見渡し、カクガリが
 「確かに明らかに人が少ない気がするなぁ」と言い、メガネも
 「いつもなら、買い物をする主婦や買い食いを楽しむ学生が、あちこちに居るのだが今日は全く居ない・・バイロケのあたるの痕跡が見つからない事と関係有るのかもしれんなぁ・・」と言った。すると面堂が
 「とにかく、何の手がかりも見つからん以上、いつまでもこんな所に居ても時間の無駄だ。一旦、学校に戻ろう」と言うと、学校に向かって歩き出した。メガネ達も頷き、後に続いた。

 学校では、あたるがふて腐れながら
 「何で俺がこんな目に会わにゃぁならんのだ」と言い、それを聞いたラムが
 「ダーリン、きっと大丈夫だっちゃよ」と慰めていた。しかしあたるは
 「何が大丈夫だ!お前は、自分の事じゃないからそんな事を言ってられるのじゃ!」と言った。するとラムは
 「何言ってるっちゃ!ウチとダーリンは一心同体だっちゃ、ダーリンの事はウチの事も一緒だっちゃ!」と言い、それを聞いたあたるは、驚いた顔をして
 「ラ、ラム・・お前・・・・・・そんな恥ずかしい事、良く人前で言えるな」と言って呆れた素振りを見せた。しかしラムは、開き直った様に
 「当たり前だっちゃ。ウチらは夫婦だっちゃ。夫婦は、人前でも堂々としてるものだっちゃ」と言った。するとあたるは
 「誰が夫婦じゃ!!」と言い、更に
 「お前と夫婦なんて思った事は、一度も無いわ!」と言って、そっぽを向いたが、すぐに只ならぬ気配に振り向くと、そこにはパチパチと電気を放電しながらラムが、あたるを睨み付けていた。そして次の瞬間
 「ぬわんだとぉぉぉぉー!!!」と言う言葉と同時にラムは、あたるに最大級の電撃を浴びせた。
 バリバリバリバリバリバリバリバリーーーーーー!!!!!
 ラムの電撃で図書室の半分は壊滅状態になり、あたるはその中心で、まるで焼きすぎて丸焦げになったサンマの様になっていた。
 ラムの電撃が合図の様に、授業終了の鐘がなり、ちょうどそこにバイロケのあたるを探しに行っていた面堂・メガネ・パーマ・カクガリ・チビの五人が帰って来た。メガネは、プスプスと煙を上げているあたるをみて
 「まだ寝てるのか・・」と言い、続けて面堂が
 「まったく、いい気なもんだな。僕たちがラムさんの為とは言え、必死にもう一人の諸星を探している間、本人は呑気に寝ているのだからな」と吐き捨てる様に言った。それを聞いたラムは
 (今さら、さっきウチの電撃でまた寝たなんて言えないっちゃ)と思い、慌てて
 「それで、もう一人のダーリン居たっちゃ?」と聞いた。すると面堂が
 「いや、諸星どころか何の痕跡も見つける事が出来ませんでした」と申し訳なさそうに言った。それを聞いてラムは
 「そう・・・・でも、みんなありがとうだっちゃ。ダーリンの為に」と言うと、にっこりと笑った。その笑顔を見た面堂・メガネ・パーマ・カクガリ・チビは、全員
 (あぁ、ラムさん。何て可愛いんだ)と思い、恍惚の表情を浮かべた。それを見ていたしのぶは
 「ばっかみたい」と一言言うと、図書室から出て行った。


 突然現れたもう一人のあたる。面堂達の必死の捜索にもかかわらず、何の痕跡も見つからないのは何故か?
 しかし、これはほんの序章にすぎなかった。物語は、思わぬ方向へと進んで行く事となるのであった。

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