うる星やつら―アナザーワールド― エピソード3 (Page 3)
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 「何も無いではないか」と言ったが、ラムは
 「目には見えなくても、そこには空間の歪みが有るっちゃ。とても不安定だから、もしかするとここ1ヶ所だけじゃないかもしれないっちゃ」と言って、また周りを調べ始めた。それを聞いた面堂は
 「ラムさん、それはどう言う事ですか?」とラムに聞くと、ラムは
 「ここの歪みは、不安定で小さいっちゃ。だから、多分もっと大きくて安定してる歪みが有るはずだっちゃ」と言いながら周囲を調べていると
 「みつけたっちゃ!」と言い、再びそちらに向かった。みんなラムに遅れまいと後をついて行くとそこは、喫茶店ピグモンの前だった。それを見てメガネが
 「喫茶ピグモン……ここは何かと縁が多いなぁ」と呟くと、あたるは
 「そりゃぁ、お前らはな。何たって、ラム親衛隊の拠点だもんな」と半分バカにした口調で言った。しかしメガネは、あたるの言葉には全く動じず
 「フン、お前なんかに俺達のラムさんに対する崇高な気持ちは理解出来まい。何故ここを拠点にしているのか、それはこの店がラムさんの行動を見守るのに最適だからだ。我々は常にラムさんの行動を把握し、ラムさんに何か有れば即対応出来る様にしておるのだ!どうだ、分かったか!」と言った。それを聞いたあたるは
 「それは、ただのストーカーではないのか?」と言った時、サクラが
 「お主ら、いい加減にせんか!!」と叫んだ。ラムもあたるとメガネの方を向き
 「もう、サクラの言う通りだっちゃ。今は、そんな事言い合ってる場合じゃないっちゃよ」と言うと、ピグモンの窓のあたりを指差して
 「そこに、空間の歪みが有るっちゃ。このまま放っておくと、どんどん拡がるだけだっちゃ」と言った。すると面堂が
 「するとラムさん、その空間の歪みからもう一人の諸星やしのぶさんが現れたって事ですか?」と言うとラムは
 「間違いないっちゃ。多分、もう一人のダーリンやしのぶはパラレルワールドの住人だっちゃ」と言った。それを聞いたパーマが
 「パラレルワールドかぁ……でもよ、そんな空間の歪みを通ってまでこちらに来る理由って何なんだろうなぁ」と言うとラムが
 「多分、空間の歪みを通っている実感は本人には無いんだっちゃよ、きっと」と言うと面堂が
 「そうか!だから昨日見に来た時、商店街に違和感を感じたんだ」と言った。それを聞いてメガネは
 「もさかすると、向こうから来るだけでは無く、こつらからも行ってるのかもな」そう言ったが続けて
 「しかし、そうなるとここで人が消えたり現れたりする事になるよな?それに誰も気づかないのは、おかしくないか?」と言った。それを聞いたサクラも
 「確かにそうじゃな。そんな事が起きれば何かしら騒ぎにはなるはずじゃ」と言った。ラムは少し考えている様だったが、やがて
 「多分、この空間の歪みを通るには何か条件が有って、その条件が揃わないと通れないんだと思うっちゃ」と言った。するとあたるが
 「条件?」と聞くとラムは
 「うん、さっきメガネさんが言った様に突然、人が消えたり現れたりしたら絶対に騒ぎになるはずだっちゃ。でも、そんな騒ぎが無かったって事は、この歪みを通って別の世界に行ってもその人が消えなかったって事だっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは、訳が分からず
 「お前何言ってるんだ、別の世界に行っても消えないって……それって別の世界に行ってないんじゃないか?」と言うと、サクラも
 「うむ……ラム、もう少し分かりやすく説明してくれぬか」と言った。ラムは、頭の中を整理しながら
 「つまり、その条件が凄く確率的に低い事だけど、こちらの世界の人と向こうの世界の人がこの歪みの近辺で接触した場合に歪みを通り抜けると考えると、説明がつくっちゃ」と言った。それを聞いた面堂が
 「そうか!入れ替わりって事ですね!」と言うとラムが
 「そうだっちゃ。こちらの人が歪みを通って向こうに行くと同時に向こうからこちらに来れば、まわりからはその人は普通に歩いてるだけに見えるっちゃ」と言うとサクラは
 「なるほど、それなら騒ぎが起きなかったのも納得行くのう」と言ったが、しのぶが
 「ちょっと待ってよ!確かに昨日私もここ通ったけど、ラムの説明だと私は向こうに居るはずでしょう?そもそも、それならもう一人の自分が現れる事は無いはずじゃない」と言った。ラムはしのぶの言葉を聞き
 「それなんだっちゃよね、多分他にもこの歪みを通る条件が有るんだっちゃよ」と言った。するとあたるが
 「じゃぁ、その条件が分からない限りどうしょうも無いって事か?」と言ったが、ラムは
 「そんな事も無いっちゃ。今の状態の歪みを修正するのは難しいけど、歪みが出来た頃なら修正出来るっちゃ歪みが無くなれば、もう一人の自分が現れる事も無いっちゃ」と言った。しかしあたるは
 「そんな事言ったって、今更どうしょうも無いだろう」と言ったがラムは

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