うる星やつら―アナザーワールド― エピソード4 (Page 4)
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 「血迷うたかサクラよ、このわしに霊力で敵うはず無かろう」と言うと数珠を取りだし、サクラを挟む様に霊力を放出し始めた。サクラは、なんとか避けると喫茶店ピグモンの窓を背にして、錯乱坊2人と対峙した。サクラは
 「この霊力、やはり簡単にはいかんな。ならばやむを得ん」と言うと、2人の錯乱坊に対して霊力を放出し始めた。錯乱坊も霊力を放出し、2人いや3人の霊力が空中で激突した。その場所はなんと空間の歪みの場所で、ぶつかり合う霊力が歪みに作用したのか、歪みが更に大きくなった。しかし目には見えず、サクラと錯乱坊には分からなかった。3人の霊力が空中で膠着していると、錯乱坊が空間の異変に気付き
 「サクラ!ちょっと待て!」と言ったが、サクラは
 「何を呑気な!」と言って、更に霊力を放出しようとしたが、錯乱坊は
 「待てと言うとるのが分からんか!!」と怒鳴った。そんな錯乱坊の迫力にサクラも霊力を放つのを中断した。すると錯乱坊は
 「なにやら、この辺りから異様な気配を感じるのじゃが」と言うと、もう一人の錯乱坊も
 「確かに感じるのぅ」と言った。それを聞いてサクラが
 「実は、この場所は別の世界に繋がっているらしいのじゃ」と言うと、錯乱坊は
 「別の世界?そりゃ面妖じゃのう」と言った。そして、サクラはあらためて錯乱坊2人をまじまじと見つめ
 「ところで、何故叔父上は2人おるのじゃ」と聞くと、錯乱坊は
 「うむ、実は……わしにも分からんかのだ。気づいたら2人になっておった」と言った。サクラは
 「なるほど……さしあたり、どちらかが別の世界から来た叔父上なのじゃろうが、自覚は無いのか?」と錯乱坊に問いかけると、錯乱坊は
 「さぁのぅ?」と言った。サクラは
 「ただでさえ、不気味な叔父上が2人とは……」と、ボソっと言うと錯乱坊は
 「何か言ったか?」とサクラの目を見た。サクラは、錯乱坊から目を逸らし
 「仕方ない、皆には私から説明しておくとしよう。わたしは一旦学校に戻るが、くれぐれも目立つ行動は控える様に」と言うと、学校に戻る事にした。
 サクラが学校に戻ると、ちょうど授業終了の鐘が鳴ったところだった。サクラが校舎に向かって歩いていると、下校する生徒達が驚きの目でサクラを見る。無理もない、サクラの肩にはタコが乗っているのだ。先ほど歪みから引っ張り出したタコである。何故か、サクラから離れようとせず仕方なくサクラが連れて来たのだった。すると、前からあたる達が歩いて来た。あたるはサクラを見るやいなや、ダッシュで走り寄り
 「サ、ク、ラ、さ〜ん」と叫びながら抱きつこうとジャンプした。しかしサクラはなんなく避けると、あたるを踏みつけ
 「お主も懲りんのぅ」と言った。そんなサクラの姿を見て面堂は、目を疑った。なんとサクラの肩の上に居るのは、行方不明になっていた鶴丸だったのである。面堂は
 (あ、あれは……紛れもない、鶴丸だ!)と思うと、思わずサクラに駆け寄り鶴丸を抱き締め様と手を伸ばした。するとサクラは、それを見て面堂の顔面に右ストレートを叩き込み
 「貴様もかーー!」と叫んだ。面堂は、サクラの右ストレートをモロに喰らい仰向けに倒れた。
 数分後、面堂からタコの鶴丸の事を聞いたサクラは、ばつが悪そうに
 「そう言う事なら、先に言わんか」と言った。面堂は、愛しそうに鶴丸を抱いて
 「良かったなぁ、鶴丸」と言った。鶴丸も面堂に会えたのが嬉しいのか、触手を面堂の顔中に這わせていた。それを見てパーマが
 「ほう、これが居なくなった鶴瓶か」と言うと、すかさず面堂が
 「鶴丸だ!なんだ鶴瓶とは!落語家じゃ有るまいし、そんな名前つけるか!」と怒鳴った。そんな面堂にメガネが
 「でも、良かったじゃないか。無事に戻ってきたのだから……鶴光だっけ?」と言うと、あたるが
 「いや、鶴笑だろ?」と言った瞬間、面堂は何処からともなく日本刀を取り出すと
 「貴様ら、そんなに僕のタコを落語家にしたいのか?」と言い、あたるの鼻先に刃を向けた。あたるは、ニヤニヤと笑いながら
 「いやだなぁ面堂君、ほんの冗談じゃないか。みんな分かってるよ、帰って来たのが鶴丸って言う、イカだって事は」と言った。すると面堂は
 「フフフフ……」と小さく笑いながら
 「諸星、どうやら貴様は本気で斬られたいらしいな」と言うと、カッと目を見開き
 「そこになおれ!!刀の錆びにしてくれる!」と言い、あたるに斬りかかった。しかしあたるは間一髪、面堂の一撃を真剣白羽取りで受け止めた。そんな二人にサクラが
 「お主ら、そろそろじゃれ合うのをやめんか」と言うと、あたると面堂を引き離し
 「実は、お前達に言っておかねばならん事が有るのじゃが……」と言った。するとあたるが一瞬にしてサクラの横に行くと
 「水くさいな、言わなくても分かってるよ」と言った。するとサクラは

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