うる星やつら―アナザーワールド― エピソード2 (Page 2)
Page: 01 02 03 04

 「うん、私が居てもどうにも出来そうにないし」と言った。すると面堂が
 「何か異変が起きてるかもしれません。一人で帰るのは危険では?」と言ったが、しのぶは
 「面堂さん、ありがとう。でも、大丈夫だと思う」と言うとニコリと笑った。それを見た面堂は
 「分かりました。でも、くれぐれも注意して下さい」と言った。しのぶは、軽く頷くと教室を後にした。
 しのぶは、学校を出ると
 (あ、今日はお買い物を頼まれてるんだった)と買い物を頼まれてる事を思い出して、友引商店街に向かった。しのぶが商店街で買い物をしていると、目の前を見覚えのある顔が通り過ぎた。しのぶは
 (あたるくん?)と思い、後を追った。さっき、しのぶに机でフルスイングされ更にサクラに蹴り上げられて空の彼方に消えたあたるだから、商店街に居てもおかしくはないのだが、しのぶは何か違和感を感じていた。あたるの後を追いながら、しのぶは
 (もしかして、あのあたるくは面堂さん達が騒いでいたもう一人のあたるくん?)そう思いながらも後をつけた。あたるは周りをキョロキョロしていた。しのぶには、それが何かを探している様に見えた。しばらく進むと前を歩いていたあたるが忽然と姿を消した。どこか路地に入ったりしたのでは無く、一瞬で消えたのだ。しのぶは自分の目を疑った。
 (え?あたるくん?……消えた?)しのぶは、そう思ってあたるが消えた辺りに行ってみたが、もちろんあたるの姿は無い。まるで初めから存在して居なかった様に、何の痕跡も無かった。しのぶは、急に言い知れね恐怖を感じ早く買い物を済ませ、帰ろうと思った。しのぶが頼まれた野菜を買おうと八百屋の近くまで来ると、そこには目を疑う光景が待っていた。しのぶは、あまりの衝撃にその場を動けず立ち尽くした、そこには、もう一人のしのぶが居たのだ。
 その時、ふと面堂の言葉が脳裏をよぎった
 『ドッペルゲンガーに接触すると、死ぬと言われてます』
 しのぶは、ハッと我に返り近くに身を隠し様子を伺った。もう一人のしのぶは、八百屋で野菜を買っている様だった。こちらに気付いている様子は無く、そこに存在しているのが当たり前の様に普通に買い物を済ませると、家の方角に歩きだした。それを見て、しのぶは
 (え?まさか家に帰るの?……そんな事になったら私、家に帰れないじゃない)そう思って焦りだした。しのぶは、気付かれない様に慎重に後をつけた。やはり、家に向かっているのはあきらかだ。しのぶは半分パニックになりながらも、後をつけた。
 もう一人のしのぶが、交差点に近づいた時
 (あの交差点を曲がれば、すぐに家……このままじゃ本当に帰れなくなっちゃう)しのぶがそう思った時、もう一人のしのぶもさっきのあたる同様に忽然と姿を消した。あたるの時は、まわりに人が居たから見間違いの可能性も僅かだが残っていたが、今回は違う。周りには誰も居ない、そんな中でしのぶの目の前で消えたのだ。しのぶは
 (き、消えた……今度は間違い無い。やっぱり面堂さん達が言っていた様に何か起きてるんだ)そう思い、激しい恐怖に襲われた。しのぶは、走って家に帰ると母親にろくに挨拶もせず部屋に駆け込んだ。

 その頃、友引高校ではまだ面堂達が話し合っていた。いつの間にか、あたるとラムも一緒に。そんな中、面堂が
 「とにかく、ここでこうして議論していても解決はしない!」と言った。するとメガネが
 「かと言って、何かいい案が有るわけでも有るまい」と言った。それを聞いて面堂は
 「確かにそうだが、こんな事をしていても時間の無駄だ!」と言った。そんな二人の会話に、あたるが口を挟んだ
 「なぁ、いい加減帰らないか?」そのあたるの発言に
 「貴様ー!誰の為に議論してると思ってるんだ!」と面堂が言い、続けてメガネが
 「あたる〜……お前、事の重大さに気付いて無いようだが……」と、至って冷静にあたるの肩に手を乗せて言った。しかしあたるは
 「とにかく、もう一人の俺に会わなけりゃいいんだろ?」と言った。それを聞いたパーマは
 「だから、それをどうするか話し合ってるんじゃないか」と言った。すると、あたるは
 「ラムに連れて帰ってもらえば会わないんじゃないか?」と言った。それを聞いた面堂とメガネは、お互いに顔を見合わせて
 「その手が有ったか!」と同時に叫んだ。しかしラムは
 「ウチ、ここから家までダーリン運ぶなんて無理だっちゃ」と言った。するとあたるは
 「なに?俺が死ぬか生きるかって時に、お前は!!!なんとしても家まで連れて行こうと思うのが女房ではないのか?」と言うと、ラムは
 「ダーリン!ウチの事を妻って認めてくれるっちゃね」と言い、あたるに抱きついた。あたるは
 (しまった!)と思い、ラムを振り払うと
 「例えだ、例え!お前は例え話も分からんのか」と言った。ラムはあたるに舌を出し
 「べぇ〜!ダーリンの意地悪」と言った。そして

Page 1 Page 3
戻る
Page: 01 02 03 04