うる星やつら―アナザーワールド― エピソード2 (Page 3)
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 「家までは無理だから、ウチとUFOで一緒に寝るっちゃ」と言うと、ニコリと笑った。それを聞いた面堂は、すかさず
 「ラムさん!いけません!諸星の様なヤツと二人きりになるなんて自殺行為です!」と言って、あたるの方を向くと
 「諸星、不本意ではあるが今回の騒動が落ち着くまでは、貴様を我が面堂家に置いてやろうではないか」と言った後、ラムの方を向き
 「ラムさんも、是非どうぞ」と言った。あたるは面堂の言葉に
 「何がラムさんもだ、ラムが目的だろうが」と言うと、面堂の前に立ち
 「おおかた、この機にラムにとりつくつもりだろうが、そうは行くか」と言った。すると面堂は
 「失敬な!僕は、あくまで貴様の友人として好意で言っているのだ!やましい気持ちなど無い!」と言うと、どこからともなく日本刀を取りだし、あたるの鼻先につきつけ
 「僕は、ラムさんの事を思って招きたくもない貴様を招くのだ」と言った。それを見ていたラムは
 「まぁまぁ、ダーリンも終太郎も」と言うと、間に割って入った。そして、あたるに
 「ダーリンも、せっかく終太郎がああ言ってるんだから、ここは素直に終太郎の所に泊まろう」と言った。あたるは、渋々と面堂の家に行く事にした。

 面堂家の広大な敷地内に、一機のヘリコプターが着陸すると、中から面堂が現れ
 「さぁ、ラムさん。こちらです」と言うとヘリコプターの中のラムに向かって笑顔を作った。そしてラムが、あたるとヘリコプターから降りると
 「諸星、僕に感謝するんだな」と言った。あたるとラムが面堂の横に来ると、面堂は瞼をピクピクと痙攣させながら
 「なんでお前達まで、ちゃっかりついて来とるんだ!」と叫んだ。面堂の視線の先には、メガネ・パーマ・カクガリ・チビの四人の姿が有った。面堂の言葉に対してメガネは
 「何言ってるんだ面堂!友人の命の危機に黙って家で睡眠を貪っている訳には行くまい」と言った。しかし面堂は
 「おおかた、ラムさんが目的であろうが」と言いながら屋敷に向かって歩き出した。
 面堂は、屋敷に入り1つの部屋のドアを開くと
 「ラムさんは、こちらの部屋を使って下さい」と言った。その部屋はベッドルームらしかったが、広さはゆうに20畳は有った。そこに、キングサイズのフカフカのベッドが置いて有った。その部屋を見てラムは
 「うわぁ、広いっちゃねぇ」と言いながら中に入ると部屋を見渡した。そしてあたるの手を取り
 「さぁ、ダーリン早く入るっちゃ」と言った。それを聞いた面堂は
 「ラムさん!何言ってるんですか!」と言うと、あたるの手を引っ張り廊下に引き戻した。そしてラムに
 「ここは、ラムさんの部屋です。諸星には別の部屋を用意しますから」と言った。そんな面堂の言葉にラムは
 「えぇ、つまんないっちゃ」と言うと口を尖らせた。そんなラムに面堂は
 「もうすぐ夕食になりますから、それまでは部屋で休んでいて下さい。時間には迎えに来ますので」と言って、近くの黒服に耳打ちした。
 《いいか、誰が来ても絶対に部屋に通すな!諸星もだ!分かったな》と言うと、あたる達を連れて廊下を歩いて行った。やがて、1つのドアの前で立ち止まると
 「お前達は、この部屋をつかえ」と言って、ドアを開けた。その部屋は、先ほどのラムの部屋に比べると、まるで月とスッポン程の差が有った。それを見たあたるは
 「おい、面堂……この部屋に泊まれと言うのか?」と言うと、面堂は
 「そうだが、何か問題でも?5人でも、充分な広さだと思うが」と言った。しかしあたるは
 「確かに広さは問題ない、広さはな。だがこの部屋は…………ただ広いだけで何もないではないか!」と言った。そう、その部屋には何も無かったのだ。まるで引っ越し前の部屋の様に何も無く、ただ広いだけの部屋だった。そんなあたるの言葉に面堂は、ニヤリと笑い
 「心配するな、布団くらいは用意してやろう」と言うと、さらに
 「もうすぐ夕食になる。時間になったら呼びに来るから、くつろいでいてくれ」と言って部屋を出て行った。
 一方、部屋にひとりのラムは
 「……つまらないっちゃ!ウチひとりで、こんな部屋に居てもつまらないっちゃ!」と言うとドアを開けた。するとドアの前には黒服が二人立っていて
 「ラムさま、部屋にお戻り下さい」と言った。しかしラムは
 「何でだっちゃ?ウチ、一人でこんな部屋に居るのはつまらないから、ダーリンの所へ行くっちゃ」と言い、無理やり部屋を出ようとしたが、黒服は
 「いけません!若に、絶対に誰も部屋に通すなと言われています!」と言って、立ち塞がった。それを聞いてラムが
 「誰も部屋に通すなとは言われても、誰も部屋から出すなとは言われてないんじゃないっちゃ?」聞くと、黒服二人は顔を見合わせて
 「確かに!なぁ〜んだ、部屋から出すのは良かったんだ!アハハハハ」と笑った。ラムは、そんな黒服に
 「じゃぁ、ダーリンの部屋教えて欲しいっちゃ」と言うと、黒服は

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