うる星やつら―アナザーワールド― エピソード3 (Page 4)
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 「ダーリン覚えて無いっちゃ?ウチと過去に行った時の事。ダーリンがまだ可愛かった頃に、って言ってもダーリンは後から来たんだけど」と言った。それを聞いてあたるは
 「あ、確かコーヒーカップに飛び込んで……」と思い出した。ラムとあたるの会話を聞いていたメガネは
 「ラ、ラムさん!それは、ま、ま、まさかタイムマシン?」と興奮しながら聞いた。するとラムは
 「簡易タイムマシンだっちゃ」と言ってニコリと笑った。するとメガネは
 「な、なんとタイムマシンが実際に存在するなんて……理論上では可能と言われても実現は不可能と言われたタイムマシンが」と言った時、パーマが
 「なぁ、メガネ。今更タイムマシンぐらいで驚く事かよ、俺達今までどれだけ驚く様な体験してきてると思ってるんだ?」と言うと、メガネは冷静になり
 「そ、そうだった。タイムマシンと聞いて、つい舞い上がってしまった」と言った。そんなメガネとパーマをよそにラムは
 「過去に戻って、この歪みが小さいうちに空間を安定させる機械で空間を閉じるっちゃ」と言った。それを聞いたサクラは
 「そんな事が出来るのか?」と聞いたが、ラムは
 「可能だっちゃ。ただ、パラドックスを起こさない様に気を付けないといけないっちゃ」と言った。するとチビがメガネに
 「なぁメガネ、パラドックスって何だ?」と聞くとメガネは
 「そんな事も知らんのか、パラドックスとは言わば矛盾の事だ。いいかチビ、お前はラムさんがこの空間の歪みを機械で塞ごうと過去に行く事を知っていたか?」とチビに聞くとチビは
 「そんなの知ってる訳ないよ。だって、さっきラムちゃんに聞いたんだから」と言った。それを聞いたメガネは
 「そう、知らないから今ここに居るんだ。もし、前もって知っていればここには居ないだろう。何故ならラムさんが機械で空間を塞ぐのを知っているからだ」と言って、更に
 「つまり、知るはずの無い俺達が知ってしまったら、その時点で矛盾が生じ未来が変わってしまい別の時間軸が発生する。そうなったら、ラムさんが戻るのはこの未来では無く変わってしまった未来なんだ。そうなれば、この世界にはラムさんは永遠に戻れなくなってしまうのだ。だから、ラムさんはパラドックスに注意すると言ってるんだ。分かったか?」と言った。チビは、分かったのか分からなかったのか、小さく頷いた。メガネの話を聞いていたあたるは
 (なんだと!)と思い、ラムの所へ行くと小声で
 『おい、ラム。お前は大丈夫なのか?』と言うとラムは
 『大丈夫だっちゃ。人に見られない様に夜中に行くっちゃよ。もしかして、ダーリン心配してくれるっちゃ?』と言って目を輝かせた。そんなラムを見てあたるは
 『アホ、お前が失敗せんかと心配しとるのじゃ』と言った。しかし、これはもちろんあたるの照れ隠しで心の中では
 (ラム……ちゃんと、帰って来いよ)と思っていた。ラムはS.T.Dをしまうと
 「じゃぁ、早速ウチは機械を持って過去に行ってくるっちゃ」と言うと、UFOに向かって飛んで行った。そんなラムを見て、あたるは
 「あいつ大丈夫か?あいつがあの手の事をしようとする時、大抵ろくな事にならないんだよな」と言ってラムが飛び去った空を見上げた。

 過去に戻って空間の歪みを修正しようとするラム。しかし、この行動が事態を更に悪い方向へ向かわせてしまうのであった。


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